2016年06月08日

「そこのみにて光輝く」佐藤泰志

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パチンコ屋で拓児という男と知りあった達夫。

いまいち気が乗らなかったのですが、誘われて家までついていきます。

連れていかれたのは差別されている地域の貧相な家です。

そこで拓児の姉の千夏と出会います。

達夫は千夏と関係を持つのですが、千夏はチンピラの女です。

それでも達夫は千夏を自分の女にします。

第二部「滴る陽のしずくにも」では千夏と結婚し子供も生まれ、ささやかな生活を始める達夫。

そして松本という男の誘いに乗り達夫は拓児と水晶掘りの仕事をすることになるのですが、拓児は刺傷事件を起こし警察に捕まってしまいます・・・・。

何がどうという大きな出来事があるような小説ではありません。

青年の彷徨する地味な生き様を描いています。

世の中皆がスポットライトを浴びた生活をしているわけではありません。

目の前にいろいろな問題を抱えつつ、地道に一歩一歩生きています。

そんな地味な毎日が水晶掘りという一攫千金、バクチのような仕事に向かわせるのでしょうか。

いや、バクチというよりもそこに夢を見ているのかもしれませんね。

ささやかな夢と希望。

人生の中のきらりとした輝きがあります。

味わいのあるいい作品でした。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする