2016年10月20日

「平松洋子の台所」平松洋子

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料理にまつわる道具について書かれたエッセイ。

なのでタイトルが台所なんですね。

表紙の写真はブリキの米びつです。

そうそう、昔はこれでした。

米を袋から流し入れるときのザーッという音。

そして枡で米を量って釜に入れてましたっけ。

懐かしい。

著者は家族に顰蹙を買いながらも電子レンジを捨てたといいます。

牛乳を温めるときは小鍋で、ごはんを温め直すときは蒸篭を使えばいいではないか。

不便です。

ですがそんなのはもういいだろうと。

湯を沸かすのは鉄瓶で、ごはんを炊くのは土鍋や石釜で。

昔は皆そうでしたもんね。

電子レンジは大変便利ですが風情はありません。

そんなこと言ってられるかというのが大半の意見でしょうが、それだけ現代人には時間的余裕も精神的なゆとりもなくなってしまったということでしょう。

この本ではいろんな味わいのある道具を紹介しておられます。

時間の短縮や利便性だけにとらわれない道具の選択。

その中での暮らし。

そういうのが豊かな生活なのかなと思ったりもします。

ラベル:グルメ本
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2016年10月18日

「ショコラティエの勲章」上田早夕里

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絢部あかりが売り子をしている店は神戸の老舗和菓子店〈福桜堂〉。

その2軒隣には最近オープンしたショコラトリーの〈ショコラ・ド・ルイ〉があります。

バレンタイン間近のある日、昼休みに〈ショコラ・ド・ルイ〉に出かけたあかり。

賑わう店内で女子中学生たちの万引きを目撃します。

その事件をきっかけに〈ショコラ・ド・ルイ〉のシェフ長峰和輝と親しくなり、いろんな出来事に関わっていくのですが・・・・。

「ラ・パティスリー」シリーズの番外編ですね。

「ラ・パティスリー」や「菓子フェスの庭」の舞台となっているのは〈ロワゾ・ドール〉という洋菓子店。

〈ショコラ・ド・ルイ〉はその〈ロワゾ・ドール〉のショコラ・ルームを独立させた店です。

他の2作と違ってこちらは連作短編のミステリー仕立てとなっています。

ただちょっと話の持っていきようが苦しいですかね。

第一話「鏡の声」の万引きの種明かしは理屈が過ぎますし、そのわりには無理がある。

いや、無理を理屈で抑え込もうとしているのか。

第二話「七番目のフェーヴ」にしても普通そんなことしないだろと。

話の創り方が強引過ぎるのでは。

番外編ということで本編とは違った味付けにしたのでしょうが、成功しているようには思えません。

ただ第四話「約束」、第六話「ショコラティエの勲章」などミステリー色の薄い作品はまずまずの印象。

やはりこういう方向のほうがいいと思いますけどね。

ところでシリーズの続編は出ないんでしょうか。

ラベル:グルメ本 小説
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2016年10月16日

「活字のサーカス -面白本大追跡-」椎名誠

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いろいろな本を紹介した書評本でもあるのですが、上手くそれを取り入れたエッセイとなっています。

というか、エッセイに本の紹介を取り入れているといったほうがいいかもしれません。

著者の椎名氏といえばあちこち旅をしておられるという人ですが、その旅にどのような本を持っていくか。

氏は10冊セットを持っていかれるそうで、その内訳はミステリー3、SF2、時代歴史もの1、ノンフィクション2、エッセイ1、古典1とのこと。

これは人それぞれで、普段ミステリーしか読まない人ならば10冊すべてミステリーでしょうし、小説は読まないという人ならばすべてノンフィクションでしょう。

私なら・・・・単純に小説5、ノンフィクション5という分け方ですかね。

ジャンルまではさてどうでしょうか。

でも10冊も本を持っていくような旅をすることなんてまずないですけども。(笑)

あったとしても旅先で読むということはないはずです。

移動の車内限定でしょう。

旅先でまで読書したいとは思いません。

しかしさすがに著者はいろんなジャンルの本を読んでおられます。

やはり行動範囲と興味の範囲は比例するのか。

私など出不精なせいか視野が狭いとは思っています。

なので趣味も狭くなり、読む本も限定されてくるのかなと。

せめて本だけでもいろんな世界に触れなければ、なんてこの本を読んで思った次第です。

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2016年10月14日

「真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ」祝康成

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現在は平成でその前が昭和。

今や昔の感があります。

そんな昭和時代にいろんな事件がありました。

昭和を生きてきた人には「ああ、そんなことがあったなぁ」という8つの事件をこの本では取り上げておられます。

1.美智子皇后「失声症」の真相

皇室の内情はタブーが多いですからね。

2.府中「3億円事件」で誤認逮捕された男の悲劇

誤認逮捕された人がいたとは初めて知りました。

3.丸山ワクチンはなぜ「認可」されなかったのか

これもねぇ、医学界や製薬業界のくだらないしがらみといいますか。

4.美空ひばりが「紅白」から消えた日

ま、私にとってはどうでもいいです。

5.発案者不明?!「成田空港」最大のミステリー

現在も東京・豊洲市場の盛り土問題で誰が言い出したやらわからんとか言うてますな。

6.疑惑の「和田心臓移植」33年後の新証言

まったく恐ろしい医者がいたものです。

7.潜水艦「なだしお」東京湾衝突事件で隠されていた「無謀運転」

こんなのを相手に命を落としても死に損です。

8.世紀の対決「猪木・アリ戦」の裏ルール

試合自体はまったくお粗末でしたが。

どの事件にもやはり知られざる真実(?)というのはあるんだなと。

当時は話題になってもいつの間にやらどうなったのかわからず尻すぼみという事件が多いです。

このように真相を追究するルポというのはぜひあるべきですね。

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2016年10月12日

「鍵・瘋癲老人日記」谷崎潤一郎

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「鍵」

夫は56歳の大学教授。

性的になことに関して体力的には衰えてきたのですが、精神的にはまだまだそれを追い求める欲求があります。

妻は年下の46歳。

性的な欲求や好奇心は女の盛りということで旺盛なのですが、恥じらいもあり夫の精神的な性欲を満たしてくれません。

夫は自分の願望を日記に書き、それを入れた引き出しの鍵をわざと落として妻に読ませようとします。

また妻も日記を書いており、互いに読まれるであろうことを意識しています。

相手は自分の日記を読んでいるのかいないのか。

どちらもそんなそぶりは表に出さず、水面下での駆け引きが始まります・・・・。

「瘋癲老人日記」

主人公は76歳の老人です。

こちらも日記形式で話が進んでいきます。

性的にはもう不能なのですが、やはり精神的にはまだまだ燃えるものがあります。

そんな老人の性欲は息子の嫁に向けられます・・・・。

どちらもカタカナと漢字で書かれており、かなり読みづらいです。

ですが思いのほかするすると読めたのは内容の面白さですね。

両作品とも性的な体力が衰えた男の話です。

しかし性欲というのは体力だけではありません。

いくつになっても精神的に疼き欲するものがあります。

そんな気持ちを日記に綴り、「鍵」では遠まわしに相手に伝えて反応を伺い、わざと若い男を妻に近づけたりして嫉妬にマゾヒズムな昂ぶりを感じています。

今でいうNTR(寝取られ)ですね。(笑)

「瘋癲老人日記」ではひたすら息子の嫁に尽くします。

自分の娘をないがしろにしてまで。

こちらは恋愛の要素もありますね。

「痴人の愛」でもそうでしたが、お気に入りの女に傅く悦びというんでしょうか。

これもマゾヒズムですよね。

もちろん「鍵」、「瘋癲老人日記」、どちらの作品も女性の足に対して尋常でないこだわりがあります。

さすがの足フェチ谷崎です。(笑)

いくつになっても異性への興味は尽きないんですねぇ。

それを耽美に艶かしく描いた作品です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする