「あなたは一人で居酒屋に入ったことがありますか? それもはじめての店に」
冒頭で著者は読者に問いかけます。
そして「男たるもの、一人で居酒屋へ入れるようにならなければいけない」と断言します。
というわけでタイトルに居酒屋入門とありますが、これはみんなでぞろぞろ飲みに出かけるということではなく、あくまで一人で居酒屋を楽しむための入門書です。
いるんですよねぇ、一人では入ることができず仲間と連れ立ってしか行動できない人たちが。
私的には特に狭い立ち飲み屋なんかにぞろぞろと数人で入ってくるような連中にいい思いがしません。
それはともかく、この本では居酒屋とはどのような場所であるか、いろんな酒について、酒器について、店の選び方、注文の仕方、などなどが著者の主観で書かれています。
読み物としては面白いと思いますが、これをそのまま真に受けて実践するのもマヌケな話かと。
そもそもこういうのって書物で勉強するようなことではありませんものね。
ですが真剣に一人酒デビューを目指している人には心強いマニュアルとなるのかもしれません。
ひとつ気になったのが日本酒の「冷や」について。
冷蔵庫で冷やした酒のことを「冷や」と書いておられる。
違います。
「冷や」とは常温のことです。
じゃあ著者は本来「冷や」と呼ぶ酒のことをのことをなんて書いておられるか。
「常温」です。
太田氏ともあろう人がこのような間違いをし、「常温」なんて色気のない呼び方をするとはなんという失態か。
居酒屋入門などと書いている場合ではありません。(笑)
ラベル:グルメ本