2016年11月17日

「私も燃えている」円地文子

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女子大を出、教授の下で共同翻訳の仕事などもしている千晶は病院のひとり娘。
両親は若い外科医である宇津木を養子に迎え、跡を継がせたい思いがあります。
千晶も宇津木に好感は持っているものの、いまいち積極的ではありません。
そんな千晶の前に現れたのが原子物理学を研究している香取です。
真面目な宇津木とは正反対に博打や女遊びもする香取に千晶は惹かれます。
自分を望んでくれている宇津木に悪いと思いつつ。
しかし香取は千晶の叔母で小説家の宇女子と親しくなってしまいます。
香取への思い、宇女子への嫉妬、宇津木への罪悪感に苦しむ千晶。
いっぽう、宇女子は独身ではあるものの結婚歴があり、香取よりも十歳以上年上。
ですが叔母として千晶の恋愛を暖かく見守りつつも、香取への思いを抑えることができません。
女性二人の恋愛の行方は・・・・。
この作品は昭和34年に約1年にわたって新聞に連載された小説とのこと。
560ページほどの長編です。
やはりまずは連載期間ありきだったのでしょうか、私にはちょっと延ばしすぎかなと。
最初は千晶に視点を据えた物語かなと思ったのですが作者の感情は宇女子に込められているようで、ちょっとどっちつかずな印象がそのように思わせたのかもしれません。
しかしこれだけの長編ですし女二人の恋愛を描いているわけですから、その配分が二人にまたがるのは当然のことでしょうけど。
私はやはり若い千晶よりも宇女子に肩入れしたいですね。
中年になったといえども若い魅力のある男に惹かれ、その気持ちに正直に行動し、それを小説という仕事に生かしつつ自身も妖艶に美しくなっていく。
いいじゃないですか。
やはりいくつになっても燃えていませんと。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする