2016年06月20日

「阿修羅ガール」舞城王太郎

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軽い気持ちで佐野明彦とやってしまったアイコ。

顔射されそうになってそれをよけて佐野の顔を蹴飛ばしてホテルを出てきました。

気分は最悪です。

その後佐野は行方不明に。

切られた指が佐野の家に届いたというのですが。

アイコは金田陽治への想いを抱えつつ、グルグル魔人は三つ子を殺し、街にはガキどもがアルマゲドンをおっ始め・・・・。

なんともまあ、よくわからない小説です。(笑)

ちょっと私にはついていけませんでしたね。

実験的な部分があるといえばありますし、現代の若者というか“バカ者”をリアルに書いているということもできるかもしれません。

ですがまあ読者を置いてひたすら作者が暴走している感ありありです。

それがこの作品のマグニチュードでもあるわけですが。

エンターテイメントなのか純文学なのかよくわかりませんが、併録されている「川を泳いで渡る蛇」を読みますと純文学の資質をしっかりと持っておられる作家だというのは感じることができますね。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月18日

「全日本お瑣末探偵団 トホホ・・・コラム100連発!」綱島理友

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日常の中でふと気が付くこと。

発見だったり疑問だったり、ありふれた光景だったり。

そんな瑣末なことについて書かれたコラムが100本。

例えば終電車。

朝の通勤帯や昼間の電車と比べるとそのメンツは濃いです。

まずはやはり酒やニンニクの臭いをプンプンさせた酔っ払いですね。

そして香水臭い水商売女。

でも私は電車内でいかにもな水商売の女性って見たことないですけど。

そういう人たちってタクシー使うんじゃないですかね。

そして熟睡している人、イチャつくカップル・・・・。

そのような日常観察から子供時代のこと、ファッション、スポーツなどいろんなジャンルでネタを書いておられます。

いわゆる「あるある」ネタだったり昔懐かしのネタだったり、トマソン的ネタだったりですね。

なるほどふむふむと頷きつつ、クスッと笑える一冊です。

ラベル:エッセイ
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2016年06月16日

「あなたがいてもいなくても」広谷鏡子

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放送局で事務職をしている倫子。

3年近く一緒に暮らしていた同じ局のディレクター達彦をガンで亡くします。

一緒に暮らしていたといっても達彦には妻子がいました。

不倫です。

その3年間は2人にとってどのような日々だったのか・・・・。

話は達彦の葬式から始まり、出逢いに向かって遡っていくという構成です。

そして最後にまた現在へ。

しかしなんともピュアといいますか純愛といいますか。

いや、不倫しておいて純愛もないんですけどね。

話自体が浄化されたような純粋さです。

とにかく悪い人が出てこない。

達彦は妻がいるというものの倫子を決して都合のいい女扱いしているわけではなく、その想いは純粋です。

倫子が達彦の妻を訪ねていっても妻は逆上することもなく。

達彦の前に田口というプロデューサーと付き合っていた倫子ですが、達彦は田口と一緒に仕事をすることになり2人の過去を知ります。

つまり倫子は田口の“お古”なわけですが、そんなことを気にする達彦ではありません。

また田口も倫子と達彦の関係を温かく見守っています。

仏のような人たちですね。(笑)

この作者の作品は以前に「花狂い」「不随の家」という2冊を読んでいるのですが、それらはもっと読者に問いかけてくるような雰囲気があり、また考えさせられもしました。

ですがこの「あなたがいてもいなくても」にはそのようなのがありません。

裏がなく、ひたすら2人の深い愛を読ませられます。

ここまで徹底的に書かれますと、いやもう参りましたというほかありません。

実際これはこれでアリな読み応えあるいい恋愛小説だと思いますけどね。

ラベル:小説
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2016年06月14日

「噂の眞相七月別冊 噂の匿名座談会」

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1979年から2004年まで刊行されたスキャンダル雑誌「噂の眞相」。

その25年間途切れることなく続いた名物連載が「週刊誌記者匿名座談会」です。

政治、芸能界、文壇、スポーツ界、あらゆるジャンルの舞台裏を暴露し続けてきたこの企画。

タイトルどおり匿名で他誌では書けないような情報を暴いてきました。   

取り上げられた当事者たちはさぞかし動揺し、怒り、赤面したことでしょう。

そして次は自分かと戦々恐々する人たちも多数いたかと。

よくもまああれだけの情報を集めてきたものです。

それらをまとめて読めるお得な一冊がこの本。(笑)

といっても再録ではなくほとんど全面的に座談会をやり直したようですが。

「噂の眞相」といえば他にも名物連載はいろいろとありましたね。

足立三愛の描くとびら絵はお下劣ですがユーモアがありました。

柱に掲載されていた一行情報なんてのもしょーもないネタがあったりして笑えました。

毎月楽しみにしていたんですけどね。

休刊してしまったのはとても残念です。

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2016年06月12日

「【映】アムリタ」野崎まど

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大学の映画学科の華、画素はこび。

そんな彼女に呼び出された二見遭一。

自主制作映画の出演依頼です。

監督は天才といわれる1学年下の最原最早。

彼女が書いたコンテをもらい家に帰って読み始めると、2日ものあいだ取り憑かれたように読み続けてしまいます。

この魔力のようなものはいったいなんなのか。

二見は撮影に参加するのですが・・・・。

う~ん。

最原の天才ぶりっていうのがどうしても文章では伝わってこないんですよねぇ。

それは私の感性とか読解力のなさとかのせいかもしれませんけど。

まずコンテに時間どころか日も忘れて没頭するほどの力があるというのがわからない。

最原の撮った映画が実に巧妙に計算されているのはわかります。

『アムリタ』と『月の海』の関係にしても。

でも彼女の演技のすごさがわからない。

映像を文章で表現する難しさといいますか限界といいますか。

そして最原が『アムリタ』を撮った理由というのも、どうもなぁ。

二見の人格を変えるほどの力が映像にあるというのもいくらなんでも。

ですがそういう理屈をこねて読んではいけないんでしょうね、たぶん。

でもなんとなく・・・・まばゆい青春小説ではありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『の』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする