2016年07月30日

7月の一冊

今月は14冊読みました。
   
・「楽園のカンヴァス」原田マハ
・「四十日と四十夜のメルヘン」青木淳悟
・「有元葉子のごはん上手」有元葉子
・「ユーミンの罪」酒井順子
・「美雪晴れ みをつくし料理帖」高田郁
・「想像ラジオ」いとうせいこう
・「エデン」近藤史恵
・「ファミリー・シークレット」柳美里
・「とことん! とんかつ道」今柊二
・「マンガの現代史」吉弘幸介
・「涼宮ハルヒの暴走」谷川流
・「築地川・葛飾の女」芝木好子
・「コルドン・ブルーの青い空 女ひとり、ロンドン シェフ修行」宮脇樹里
・「崩食と放食 NHK日本人の食生活調査から」NHK放送文化研究所世論調査部[編]

「楽園のカンヴァス」、現実の画家と作品に上手く作者の創作を絡めて。

わくわくと読めた絵画ミステリーでした。

「四十日と四十夜のメルヘン」、無限ループから放り出されたような感のある奇妙な話です。

併録された「クレーターのほとりで」もとぼけててよかった。

「有元葉子のごはん上手」、料理するのも食べるのもいろんな楽しみ方がありますけども。

やはり大事なのは基本だなと。

「ユーミンの罪」、著者らしい切り口のユーミン論。

さすがだなと思いました。

「美雪晴れ みをつくし料理帖」、いよいよシリーズも終わりに近づいてきました。

このレベルを維持し続けてきたのはお見事です。

「想像ラジオ」、東日本大震災をちよっとメルヘン(?)的に描いた作品。

なるほどこういうのもありかと。

「エデン」ロードレースを扱ったシリーズ第2弾。

ぐいぐいと読ませます。

「ファミリー・シークレット」、自分の子供への虐待をめぐり、心理カウンセラーを受けた作家の記録。

生々しく自分の心の裡や過去と向き合っています。

「とことん! とんかつ道」、とんかつにこだわって食べ歩いた店紹介。

思わずこちらも食べたくなりました。

「マンガの現代史」、巨大なメディアとなったマンガ。

その歴史や出版界の実情なども。

「涼宮ハルヒの暴走」、人気シリーズ第5弾。

ラノベもなんだかんだと面白いものですね。

「築地川・葛飾の女」、表題作2編ですが、私は後者がよかった。

やっぱり芝木好子はいいですね。

「コルドン・ブルーの青い空 女ひとり、ロンドン シェフ修行」、女性の料理修業記なんですが。

どうも主人公(著者)には馴染めませんでした。

「崩食と放食 NHK日本人の食生活調査から」、飽食の時代といわれ食べることに困ることがなくなった日本。

しかしその実態は・・・・こんなことでいいんでしょうかね。

さてさて、今月はいろいろと楽しめました。

そんな中での候補は「楽園のカンヴァス」、「美雪晴れ みをつくし料理帖」、「築地川・葛飾の女」の3作。

「楽園のカンヴァス」は久々に先が読みたくて気が急いだ作品です。

「美雪晴れ みをつくし料理帖」はいつもながらのいい出来ですね。

「築地川・葛飾の女」は芝木好子らしい世界観がありました。

どれも選びたいところですが、やはり「今月の一冊」というからには一冊に絞らなくてはなりません。

夢中になれた「楽園のカンヴァス」、これですね。

今月の一冊とします。

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2016年07月28日

「崩食と放食 NHK日本人の食生活調査から」NHK放送文化研究所世論調査部[編]

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現在の日本人の食生活の実態はどのようになっているのか。

「豊食のなかの崩食」、「飽食のなかの放食」、「趣食と守食」、「崩食と放食の連鎖」、「共食と孤食」。

NHKが全国の3600人から調査した結果を、章ごとにそれぞれのテーマで公開し分析しています。

食生活は豊かになりましたが1日3食きちっととらず時間もばらばらな乱れた崩食。

世界中から食べ物が集まる中での無頓着で放任状態な放食。

趣味として楽しんで料理する人もいれば家族のため義務的に家事として料理する人もいる守食。

家族揃って食べる食事もあればひとりで孤独に食べる食事もあります。

なんでもかんでも昔ながらがいいというわけではないでしょうが、しかしちゃんとした素材で手作りした料理を家族揃って食べ、食事できることへの感謝の心を持ち、食べ残して捨てたりなどせず、などという当たり前のことを言い出すと、やはり現在の食生活は乱れていると言わざるを得ません。

まさしくタイトルの「崩食と放食」ですよね。

年齢による結果を見ますと、やはり若い年代ほど食生活は浮ついたものになっています。

食事の回数や内容、ファストフードやインスタントに対する抵抗のなさ、栄養についての考えなど。

時代によるライフスタイルの変化といえばそうなんでしょうけども、しかしこんな食生活をしていたらいずれとんでもないしっぺ返しが来るでしょうね。

自身の体はもちろん、食の世界全体についても。

それは間違いないと思います。

少しずつでも自覚を持って改めていきませんとね、日本人。

posted by たろちゃん at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月26日

「コルドン・ブルーの青い空 女ひとり、ロンドン シェフ修行」宮脇樹里

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スコットランドでの大学生活もあと1年となったとき、『自分が本当にしたいことはなんだろう』と著者は進路に悩みます。

ちょっとした紆余曲折があり、夢であったロンドンの「ル・コルドン・ブルー」に入学することに。

異国でのシェフ修行が始まります・・・・。

う~ん、なんでしょう、この読後感は。

いろんな人種が集まる外国の料理学校での修業というのはもちろん大変だと思います。

苦労のエピソードもたくさん書いておられます。

でもなんだか違和感があるのは、修行の日々というよりもエピソードの羅列という印象が強いせいでしょうか。

料理修業といういちばんメインになるテーマに芯が通っていないといいますか。

ご両親がニューユークに住んでおられ(その前はロンドン)、どうやら裕福なご家庭のようです。

著者自身ももちろん外国住まいで、なので一念発起して日本からまったく言葉の通じない外国に旅立って・・・・というシチュエーションではないんですね。

学費はもちろん親持ち。

このあたりでどうも鼻白んでしまったのかもしれません。

そのような背景と著者の料理に対する情熱や行動はまったくの別物だというのはわかっているのですが。

気の強そうな文章がよけいにそう思わせたのでしょうか。

可愛げがないといいますか。

「可愛げなんて必要ないしそんなことで外国でやってられるか。大きなお世話だ」と言われれば「はい、左様でございます・・・・」としか言いようがないんですけども。

以前にやはり女性が「ル・コルドン・ブルー」に料理留学するという、タイトルもよく似た本を読みました。

そちらはパリの「ル・コルドン・ブルー」ですが。

その本は実に楽しく読めたんですけどね。

って、人それぞれ、比べてはだめだと思いつつ、しかし本であるからには読者の感想というものがついてまわるわけでして。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月24日

「築地川・葛飾の女」芝木好子

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中編2編収録。

まず「築地川」。

祖母と姉と兄と暮らす萬里子は短大の美術部を出て、祖母の兄が経営する銀座の老舗「森むら」でハンドバッグや財布の図案の仕事をしています。

母親は家を出、父親はその後亡くなり、祖母に女手で育てられました。

萬里子は子供の頃から体が弱く、そんな妹を心配する兄の泰はつねに萬里子のことを気にかけています。

それは兄妹のあいだを越えていると思えるほど。

いっぽう祖母の勢以は萬里子には愛情がなく実に冷ややかです。

兄との仲がよすぎることにも嫌悪感を持っています。

萬里子は「森むら」での仕事がだんだんと認められ、やがて若社長の信男に見初められるのですが、やたら萬里子を連れまわす信男に泰はいい気がしません・・・・。

世間を知らなかった少女が社会に出て仕事をし、やがて兄から離れていく様を描いています。

萬里子と泰だけではなく姉も家を出て離れていくことになり、つまり家族がそれぞれ別々の道を歩んでいくわけですね。

いつまでも子供の頃のままではいられない寂しさがあります。

もう一編の「葛飾の女」は日本画家の滝川清澄に十七歳で弟子入りする真紀が主人公。

明治時代の話です。

そんな時代に女性が絵の世界で生きていくというのは並々ならぬ決心があってこそ。

真紀は絵を通してひたすら師の清澄を追いかけます。

それは師への敬愛であり、また恋愛でもあります。

一身に絵に打ち込む真紀ですが、やがて十九歳になり“売れ残り”を懸念する親に好きでもない相手と結婚させられてしまいます。

ですが真紀の想いがつねに師の清澄に向いていることに夫は激しく嫉妬します。

そんな夫にがんじがらめにされ絵も満足に描くことができず、まるで牢獄のような毎日。

離縁の申し出にも応じない夫に真紀が取った行動は・・・・。

悲しい話です。

時代が悲しい。

女という性が悲しい。

だからこその話ではあるのですが。

芯の強い女性、そして日本画という芸術を扱ったこの作品、さすがの芝木文学だなと思いました。

満足です。

ラベル:小説
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2016年07月22日

「涼宮ハルヒの暴走」谷川流

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夏、秋、冬と連作3編収録。

夏の「エンドレスナイト」では8月17日から8月31日を延々と繰り返す事態に陥ります。

8月以降の未来がなくなってしまうのです。

長門有希いわく、すでに「15498回」繰り返しているとのこと。

はたして正しい時間流に戻ることはできるのか・・・・。

秋の「射手座の日」では隣室のコンピュータ研がハルヒに強奪されたパソコンを取り返すため、ゲームにて勝負を挑んできます。

さて、SOS団はPCの専門家たちを相手に勝てるのか・・・・。

「雪山症候群」ではスキーに出かけたSOS団が突如吹雪に襲われ遭難してしまいます。

たどり着いた洋館には誰もおらず、どうも様子がおかしい。

どうやら何者かの力で閉じ込められてしまったようです。

脱出することは可能なのか・・・・。

シリーズ第5弾です。

私にとっては今までの中でいちばん楽しめました。

話にバラエティもありましたしね。

そして長門有希にちょっとした変化が。

人間味が差してきたといいますか。

ハルヒは相変わらず暴走しています。

その他、朝比奈さんや古泉のキャラもちゃんと描き分けられていていつもながらの世界を築いていますね。

今後も楽しみに読ませていただきましょう。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする