2016年10月24日

「あのころの未来 星新一の預言」最相葉月

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SFというジャンルで1000編以上ものショートショート作品を残した星新一

その作品には今からすれば未来を預言していたかのような内容が多々ありました。

ネット社会やらクローン技術やら。

そんな星作品を科学をテーマに執筆してこられたノンフィクションライターの著者が取り上げ、現在の状況と照らし合わせて書かれたエッセイです。

星新一の作品は私もほとんど読んだと思います。

でも内容はたいがい忘れてますけど。(笑)

この本を読んで改めて提示されますと、なるほど現在を予知していたかのような内容があったりしますね。

もちろん感心はするのですが、しかし何十年後かにはこのようになっているだろうというのは素人でも空想しますし、現状の科学を延長すればある程度の予想はつくでしょう。

未来はああなっているだろう、こうなっているだろうだけではなく、それを原稿用紙20枚ほどの中で世界を創り上げたのが星新一のすごいところ。

きっちりと未来へのメッセージを込めておられます。

本人が意図していたのかどうかは知りませんが。

メッセージというよりも皮肉といいますか警告と受け取っていいかもしれません。

本書では紹介されていませんけども、例えば私の好きな『おーい でてこい』という作品。

地面にぽっかり開いた大きな穴を発見した村人。

動物の巣かなと「おーい、でてこい」と声をかけるが反応がない。

小石を投げ込んでみるがやはり反応がない。

どうやらこの穴には底がないらしい。

やがてあちこちから人がやって来てその穴にごみは放り込む、犯罪の証拠品は放り込む、死体まで放り込む。

これは便利だとやりたい放題です。

それから時代が進んで未来。

空から「おーい、でてこーい」という声が聞こえます。

その後小石が降ってきて・・・・。

そこで話が終わっていたはずですが、その後どうなるかは明らかです。

面白くも怖い話です。

ごみ問題ですよね。

天に向かって唾を吐くといいますか、その場で自分はよくても後になってしっぺ返しが来ますよと。

この本ではいろんな事例に照らし合わせておられます。

さすがに最相葉月、その検証は専門的です。(笑)

posted by たろちゃん at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする