2016年10月08日

「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」石井好子

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著者はシャンソン歌手。

アメリカ留学からフランスに渡ったのは1950年代。

パリでデビューし、日本人シャンソン歌手の草分けともいわれている人です。

なのでもちろんパリで暮らしつつ活躍しておられたわけで、そんなパリ生活での暮らしや料理について書かれたのがこの本。

単行本として出版されたのは1963年です。

今でいうグルメエッセイなわけですが、う~ん、色褪せてないですねぇ。

バターをバタと書いておられるあたりは時代ですが、しかしそれがまた『パリ』ではなく『巴里』なんですよね。

そしてタイトルにも巻頭にもオムレツを持ってきておられるのはさすが。

著者の意図か編集の計らいかはわかりませんが、やはりここはオムレツでなくては。

フォワグラやキャビアではぶち壊しです。(笑)

古きよき巴里という雰囲気が見事に表現されている秀逸なタイトルではないですか。

日本でいうとなんでしょ。

う~ん、思い当たるものがないですねぇ。

魚の煮付け? 肉じゃが? 焼き魚?

巴里の街角に流れるオムレツのにおいの雰囲気とはどれもちょっと違う気がします。

もしかしたらカレーのにおいがそれに当てはまるのかもしれません。

私個人としてはカレーに賛同するものではないのですが、このにおいに郷愁を感じる人は多いんじゃないですかね。

というか、実際むちゃくちゃ多いです。(笑)

それはともかく。

今の時代にパリでグルメがどうのこうのと書く人は大勢います。

でも現在のように気軽に海外に行けるような時代ではないにもかかわらず、そんな時代に向こうで生活しリアルな食生活を書かれた。

そこがこのエッセイの味わいであり、価値だと思います。

あ、巴里のオムレツのにおいに代わる日本のにおい、味噌汁か。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする