2016年08月19日

「まどろむ夜のUFO」角田光代

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夏の間だけ大学生の「私」のアパートに高校生の弟タカシが泊まりにきます。

予備校の夏期講習に通いたいとのことですが、目的は他にあるようです。

部屋の中に囲いを作ってその中で生活を始めるタカシ。

そして“彼女”のためにジャムを作ったりします。

友達だといって連れてきた恭一というのも胡散臭い。

「私」の彼氏のサダカくんというのもちょっと変。

きっちり5日ごとにデートをし、煙草は1日10本。

煙草1本ずつに数字を書き込み、律儀に順番どおり吸っていくような男です。

そんな変わった男たちと過ごす夏の物語。

「私」というのがまあ言わばこの話においてはニュートラルな立ち位置だと思うのですが、しかしどっしりと地に足が着いている感はありません。

部屋の中に囲いを作るような弟を咎めませんし、恭一と寝てしまうし。

浮浪者たちのような恭一の仲間たちと酒盛りしたりするし。

サダカくんなんていうなんだか面白みのない男と付き合ってるし。

男たちもたいがいですが、「私」もたいがいです。

ですが「私」はまだ大学生。

青春のひと夏の物語としてこんなのもありなんでしょう。

作者の初期の作品ということで、現在の作風からすればちょっと物語として薄い気がします。

純文学的ということかもしれません。

他に「もう一つの扉」、「ギャングの夜」を収録。

どちらも同じ雰囲気を持つ作品です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする