2016年08月11日

「藝人春秋」水道橋博士

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著者が芸能界で出会ったさまざまな人たち。

もちろんその数は何百人にもなるでしょうが、その中から交友のある(あった)何人かの人たちのエピソードが書かれています。

そのまんま東、石倉三郎、甲本ヒロト、草野仁、古館伊知郎、三又又三、堀江貴文、湯浅卓、苫米地英人、テリー伊藤、ポール牧、稲川淳二、有吉弘行・・・・。

人選の基準がよくわからないのですが、さすがにそれぞれ個性的なエピソードが紹介されています。

本文のあとに【その後のはなし】として後日談を添えているサービスもいい。

しかし著者の文章は上手いですね。

歯切れがいいし比喩も面白い。

吉田豪氏と並んでこれからもぜひ芸能人らの生態を書き続けていただきたいものです。

ラベル:エッセイ
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2016年08月09日

「井狩春男のヘンテコ本が好きなんだ」井狩春男

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鈴木書店という取次の会社に在籍しておられ、出版業界の事情を書いた「返品のない月曜日 ボクの取次日記」「本屋通いのビタミン剤」が話題になった著者。

もちろん本好きであることはいわずもがなですが、それが高じて(?)ヘンテコ本までせっせと収集しておられるようです。

そんな貴重な(?)蔵書を紹介したマニアックな一冊。

なるほどいろんな本を出す人がいるもんですねぇ。

しかし面白く読めるのは最初から3分の1くらいまでですか。

後にいくほどだんだんとパワーダウンしてくるんですよねぇ。

紹介の仕方が投げやりになってくるといいますか。

第2章では写真が小さくなっていますし、内容の紹介のあとに本のタイトルや著者などのデータが来るというのもどうなのよと。

やはりタイトルが先にあって「どれどれ」と内容紹介を読むというのが順序でしょう。

第3章では写真もなく1ページに何冊も詰め込んでの紹介。

読むほうもダレて読み流してしまいます。

ところでこれによく似た本で「トンデモ本の世界」というのがありますが、マネをしたわけではないそうです。

この本は「ダ・ヴィンチ」に連載していたそうですが、その連載時にあちらが出版され、初めて存在を知ったと。

「トンデモ本の世界」はコンセプトに嘲笑的な視線がありますし、紹介している本にしても「やはりこれはちょっとキテるな」というラインナップです。

それに比べるとこちらで紹介されている本は毒気がありませんが、その分ややインパクトが弱い。

でも「トンデモ本」ではなく、あくまで「ヘンテコ本」ですからそれでいいんですけどね。

ラベル:書評・作家
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2016年08月07日

「東京すみっこごはん」成田名璃子

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商店街から狭い横道に入った路地。

古い木造の家が並んでいます。

そんな中に『共同台所 すみっこごはん ※素人が作るので、まずい時もあります』の看板。

何、ここ?

女子高生の楓は中から出てきたおじさんに店内に引き込まれます・・・・。

裏道にある『すみっこごはん』という食堂。

集まった人たちが抽選でその日の料理を作り、みんなで食事を楽しむというコンセプトの店です。

いろんな人が集まります。

学校でのいじめに悩む楓を始め、婚活するOL、留学しているタイ人青年、ささやかな秘密を抱える中年男性、など。

みんな何かしらの悩みといいますか問題を抱えているんですよね。

そんな人たちの人間模様。

『すみっこごはん』において常連の誰かが料理し、その料理を皆が食べることによる連帯感。

その人たちの裏話。

これがネタとなっています。

料理とそれぞれのネタは直結していません。

どういうことかといいますと、昔の料理マンガにあったように、料理で問題が解決するというような内容ではないということ。

料理で問題が解決してめでたしめでたしなんて有り得ません。

それでいいです。

『すみっこごはん』という場での人のつながり。

美味しそうな料理の紹介。

そしてそれぞれの人生。

『すみっこごはん』という店の由来については、ちょっとほろっとさせられたりして。

ほのぼのと温かい小説です。

ラベル:グルメ本 小説
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2016年08月05日

「人間はこんなものを食べてきた 小泉武夫の食文化ワンダーランド」小泉武夫

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衣食住という言葉がありますけども、いちばん大切なものはなにかといいますとやはり食なわけで。

衣も住もなくてもどうにかなります。

暖かい土地なら裸で暮らしている民族もいますしね。

それに暖を取るのに衣服はいりません。

ましてやスーツだのネクタイだのドレスだの、生きていくのになんら必要のないものです。

住もそう。

家なんてなくても生きていけます。

しかし食だけはどうにもなりません。

というわけで、人間がこの地球に誕生して以来、いったいどのようなものを食べてきたのか。

それがこの本の主題であります。

食文化という言葉があるように、人間にとって食は文化です。

動物にとっては食は文化ではありません。

歴史の中で人間は火を使うことを覚え、調理することを覚え、料理することを覚えたんですね。

そこが動物と違うところで、食を文化にしたわけです。

で、貴重な食文化を築き上げたわけですが、近代になってその食文化が音を立てて崩れ始めています。

インスタントやファストフードの跋扈ですね。

それはそれでいい。

それもまた食文化でありましょう。

しかし昔ながらの食を忘れ去ってしまってはだめでしょう。

日本ならばやはり米は食文化の中心となるべきものです。

しかし農業がどんどん衰退しています。

1996年には日本全国で医師国家試験に合格した人数よりも、農業に就労した人のほうが少ないといいます。

まったくアホな話で。

医者ばっかりそんなに増えてどうする。

人間が生きていくための肝心の食糧を作る人たちが減ってしまっては、病気を治す医者もなにもないでしょう。

どうにもこうにもそんな頭でっかちな国なんですね、日本は。

頭がでかすぎるとフラフラして倒れてしまいますよ、いずれ。

てなことをこの本を読んで思った次第です。

ラベル:グルメ本
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2016年08月03日

「戦争の話を聞かせてくれませんか」佐賀純一

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著者が戦争を体験した人たちから聞いた14の物語。

ひたすら潜水艦に人生を捧げた人、何十回もの爆撃に参加した人、空襲で母や妹を亡くした人、衛生兵として負傷した兵隊を何人も安楽死させた人・・・・。

著者は開業医です。

これは診療所に訪れた人などから聞き集めた戦争の記録です。

だんだんとその数は少なくなってきていますが、私たちの周りにも戦争を体験したお年寄りがいます。

今は穏やかに暮らしておられるその人たちの、戦時中のなんたる凄まじい体験か。

近所のあのおじいさんは、もしかしたら戦闘機に乗って敵を撃ち落していたのかもしれません。

逆に撃ち落されて九死に一生を得られた人かもしれません。

南の島へまったく勝つ見込みもない戦闘に送り出され、死と隣り合わせの状況で凄まじい飢えを経験し、捕虜になったことのある人かもしれません。

空襲で家族や大事な人を亡くした人も多数いらっしゃるでしょう。

でもそういう人たちって自ら声高にその体験を語りませんよね。

なので現在の見た目からはそんなに悲惨な体験をされたなんて思えません。

ですがまぎれもなく戦争という馬鹿げた行為は存在し、多くの人命を奪い、大きな傷跡を残したのです。

そしてなんとか生き延びてこられたのです。

このような話は決して忘れられていいものではありません。

今後絶対に戦争などがあってはなりません。

当たり前のことですが、改めてそのようなことを強く思わされた一冊でした。

posted by たろちゃん at 03:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする