2016年10月04日

「何者」朝井リョウ

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就職活動を始めなければならない時期にさしかかった拓人。

自身は劇団を辞め、同居人の光太郎はバンドを引退します。

光太郎の元カノの瑞月も含め、就職活動を開始した3人。

そして瑞月の留学仲間だった理香が拓人たちと同じアパートに住んでいることがわかり、理香と同棲している隆良も交え5人はたびたび集まって飲み会などしながら就活についての対策や情報交換などを始めるのですが・・・・。

登場人物たちのツイッターでのつぶやきを導入しながら話が進んでいきます。

このツイッターというツールがこの作品のミソです。

見栄、侮蔑、嫉妬、焦燥、羨望。

主観と客観。

表と裏。

本音と建前。

いろんな感情や言動が交錯します。

それらがツイッターのつぶやきに垣間見え、最後はどどどっと砂の城が崩れていくような展開ですね。

ちょっとミステリーの謎解きのようなラストです。

社会人からすれば大学生というある意味安全地帯で良くも悪くももがく彼ら。

精いっぱい背伸びして見栄を張り理論武装しても、しかしその実は別に何ほどの者でもない存在です。

自分だけは特別なんて若いころは思いがちですが。

誰しもそうなんですよね。

歳を重ねていくごとに自分が少しずつ見えてきます。

でも何者なのか答えは出ない気もしますが。(笑)

そんな現代の若者のもがきをツイッターというツールを使って上手く表現されたのではないかと。

ただこういうのを扱うと数年後にはすごく古臭く感じられることがあります。

今からポケベルの時代を振り返るみたいに。

「ポケベルっておいおい・・・・」みたいな。

なので賞味期限が限定される小説でしょうが、現在の風俗を焼き付けたともいえますか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする