2016年07月10日

「美雪晴れ みをつくし料理帖」高田郁

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シリーズ第9弾。

「一柳」の主である柳吾から求婚されていた芳。

なかなか決心がつかなかったのですが、息子の佐兵衛にも後押しされ、いよいよ「一柳」の女将となります。

また澪も柳吾から「一柳」の厨房で修行しないかと誘われていました。

しかし料理人として自分の進むべき道を考えた末、その話を断ります。

「つる家」から独立し、あさひ太夫こと野江の身請けのため吉原で鼈甲珠を商い、四千両のお金を貯めるためのスタートを切ります・・・・。

いよいよ佳境に入ってきました。

芳の結婚、澪の独立、そして「つる家」にも新しい料理人と奉公人が加わり。

相変わらず読ませますね。

話の展開がいい、料理もいい。

そして今回は巻末に特別収録としてあの“小松原さま”が登場します。

澪の成長を嬉しげに頼もしげに噛み締める小松原。

その思いが伝わってきました。

いよいよ次巻は最終巻。

楽しみに読ませていただきましょう。

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2016年07月08日

「ユーミンの罪」酒井順子

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ユーミン。

いうまでもなく松任谷由美ですね。

昔は荒井由美でしたが。

出せば売れるという感のあるユーミンですが、私は積極的に聴いたことがありません。

どこからか流れてくるのを耳にするくらい。

それでも何曲かは口ずさめる程度に知っています。

さて、そんなユーミンの曲を分析し、ユーミンは罪であると断罪(?)したのがこの本です。

歌詞の内容を見ますとユーミンの時代を切り取る感覚、先読みする感覚にはすごいものがあるんですね。

ユーミンに対して『「いい夢を見させてもらった」という気持ちと「あんな夢さえ見なければ」という気持ちとが入り交じる感覚を抱く人が多いのではないでしょうか。』と著者は書きます。

それほど著者を始めとして女性の生き方にに多大な影響を与えてきたと。

人生が変わったという女性もいるかもしれません。

長年第一線でそのような活躍をしてきたユーミンもすごいですが、それを冷静に分析し「罪」であると喝破した酒井順子もさすがです。

といっても決してユーミンを責めているわけではなく、ファンとして曲と一緒に青春時代を過ごしたことへのオマージュであります。

ラベル:エッセイ
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2016年07月06日

「有元葉子のごはん上手」有元葉子

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料理研究家のレシピ&食エッセイ。

基本はごはんと味噌汁だと著者はいいます。

けっこうなことです。

そういう基本を無視してヘンテコな料理を作る研究家も多いですからね。

おにぎりなんかでもコンビニなどのものではなく、家で炊いたごはんをアチアチいいながら握ったおにぎり。(著者はおむすびと書いていますが)

そう、みんな手作りのおにぎりの味だけではなく、熱いごはんを手を赤くして握る感触も忘れてしまっているのではないでしょうか。

もしかしたらおにぎりを作ったことがないなんていう若い主婦もいるかもしれません。

そして味噌汁。

煮干し、かつお節、昆布でだしを取りましょうと。

味噌をお湯に溶かせばそれで味噌汁なんて思っている人が意外と多く、実際それでできてしまう便利な商品もあるわけですが。

ま、そのような基本があって、自分なりに工夫していろんな料理のレパートリーが膨らんでいくわけで。

この本ではいろんな料理のレシピだけでなく、調味料や道具の紹介もされています。

しかしそれだけではなく、料理や食を楽しみましょうという姿勢があります。

これがいちばん大事なことでしょうね。

ラベル:グルメ本
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2016年07月04日

「四十日と四十夜のメルヘン」青木淳悟

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チラシ配りをしている「わたし」は配りきれなかったチラシをせっせと部屋に溜め込んでいます。

そしてメルヘンを完成させようと日記を付け始めるのですが・・・・。

なんですか、こりゃ。(笑)

4日間の日記が何度も繰り返されるのですがその都度内容が変わり、どんどん現実から空想の世界に離れていくんですね。

こうなってくるとなにがなんやらで、最後は日付もありません。

振り回されて遠心力で遠くに投げ出され、置いてけぼりを食わされたかのような感があります。

よくもまあ書きましたね、これを。

併録されている「クレーターのほとりで」がまた。

人類の歴史といいますか創世といいますかそのようなものを描いているのですが、最後は笑いましたね。

へなへなと体から力が抜けました。

『今日 人類がはじめて 木星についたよ』

参りました。(笑)

ラベル:小説
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2016年07月02日

「楽園のカンヴァス」原田マハ

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2000年、倉敷。

大原美術館で監視員を務める早川織絵は学芸課長小宮山に呼び出され館長室に連れて行かれます。

そこで館長の宝尾と共に待っていたのは暁星新聞社の東京本社から来た文化事業部長高野でした。

暁星新聞社はこのたび東京国立近代美術館と組んでアンリ・ルソーの展覧会を開催する予定だといいます。

その展覧会にニューヨーク近代美術館(MoMA)所蔵の『夢』を借りることができるかもしれないとうのです。

しかしMoMAのチーフキュレーターであるティム・ブラウンが条件を出してきました。

交渉の窓口に早川織絵を起用せよと。

あのMoMAのチーフキュレーターがなぜ日本の地方美術館で一介の監視員をしている織絵を指名してきたのか。

そして話は1983年のニューヨーク、バーゼルへと飛びます・・・・。

いやぁ、読まされましたねぇ。

まず冒頭で一介の美術館監視員である織絵が実は・・・・という軽いジャブがあり、その後は過去に遡ってティム・ブラウンに視点が移り、織絵との関わりが描かれていきます。

ここでルソーについての人物や作品についての謎が提示され、ピカソの存在も絡んで。

ミステリーの要素があり、織絵とブラウンの対決といった展開が話を盛り上げます。

いろんな絵画も登場し、思わず自宅にある画集を引っ張り出してきて見直したりもしました。

特にルソー。(笑)

名画というのは神秘的な魅力がありますね。

画家は絵にどのようなメッセージを込めたのかとか、意外な意図があったりだとか、本当にその画家の手によるものなのか贋作なのかとか。

過去の人であり作品であるだけに謎も多い。

そんな名画の魅力を上手くミステリーに仕立てた秀作だと思います。

ラベル:小説
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