柳井秀晴が目を開けると、そこは列車の中です。
このような電車に乗ったような、乗らなかったような。
寝ぼけているのかどうも記憶が曖昧です。
お腹がすいた秀晴は、ワンピースにエプロン姿の女性に食堂車に案内され玉子サンドを食べるのですが、これがものすごく美味しい。
やがて電車を降り、駅の外へ出て歩き出すと自分の名前を呼ぶ声が聞こえます。
目を覚ますとそこは病院のICUでした。
どうやら臨死体験をしたようです。
もしあのまま列車を降りなかったら・・・・。
その後もあの美味しかった玉子サンドを食べたい一心のせいか、生と死の間にある街を訪れることになります。
そしてエプロン姿の女性ことノエと再会しいろんな料理を食べさせてもらうのですが、これがまた美味しい。
秀晴は料理上手なノエにこの街で食堂を開くことを勧めます。
死に向かってこの街にやって来た人たちにノエがその人の思い出の味の料理を食べさせ、また現世に帰ってもらおうとするのですが・・・・。
料理で味付けしたファンタジー小説ですかね。
『街』にやって来る人たちのエピソードにちょっとした感動があったりします。
ノエの過去についても。
ただ秀晴が簡単にあっちとこっちを出入りできるというのがちょっとご都合主義です。
どうしてそのようなことができるのかもいまいちわからない。
『街』に行っているあいだ現世の秀晴はどうなっているのでしょう?
そう頻繁にころころと死にかけるわけにもいかんでしょうし。
会社で居眠りしていたなんて記述がありますけど、そうそうねぇ。
そのあたりも含め、今後どのように話を持っていくのか読んでいきたいと思います。
ファンタジーですからあまり細かいことに目くじら立てると楽しめませんけどね。(笑)