2016年12月21日

「読書狂の冒険は終わらない!」三上延 倉田英之

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読書狂の2人が語り合う対談形式のブックガイド。
いや、ブックガイドといっていいのかどうか。
特に意識して書評しているわけではなく、本好きがあーだこーだと語り合っているのが読んでいて実に楽しい本です。
テーマに出てくる作品に対して、内容、裏話、その作品に対しての自身のエピソードなど、いろいろ。
さすがにお2人ともよく読んでいらっしゃる。
本好きとしてこういうのは面白いですね。
参考になりますし、刺激されます。
著者の三上延氏は「ビブリア古書堂の事件手帖」がベストセラーの作家、倉田英之氏はアニメの脚本家。
やはり並々ならぬ読書の蓄積があるんですね。
ラベル:書評・作家
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2016年12月19日

「別冊宝島165 もっと食わせろ! 日本が世界を食いつくす! 胃袋ビジネスの裏のウラ」

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今の日本はほんと飽食という気がします。
まさしく食べ物が溢れかえっていますもんね。
スーパーマーケットに行けばいつもびっしり食料が並んでいますし。
飲食店も日本ほど世界各国の料理が味わえる国はないでしょう。
その割には食料の自給率がカロリーベースで40%を切るという、他国に比べて異様に低い数字です。
にもかかわらず、スーパーやコンビニ、飲食店、家庭で毎日どれだけの食料が廃棄されているのか。
考えると恐ろしくなります。
今にきっとバチが当たりますね。
さて、この本ではそんな飽食日本の食ビジネスついての内情が書かれています。
といっても92年発行の本なので、もう今から20年以上も前の内容ですが。
バブルがはじけた直後あたりですか。
イタメシブームでティラミスが大流行しました。
そのあとはタイ料理が来ていると書かれています。
タイスキとかありましたね。
現在を見ればイタリアンは定着した感がありますけども、タイ料理はどうでしょう。
さほど一般的ではないですね。
飲食店だけでなく、料理人、企業、給食、いろんなジャンルが取材されており、読んでいますといやまあ人間の食に対する執念は凄まじいなと。
でも、もういいじゃないですか。
毎日3食べられて必要最低限の栄養が摂れればそれで。
グルメだ何だの浮かれる前に足元をしっかりと見直しませんと。
そんな気分になりました。
ラベル:グルメ本
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2016年12月17日

「二枚目 並木拍子郎種取帳」松井今朝子

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シリーズ第2弾です。
連作短編集。
並木拍子郎は人気狂言作者並木五瓶の弟子。
勉強がてら町のいろんな噂を聞き集め、師匠に報告するのが習慣となっています。
材木問屋に代々伝わる祟りの話、芝居小屋で娘が消えてしまう神隠し、吉原の女郎と大店の手代の心中事件、など。
表題作の「二枚目」は、芝居で二枚目を務める染川十三郎の評判が最近よくありません。
先日も相手役の千両役者で名女形の瀬川路考にえらい怒られていました。
路考を怒らせると今後二度とお呼びがかかりません。
そうなると役者としておしまいです。
十三郎はいったいなにをやらかしたのか。
そのような人間ではないはずなのですが。
それを気にかけた五瓶が拍子郎に裏を探るよう依頼します・・・・。
このシリーズはタイトルの頭が数字になっているんですね。
前作は「一の富」、そして本作が「二枚目」。
続いて「三世相」、「四文屋」となっています。
なので「二枚目」が表題作になったわけですが。
5編収録されている中で、私は表題作がいちばん出来がよくなかったのではないかと。(笑)
勉強になったのは、現在男性に使われている二枚目とか三枚目という言葉の語源は芝居小屋の看板から来ているのだなということです。
なるほどねぇ。
それはともかく、謎解きでちょっとどうかなという部分もありましたが、まずまず楽しめました。
今回もやはり全編にちらっと料理が登場します。
そして主人公の拍子郎とおあさの関係が初々しくていいんですよね。
ラベル:時代小説
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2016年12月15日

「ダック・コール」稲見一良

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美校を出て小さなデザイン会社に勤めたものの、2年で仕事に夢も抱負も無くした青年。
何もかも投げ出して旅に出ましたが、だからといってどうなるものでもありません。
お金も底をつき、嫌でも家に帰らなければならなくなったそんな日。
青年は河原で石に絵を描く男に出会います。
男と一緒に車で雨やどりしながら、青年が見た6つの夢の物語・・・・。
どの作品も稲見一良らしいハードボイルドな内容です。
ハードボイルドといえば探偵やバーといったベタな設定が思い浮かびますが、もちろんそのようなうんざりする話ではありません。
決定的瞬間を映画フィルムに収めなければならないにもかかわらず、その瞬間に羽ばたいた幻の鳥に向けてシャッターを押してしまったカメラマンの助手。
密猟という秘密を持ち合い冒険する中年男と少年。
脱獄した囚人を銃を持って追いかける二世部隊出身の男。
船の事故で海に漂流する男の陸に残した人への思い、鳥や海ガメとの奇妙な出会い、など。
男のささやかな夢といいますかロマンといいますか、そのようなものを感じます。
心の中にぽっと暖かい火が灯るような作品集です。
硬質な文体ですが読み心地がなめらかなのは、決して作者がエエカッコしたヒーローを描こうとしていないからではないでしょうか。
むしろ不器用で自分に正直なゆえに人生を損しているような男たち。
そんな人物たちへの作者の暖かな眼差しを感じます。
他の作品集も何冊か読んでいますけども、どれもいいですね。
珠玉という気がします。
ラベル:小説
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2016年12月13日

「彼女のしあわせ」朝比奈あすか

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栗林家は両親と3姉妹の5人家族。
現在、姉妹はそれぞれ独立して暮らしています。
三女で27歳の桃井凪子は過去の経験や病気のこともあり、セックスもできず子供を産むこともできません。
姉たちも知らないそんな問題を抱えつつ、しかし夫の亮一はそれを理解し凪子を受け入れてくれています。
次女の梅原月子は33歳の専業主婦。
夫の転勤で田舎暮らしが不満です。
もうすぐ3歳になる娘をほったらかしにして、自身のブログ更新に熱中しています。
長女の征子は百貨店で催事の企画運営を担当する副部長。
36歳、独身のキャリアウーマンです。
マンションも購入しこれからも独りで生きていくつもりですが、一抹の寂しさも感じています。
母の佐喜子は62歳。
夫と姑に愛想を尽かし、ついに家出してしまいます。
そんなそれぞれ悩みや傷を抱えた4人の女性たちの物語・・・・。
当たり前のことですが誰もが問題を抱えているのだなと。
それは外(他人)からはわからないんですよね。
凪子の体のことは両親と夫しか知りません。
月子はブログで実際とは全然違うオシャレな生活を演出しています。
征子は傍から見れば優雅ですが、心の中はにはつねに「これでいいのか」という引っ掛かりがあります。
佐喜子も夫と姑に対して長年辛抱してきました。
ざっくりと言えばこの小説のテーマは最初の1行に集約されているのかもしれません。
凪子の中学時代の担任が生徒たちに言った言葉。
「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです。」
でもそんな中で人は皆ささやかな幸せを見つけていくんですよね。
ラベル:小説
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