2016年12月31日

12月の一冊

今月の読書は16冊でした。

・「食をめぐる旅」銀色夏生
・「ツインズ twins 続・世界の終わりという名の雑貨店」嶽本野ばら
・「ザ・ベストテン」山田修爾
・「天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?」山中登志子
・「私の大好物」週刊文春 編
・「町でいちばんの美女」チャールズ・ブコウスキー
・「彼女のしあわせ」朝比奈あすか
・「ダック・コール」稲見一良
・「二枚目 並木拍子郎種取帳」松井今朝子
・「別冊宝島165 もっと食わせろ! 日本が世界を食いつくす! 胃袋ビジネスの裏のウラ」
・「読書狂の冒険は終わらない!」三上延 倉田英之
・「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦
・「無憂華夫人」菊池寛
・「誰が「本」を殺すのか(上・下)」佐野眞一
・「マスタードをお取りねがえますか。」西川治

「食をめぐる旅」、編集者と作家がいろんな店を食べ歩くという企画。
食について真剣に検証するわけでなし、会社の経費で食べ歩くただのお気楽なグルメごっこでした。
「ツインズ twins 続・世界の終わりという名の雑貨店」、純愛といえばそうなんでしょうけど。
でもこのふたり、一生あんな調子で暮らしていくんでしょうか。(笑)
「ザ・ベストテン」、あの頃は歌にも歌手にも個性があったなと懐かしく読みました。
でもそう思うのは今の歌についていけなくなったからですかね。
「天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?」、見た目だけで選ぶのならそりゃ当然人工美人でしょ。
やはり美人は得をします。
「私の大好物」、著名人の好きな食べ物をカラー写真で紹介。
眺めているだけで美味しい気分になれます。
「町でいちばんの美女」、この作品集を読むと結局小説なんてなにを書いてもいいのだなと思えます。
もちろん技術的なことはいろいろとあるでしょうけど。
「彼女のしあわせ」、なにをもって幸せというのか、どのあたりで満足するべきなのか。
贅沢を求めず、不幸でなければそれでいいのではと思ってみたり。
「ダック・コール」、ぱっと見怖そうな大人がちらっと子供のような所を見せるような。
そんな雰囲気の小説集ですね。
「二枚目 並木拍子郎種取帳」、ちょっとミステリーな雰囲気のある連作短編集。
今回は五瓶の意外な面がちらっと。
「別冊宝島165 もっと食わせろ! 日本が世界を食いつくす! 胃袋ビジネスの裏のウラ」、どんどんと食料自給率を下げていき、その割にはああだこうだと食にこだわる国、日本。
生産性なく快楽だけは享受するチャラい若造のような国になってしまいましたね。
「読書狂の冒険は終わらない!」、本が読まれなくなったといわれる昨今。
でも好きな人はとことん好きなんです。
「夜は短し歩けよ乙女」、黒髪の乙女を追いかけるちょっとマヌケっぽい私。
京都を舞台にしたシュールで風情ある恋愛ファンタジーです。
「無憂華夫人」、昼下がりのドラマになりそうな内容の菊池作品。
以前に読んだ「真珠夫人」にしても「貞操問答」にしても。
「誰が「本」を殺すのか(上・下)」、皆が本を読まなくなり、作る側も志がなく、売るほうもご都合主義で。
そりゃ衰退していきますわな。
「マスタードをお取りねがえますか。」、各国のいろんな街角で食べる地元の料理。
高級店よりもやはりこういうのがいいですね。

では今月の一冊をば。
どれもまずまずの印象でした。
候補としましては「彼女のしあわせ」、「ダック・コール」、「夜は短し歩けよ乙女」ですか。
「夜は短し歩けよ乙女」が無邪気に罪なく楽しめましたかね。
今月の一冊はこれで。

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2016年12月29日

「マスタードをお取りねがえますか。」西川治

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カメラマンであり料理研究家でもある著者が、豊富な海外での食体験を綴ったエッセイです。
イギリスやオーストラリアで食べた、新聞紙に包んでくれる胸焼けするようなフィッシュ・アンド・チップス。
オランダで食べた生ニシンや酢漬けニシン。
ドイツでたたき売りされているの鰻の燻製。
ニューヨークで食べる絶妙な焼き加減のステーキ・・・・。
職業柄いろんな国に行かれるようで、しかしその土地で食べるのはもちろん観光者向けのレストランなどではなく。
地元の人たちで賑わうような店だったりするんですね。
これが読んでいて実に味わい深い。
例えばポルトガルのナザレで目の前に海があるレストランの外のテーブルに座り、手でつまんで食べる獲れたての鰯の塩焼きの旨そうなこと。
赤ワインを飲みながら1ダースをペロリとか。
ワインが白ではなく赤というところがいいですね。
やはりその国の料理を楽しもうと思ったら、街角の屋台や庶民的な食堂がいちばんでしょう。
せっかく他所の国に行っておきながら和食を食べるほど馬鹿馬鹿しいことはありません。
ただローカルな食堂となると入るのに勇気が要りますけどね。
むしろ観光客向けの高級店のほうが入りやすかったりします。
タイトルの「マスタードをお取りねがえますか。(Pass me the mustard,please.)」というのは、イギリスの英国王室御用達マスタードメーカーのキャンペーンから来ているのだとか。
コールマンズ社が「マスタード・クラブ」というクラブを設立し、彼ら会員の符丁としたのだそうです。
「Pass me」というのは欧米人と食事をすれば必ず一度や二度耳にする言葉だそうで、手を伸ばせば取れそうなところにある調味料でも必ずそう言って取ってもらうとのこと。
食事している人の目の前にいきなりなにも断らずに手を伸ばすのは失礼だと。
なるほど、礼儀であり、それもまた同じ食卓に着く者どうしのコミュニケーションでありましょう。
ただ会員どうし街中で出会ってそのような会話をかわしていたら頭が少々おかしいと思われてもしかたあるまい、と著者は書いておられますが。
ごもっとも。(笑)
ラベル:グルメ本
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2016年12月27日

「誰が「本」を殺すのか(上・下)」佐野眞一

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本が売れないと言われはじめてもうどれくらいになるんでしょう。
販売額の下降は20年くらい前からですね。
そして出版社が倒産し、書店が閉店に追い込まれ。
そのわりには毎日200点もの新刊が出ているといいます。
いったいどうなっているんでしょう。
売れないのを補うためにせっせと新刊を出す。
もちろん次から次に出てくるので、このあいだまでの新刊はあっという間に書店から姿を消す。
悪循環です。
いったい誰がこのようにしてしまったのか。
誰が本を殺したのか。
出版社、編集者、取次ぎ、流通、書店、図書館、新古書店、電子出版、書評、読者・・・・。
業界の川上から川下まで貫いて著者が検証します。
私は直接この業界に関わっているわけではないので、本が売れないといわれても実感はありません。
販売額が前年比何パーセント減などの報道を読んだり、町の書店が無くなっていくのを見てそうなんだなと思ったりするくらいでしょうか。
たしかに自分の周りを見ても熱心に本を読んでいる人はほとんどいませんね。
電車に乗っても向かいの6人がけの座席全員が熱心にスマホをいじっていたりします。
おまえらは倣え右で餌をつつくブロイラーかと。(笑)
なので本を開いている人なんか見かけるとその姿が新鮮に思えますね。
この本では単行本時の内容を〈捜査編〉、文庫版で追加した章を〈検死編〉として検証しています。
本はこの先どうなっていくのか。
盛り返していくのか絶滅するのか。
さて・・・・。
ラベル:本・書店
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2016年12月25日

「無憂華夫人」菊池寛

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従兄弟同志でありながら、維新の変乱がきっかけで犬猿の仲になってしまった××松平家と△△松平家。
××松平家の康為は侯爵、△△松平家の康正は伯爵です。
康為侯と康正伯にはもう昔のこととわだかまりはないのですが、頭の固い旧臣連中はいまだに根強く相手に昔の恨みを持っています。
そんな康為侯の妹・絢子と康正伯の弟・康貞が、偶然両家が避寒に訪れた熱海で出会い恋に落ちます。
これをきっかけに両家の仲が修復されればいいと、康為侯と康正伯は愛し合う2人の結婚を積極的に進めます。
しかし納得しないのが旧臣連中。
猛烈な反対に合い、破談してしまうのです。
愛し合う2人はお互い一生結婚せず愛を貫くと誓うのですが、女性の絢子はそうもいきません。
周りがなんとか結婚させようと強引に世話を焼きます。
また康貞も仕事で外国に行くことになり、距離的にも遠く離れてしまい・・・・。
日本版ロミオとジュリエットといえましょうか。(笑)
悲恋の物語です。
好きでもない相手と結婚させられながらもひたすら康貞を想う絢子が健気であり、また康貞も誓いどおり独身を貫き、遠い外国の地で絢子の幸せを願う生き様が凛としています。
ベタな話ではありますが、なかなか読ませられましたね。
ただラストがあまりにもあっけなく、なんじゃそりゃと。
もうちょっとしっかり作って締めていただきませんと。
ラベル:小説
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2016年12月23日

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

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『私』が密かに想いを寄せる黒髪の『彼女』。
ひたすら彼女を追いかける私ですが、彼女はそんな気持ちには気付かないまま。
夜の先斗町、下鴨納涼古本まつり、大学の学園祭、と私は彼女を追い続け、珍事件に巻き込まれ、あげくの果ては風邪を引いて万年床にダウン。
さて2人の行く末は・・・・。
シュールですが明るく楽しい恋愛ファンタジーです。
出てくるキャラが皆どれも個性的で。
宙に浮かぶ樋口さんや、狭い先斗町に現れる李白さんの3階建ての電車って・・・・。
小難しい語りの割には馬鹿馬鹿しく不器用な主人公やキュートな黒髪の彼女など、いかにもな森見キャラですね。
その他の登場人物も憎めません。
話も各章により趣向を凝らしてあり、まるでおもちゃ箱のよう。
読者を楽しませるエンターテイメント満載です。
古書のウンチク、火鍋の我慢比べ、象のお尻、パンツ総番長、韋駄天コタツ、偏屈王、緋鯉のぬいぐるみ・・・・。
面白く読ませていただきました。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする