「週刊ブックレビュー」という書評番組をNHKのBSでやっていたそうですね。
私はテレビはほとんど観ませんのでそのへんは疎く、知ったときには終わってました。(笑)
しかし20年も続いていたとは。
で、それを基にブックガイドという体裁で出版されたのがこの本です。
これはもう読書好きを自認する人ならば楽しまずにはいられない一冊でしょう。
司会を務めておられた児玉清氏への追悼、歴代の司会者の対談、いろんな作家へのインタビュー、各年間のベスト10など。
じっくりと丁寧に読ませていただきました。
しかしやっぱり読書っていいなぁと思いましたね。
ギャンブルなんかに比べるとお金もかからず健全ですし。
フィクションならば頭の中で世界が広がり、ノンフィクションならば教養となります。
しみじみと味わい深い行為だと思います。
巻頭に太田光氏へのインタビューがあるのですが、児玉清氏の番組でのエピソードを紹介しておられるんですよね。
それによりますと、『そういえば〈ブックレビュー〉を見ていて笑っちゃったエピソードで、番組のオープニングだったかで、児玉さんが、「このあいだ、公園で傘をさしてベンチで本を読んでいたんですけど・・・・」って言うのね。おかしいでしょ? なんでわざわざそこで本を?って。どんだけ本好きなんだよって。あの人はもう桁外れだったんだろうね。』と。
これ、すごいエピソードですよね。
雨の中、公園のベンチで傘をさしてまで読書するって。(笑)
児玉氏は読書好きとして知られた方でした。
「寝ても覚めても本の虫」という本も出しておられます。
本に対する愛着がひしひしと感じられ、お勧めの一冊です。
児玉氏は亡くなられましたし番組は終了しました。
でもまた志を引き継いだ番組ができるといいですね。
ラベル:書評・作家