2017年01月30日

1月の一冊

今月の読書は下記の14冊でした。

・「小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代」阿古真理
・「イトウの恋」中島京子
・「人気アニメ・マンガのあり得ないミス200」鉄人社
・「人生解毒波止場」根本敬
・「こたつ」原宏一
・「給食のおにいさん」遠藤彩見
・「鮨屋の人間力」中澤圭二
・「剣客商売 二十番斬り」池波正太郎
・「ロブション自伝」ジョエル・ロブション
・「二匹」鹿島田真希
・「六人いた!写楽 歌麿と蔦屋がプロデュースした浮世絵軍団」橋本直樹
・「沿線風景」原武史
・「化学探偵Mr.キュリー2」喜多喜久
・「フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人」速水健朗

「小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代」、現在大人気な料理研究家という職業。
その時代にどのような料理研究家が登場したのかの変遷です。
「イトウの恋」、通訳者イトウとイギリス人女性探検家の恋を、現在に日記をはさんで描いています。
イトウの心情がよかった。
「人気アニメ・マンガのあり得ないミス200」、アニメやマンガの細かなミスを取り上げています。
笑えますけど作者にしたら冷や汗もので。
「人生解毒波止場」、著者が出会ったヘンな人たちのルポタージュです。
世の中いろんな強い個性を持った人たちがいるもんです。
「こたつ」、茶道や華道ならぬ“こたつ道”。
今回も奇想天外な設定で楽しませてくれました。
「給食のおにいさん」、腕に自信のある調理師が小学校の給食のおにいさんに。
そういえば最近同じような設定のテレビドラマがありましたね。
「鮨屋の人間力」、鮨屋を経営しておられる職人がこれまでの経験や考えを語っておられます。
必要なのは人間力だと。
「剣客商売 二十番斬り」、いよいよシリーズ15作目。
残すところ本編は1作となってしまいました。
「ロブション自伝」、世紀の天才料理人ジョエル・ロブション。
その経歴、料理について、経営について語っておられます。
「二匹」、狂犬病にかかった二人の高校生。
閉塞的な世界を描いたマンガ的な青春小説です。
「六人いた!写楽 歌麿と蔦屋がプロデュースした浮世絵軍団」、謎の浮世絵師東洲斎写楽は実は六人いた!?
まあ、これはこれで・・・・。(笑)
「沿線風景」、近郊を旅しつつ、その土地の歴史や風景に触れ、ちなんだ著書について語る。
ほのぼのとした旅と書評のエッセイです。
「化学探偵Mr.キュリー2」、シリーズ2作目。
軽いノリで読めるライトミステリーです。
「フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人」、食の志向にも人それぞれいろいろあるわけで。
それがどのように政治思想にも影響するのか。

今月はどれもそこそこといったところ。
飛びぬけて印象的な本はありませんでしたが、しかし「イトウの恋」はなかなか読まされましたね。
前作でも同じような手法だったので、もうこの手は使えませんが。(笑)
今月の一冊はこれでいきましょう。
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2017年01月28日

「フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人」速水健朗

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「普段どんなものを食べているのか言ってみなさい。あなたがどんな人間か言い当ててみせよう」
言い回しはいろいろと違いますが、「美味礼賛」という書物を著したフランスの食通ブリア・サヴァランがそのような言葉を残しています。
食の嗜好によって人間性がわかるということですね。
食を二極分化しますと、ファストフードやデカ盛りなどのジャンク志向と、スローフードやマクロビオティックといった自然志向に分かれます。
たしかに食の嗜好でその人の思想はわかりますよねぇ。
やはりオーガニックなどにこだわる人は自身の健康に気を付けているでしょうし、多少なりとも環境問題にも関心を持っているでしょう。
ジャンクフード好きな人はそんなことあまり考えてない。(笑)
本書では自然食志向の人たちをフード左翼と位置付け、ジャンク志向の人たちをフード右翼と位置付けています。
それらの層は政治に関してどのような思想を持っているのか。
面白い分析だと思います。
食の志向によってそれが多数となれば政治を動かすことにも成り得るわけで、つまり消費選択による意志表示ですね。
消費者が企業を動かし、そうなると社会が動く。
政治もそれを無視することはできません。
選挙の一票よりもこちらの意思表示のほうが効いてくる可能性もあります。
そういう意味ではこの本でいうフード左翼な人たちがやはり社会に物申すわけですが、必ずしもオーガニックや有機農業がいいというわけでもないんですね。
単純に農薬が悪というわけにはいかないと。
有機農業は効率ということを考えると一部の人たちを自己満足させるものでしかないという理論も成り立つということです。
それ100%で世界中の食糧を賄えるのかと。
裕福でない人も手を出せるのかと。
そして遺伝子組み換え作物についても。
反対する人も多いわけですが、本当に危険なのかという議論と立証も必要です。
ただ気分的には口にしたくないですけどね。
自然で安全で、それで世界中の食糧事情が解決できればいちばん理想なんでしょうけど。
ラベル:グルメ本
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2017年01月26日

「化学探偵Mr.キュリー2」喜多喜久

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シリーズ2作目。
Mr.キュリーこと沖野晴彦は四宮大学理学部の准教授。
庶務課の七瀬舞衣のもとに持ち込まれた難事件(?)の解決を毎度毎度手伝わされる羽目になります。
さて今回はどのような事件が・・・・。
連作で5話収録されています。
小学生が橋の下で見た老人。
老人の手にきらめく白い閃光。
その閃光は地面に置かれていた黒い壺に吸い込まれ、次の瞬間炎が噴き出しました。
火柱を扱うその老人の正体とは・・・・。(化学探偵と炎の魔術師)
大学で学内アイドルのオーディションが行われることになったのですが、主催のアイドル研究会にオーディションの開催を延期しろと脅迫状が届きます。
警察に届けたりすると爆弾を仕掛けるというのですが、化学研究室から過酸化水素水が盗まれた事件と何か関係があるのか・・・・。(化学探偵と盗まれた試薬の使途)
アイドル女優が子供の頃、祖母に手作りのクッキーを食べてもらったのですが、急に祖母は苦しみ始め死んでしまいます。
自分のせいで祖母が死んでしまったのではないかとアイドルは悩み、悪夢にうなされます。
記憶ではアーモンドの匂いがしていたのですが、もしかしてそれは誰かが入れた青酸カリの匂いではなかったのか・・・・。(化学探偵と疑惑の記憶)
沖野が化学者ということで、どの話も化学的な要素があります。
沖野の知識でそれを謎解きし、解決するというパターンですね。
舞衣はその助手みたいなもので、探偵と助手という典型的なパターンです。
キャラがいいですね。
ぶっきらぼうな沖野、なぜか事件に巻き込まれてしまう舞衣。
ほのかに恋愛感情を匂わせたりもして。
突出して面白いというわけではありませんが、また次作を読んでみようかなという気にはなります。
ラベル:小説
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2017年01月24日

「沿線風景」原武史

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鉄道やバスに乗り、いろいろな土地に出かけ、その土地の歴史や風景や食を楽しみつつ、関連した書物について語る。
のどかな書評エッセイです。
ですが書評や食についてはさほど深く書いているわけではないので、近場の旅エッセイといったところですかね。
ついでに書評や食に触れている感じ。
旅というとやはり遠出をイメージするわけですが、意外と身近にもいろいろと見るべき場所があったりするわけで。
どうしても地元や近辺には目が向かなかったりします。
でも自分の近所は他人の遠方だったりしますからね。
そう考えると近所だからと見過ごすのはもったいない話です。
日頃乗っている電車の通過駅で降りてみるというのもいいかもしれません。
その土地にまつわる書物なんかがあったら尚いいですね。
なんでもないと思っていた街がぐっと立ち上がってきたりして。
そして地元で長年愛されているような食堂にぶらっと入ってみたりして。
こういうのって実はすごく贅沢ですよね。
なかなか気まぐれに知らない土地にぶらっと出かけたりはできません。
時間と精神的な余裕がありませんと。
この本を読みまして、そんな休日を過ごしてみたいな、なんて思いました。
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2017年01月22日

「六人いた!写楽 歌麿と蔦屋がプロデュースした浮世絵軍団」橋本直樹

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寛政6年(1794年)5月に突如現れ、寛政7年2月までのあいだに140枚ほどの作品を残し消え去った浮世絵師、東洲斎写楽。
その正体はいまだ謎に包まれています。
いろんな人が研究をしておられますが、現在ではその正体は能役者の斎藤十郎兵衛であったというのが有力視されているようです。
ですがこの本ではなんと写楽は六人いたと主張しておられます。
興味あるではないですか。
ということでワクワクしながら読んでみたのですが・・・・。
う~ん、これ、もしかしてトンデモ本では。(笑)
最初はまあよかったんですけど。
でも読み進めるにつれ、かなり無理のあるこじつけ的な解釈をしておられるように思えました。
そして主張が二転三転するのも落ち着きないですし、それって著者の中で確信がなく迷いがあるということなのか、もったいぶった演出なのか。
で、結局はタイトルの主張に落ち着くわけですが、巻末に補遺を添え、おまけにまだ補足説明まで添えておられます。
なんといいますか、著者は相当くどい人のようです。
内容も支離滅裂とまではいいませんけども、ちょっとイタイですね。
まあこれはこれでひとつの説ではあるでしょうけど。
真実は藪の中ですが、もしかしたらこの本の主張がズバリ的中しているかもしれません。
かなり苦しいですが。(笑)
ちなみにNHKのドキュメンタリーで写楽の特集をやっていましたが、女性の研究家が写楽を検証しておられました。
その人は能に目を付けておられまして、写楽の描く役者の顔が能面に分類できるというんですね。
これはなるほどと思いました。
かなり説得力がありましたね。
そうなると能役者であった斎藤十郎兵衛がやはり有力に思えてきます。
しかし短い期間でまるで別人のように変わる作風や落款の違いなどを見ますと、複数説もありのような・・・・。
興味が尽きませんね。
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