2016年05月31日

5月の一冊

今月の読書は以下の15冊でした。
 
・「週刊ブックレビュー 20周年記念 ブックガイド」 
・「黒笑小説」東野圭吾
・「食堂つばめ」矢崎在美
・「水滴」目取真俊
・「はじめての恋でした」水城夕
・「エレクトラ 中上健次の生涯」高山文彦
・「剣客商売 暗殺者」池波正太郎
・「ラーメン屋の行列を横目にまぼろしの味を求めて歩く」勝見洋一
・「書店ガール3 託された一冊」碧野圭
・「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学」山田真哉
・「超・居酒屋入門」太田和彦
・「お寿司、地球を廻る」松本紘宇
・「植物図鑑」有川浩
・「掌の小説」川端康成
・「核と女を愛した将軍様 金正日の料理人「最後の極秘メモ」」藤本健二

「週刊ブックレビュー 20周年記念 ブックガイド」、テレビでやっていた書評番組の書籍化です。

20年分のデータがたっぷりと詰まった一冊。

「黒笑小説」、もっとブラックでひねりのある内容かなと思ったのですが。

ちょっと期待しすぎましたかね。

「食堂つばめ」、ややファンシーな食べ物小説。

シリーズですので続きを読んでいきたい。

「水滴」、シュールで怖くて悲しい話です。

芥川賞受賞作。

「はじめての恋でした」、素人以上プロ未満なエタニティ文庫。

この作品もまさしくです。

「エレクトラ 中上健次の生涯」、不世出の作家中上健次の生涯を綴ったノンフィクション。

保存版な一冊です。

「剣客商売 暗殺者」、シリーズ14弾です。

小兵衛の言動にも変化があり、いよいよ終わりに近付いてきたかなという印象。

「ラーメン屋の行列を横目にまぼろしの味を求めて歩く」、本物の味がまぼろしとなりつつある昨今。

しかしラーメン屋は若い連中に人気という皮肉。

「書店ガール3 託された一冊」、書店を舞台に女性の仕事を描いたシリーズ。

今回は東北の震災を扱っておられます。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学」、会計学と聞くとなんだかややこしそうですが。

この本では実に読みやすく面白く解説されています。

「超・居酒屋入門」、本来高級店などと違って気楽に酒を楽しめるのが居酒屋であるはずで。

それをこういう“道”にしてしまうのは野暮なはずなんですけどね。

「お寿司、地球を廻る」、いまや世界的な料理になった寿司。

各国の寿司事情がレポートされています。

「植物図鑑」、この作者の作品の中では阪急電車」に通じる系列になるんですかね。

ほのぼのとした恋愛が心地よい。

「掌の小説」、タイトルからわかるように掌編集です。

あまりよくわからないのもあれば地味に味わい深いものもあり。

「核と女を愛した将軍様 金正日の料理人「最後の極秘メモ」」、金正日の身辺や北朝鮮の内情を公開した貴重な本です。

評論家などの立場ではなく、将軍の身近で接してきた見聞が迫真です。

さてさて。

今月の読書はまずまずな印象でした。

小説もノンフィクションも手応えあったのが何冊か。

そんな中から候補を上げましたら、「書店ガール3 託された一冊」と「植物図鑑」です。

「書店ガール3 託された一冊」はシリーズですがレベルが安定していますし毎回進歩もあります。

「植物図鑑」はそこらに生えている植物をモチーフにした眼の付け所が新鮮でいい。

しかも恋愛を描きつつ最近流行の料理小説に仕上げて。

作者の上手さと作風の広さに参りました。

ということで、今月の一冊は「植物図鑑」に決定。

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2016年05月29日

「核と女を愛した将軍様 金正日の料理人「最後の極秘メモ」」藤本健二

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「金正日の料理人」が話題になった著者。

都合13年間を金正日の元で料理人として過ごしてきました。

なので日本人としては誰よりもファミリーのことをよく知っています。

金正日のあと最高指導者の地位を継ぐのは長男の正男か次男の正哲ではないかといわれていた中、著者は一貫して三男の正恩であると主張し続けてきました。

当時三男の存在はほとんど知られておらず著者の経歴も眉唾扱いされたりしたようですが、現実に正恩が後継者指名されることにより俄然注目を浴びることになります。

この本でも金正日や周りの内情についてかなりな事まで書かれています。

正日の食についてははもちろん、妻のこと、子供たちのこと、愛人のこと。

偽造パスポートや偽札造り、核シェルターの存在など、そんなことまで書いていいのかと。

他人事ながら心配になります。

北朝鮮時代は常に言動が監視され、軟禁状態になったことも。

2012年には子供の頃から遊び相手だった金正恩から招待を受け、11年ぶりに訪朝しておられます。

今後日本人でここまでファミリーに身近に接することができる人が現れるとも思えませんので、貴重な存在ではありますね。

posted by たろちゃん at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ふ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月27日

「掌の小説」川端康成

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掌編集です。

その数111編。

エンターテイメント小説ならショートショートと呼ぶところかもしれませんが、さすがに川端ではそうはいきません。(笑)

20代に書いた作品が大半とのこと。

いろんな作風が収められています。

自伝的なものや幻想的なもの、伊豆を舞台にしたものなど。

それぞれ短いせいもあるのでしょうが、私には飛びぬけてこれと思えるような作品はありませんでした。

まずまずかなと思える作品はポツリポツリと。

「化粧」や「心中」などがよかったですかね。

ラベル:小説
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2016年05月25日

「植物図鑑」有川浩

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深夜マンションの植え込みに転がっていた若い男を発見したさやか。

「咬みません。躾のできたよい子です」の言葉に思わず拾ってしまい、家政夫として同居させることになります。

イツキという名前の彼は植物オタクです。

近所の道端に生えているいろんな植物が実は食用になるんだとイツキに教えられるさやか。

採ってきた植物でイツキが作る料理が絶品です。

週末にはふたりで“狩り”に出かけるのが楽しみになりました。

同居しているにも関わらずイツキはさやかにいっさい手を出したりしません。

そんな紳士なイツキに思いを寄せるさやか。

しかしイツキという名前以外にはいっさい素性を知らないのです。

訊いてはいけないような気がして。

それでもイツキに植物のことを教えられ、彼が作る美味しい料理を食べる楽しい毎日。

こんな生活がずっと続くといいなと思うさやかですが・・・・。

タイトルからしてもちろん植物を扱った話であろうとは思っていましたが、まさか食べる方面の話だったとは。(笑)

いや、嬉しい誤算でした。

それをベースにしてさやかとイツキのピュアな恋愛が描かれています。

イツキに影響を受けて変わっていくさやかが意地らしくかわいいですし、そんなさやかを包み込むようなイツキの優しさもいい。

ちょっと甘い話ではありますが、清々しく切なく美味しい恋愛小説です。

最後の章はほろっとさせられました。

いい一冊だったと思います。

しかしこの作者、ほんと幅の広い作家さんですねぇ。

感服です。

ラベル:グルメ本 小説
posted by たろちゃん at 03:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

「お寿司、地球を廻る」松本紘宇

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寿司というのはいまや世界各国に普及しているようです。

ヘルシー志向が理由のようですが。

著者はニューヨークで初めての寿司屋を開業されたそうです。

そんな著者がニューヨークに限らずさまざまな都市を訪問し、各国の寿司事情をレポートしておられます。

やはりどこでも基本的に寿司は高級品のようですね。

ですが専門店だけでなくスーパーでも手ごろな価格で置いているところもあり、人気があるとのこと。

そうなってくると日本とあまり事情は変わらなくなってきます。

さすがにまだ日本ほど日常的ではないようですが。

意外と正統派のネタが通っているようです。

もちろん各地独特の寿司があるのはしょうがありませんし、むしろそれこそが寿司の発展であり進化でもありましょう。

ただ日本人からしてとんでもないのを寿司と名乗られているとちょっとなと思ったりしますが。

でもルールはありませんしね。

美味しいければよしですし、むしろ昔の流儀に頑なにこだわっていると逆に世界から置いてけぼりを食うかもしれません。

職人も日本では無口で頑固な職人気質がよしとされる傾向がありますが、外国では通用しません。

食事の場はエンターテイメントですので、客とコミュニケーションし楽しませる職人でないとだめなようです。

なので頂点として熟練の昔ながらの職人が握る本格的な寿司は銀座の高級店あたりに文化遺産として続いていただき、世界的には裾野としていろんなタイプの寿司屋がどんどん進化していけばいいんじゃないでしょうか。

日本人だって外国の料理を取り込んで独自の料理としてアレンジしてきたんですから。

ただし生魚に対しては扱いをシビアに考えてもらいませんとね。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする