大阪の西成区に飛田新地という街があります。
いわゆる遊郭ですね。
この本ではタイトルでも色街と表現しておられますけども。
いやまあ確かにこの界隈、その雰囲気は別の時代に来たのかというような趣があります。
同じような造りの『料亭』が並ぶ街並み。
夜ならその玄関には妖艶にライトアップされた女性が座っておられます。
そして呼び込みのおばちゃん。
いやしかし、その女性たちのレベルの高いこと。
私もときどき目の保養をさせてもらっております。(笑)
そんな男性の街に女性の著者が飛び込み、長年にわたって取材をされたのがこの本です。
まず私が思いましたのは、やはり女性の目線だなということ。
この街にカルチャーショックを受けるのは初めての人なら誰しもでしょうけど、ここで行われている行為に関してやけにこだわっておられる。
たしかに公にできることではありませんが、男の私からすればなにをいまさらなことです。
事実上公認状態ですし。
でも女性からすればやはり黙認するわけにはいかないんでしょうかね。
西成警察にも問い合わせておられます。
そしてこの街に関わるいろんな人たちに取材しておられるのは大変なご苦労だったと思います。
女性が書いた本であるというのを強調するのは著者にとって本意ではないかもしれませんが、しかし女性が店の前を通るだけで嫌がられる空気のある界隈です。
よくぞまあ女性の手でと思いました。
ただどうなんでしょう。
じゅうぶんに読ませていただきましたが、もひとつ核心にいたっていないという気がするんですよね。
玉子でいえば白身は堪能しましたけど、じゃあ黄身は? といったところです。
ラベル:ノンフィクション