2017年01月20日

「二匹」鹿島田真希

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「青春。青く未熟な春と書く。」
こんなクサイ書出しで始まります。
その後の言い回しやセリフのやりとりも昔のコバルト小説を読んでいるよう。
かなりイタく恥ずかしいです。
内容も私にとっては実にクサく白々しいものでした。
ですがこの小説がそれだけで終わっていない理由が「二匹」なんですね。
「二人」ではなく「二匹」。
ここがポイント。(笑)
主人公ら二人を二匹と扱うことによって、この小説は平凡から非凡に昇華しています。
不条理的なノリですが、逆にいえばリアリティのないやりとり。
なのでこれは普通に高校生の青春小説として読むと大きく期待をはずすことになりますのでご注意。
解説を読みましたら笙野頼子氏らが絶賛したようですが、私はちょっとどうも。
このノリには白けてしまいます。
ラベル:小説
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2017年01月18日

「ロブション自伝」ジョエル・ロブション

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史上最短でミシュラン三ツ星に輝いたジョエル・ロブション。
20世紀最高の料理人ともいわれた天才シェフです。
自身最高の状態だった96年に引退したものの、2003年に復帰。
今も現役で活躍しておられます。
本書はそんなフランス料理の最高峰を極めたシェフの自伝です。
残念ながらロブションの料理というのは食べたことがないのですが、精緻な盛り付けなどを見るとかなり神経質な完璧主義者という印象を受けます。
この本でもそのあたりのシェフの主義というのを知ることができます。
もちろんそうでないとこれほどの功績を残し、また評価はされないでしょうけどね。
内容としましては自伝といってもただ単に経歴や体験を紹介しているだけではなく、インタビューに応える形で料理や経営についてかなり細かなところまでその考えを披露しておられます。
料理人を目指す人はもちろん、違うジャンルにおいても仕事に対する取り組み方という点で学ぶべきところはあるのではないでしょうか。
ラベル:グルメ本
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2017年01月16日

「剣客商売 二十番斬り」池波正太郎

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「おたま」という短編が巻頭にあり、そのあとの表題作は長編です。
小兵衛の家の物置に何者かが隠れた気配。
それを追ってきた二人の侍。
小兵衛は二人を追い払うのですが、物置から出てきたのは子供連れの侍でした。
名は井関助太郎。
昔、小兵衛の道場にいた門人です。
手負いの井関はなぜ子供を連れ、刺客に追われているのか・・・・。
シリーズ第15弾となります。
今回は冒頭から小兵衛が目眩に襲われ、立てなくなってしまいます。
話の内容よりもこちらのほうが事件です。(笑)
そんな状態でも井関の件に関わっていくわけで、読んでいてちょっと心配してしまいましたね。
決死の覚悟で乗り込んだ斬り合いもありましたし。
同行した優れた剣客である杉原秀曰く、「それにしても先生。あれだけの敵を相手にようも・・・・」、「剣の道も、あれほどまでに到達できるものかと、おどろきましてございます」
徳次郎と又六は驚嘆のあまり声も出なかったほど。
「わしも、今日のような斬り合いは初めてのことだ。もはや二度とあるまい」と小兵衛。
いやはや、心配させないでください。(笑)
しかしさすがに小兵衛も歳です。
いつまでも達者ではありますまい。
解説で常盤新平氏が書いておられるのですが、小兵衛と作者の池波正太郎氏を重ねて見ていると。
なるほど、当時の池波氏の心境や体調が小兵衛に反映されていたというのはあるでしょうね。
いよいよシリーズもあと一冊となりました。
しばらく時間を置きまして、じっくりと楽しませていただこうと思います。
ラベル:時代小説
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2017年01月14日

「鮨屋の人間力」中澤圭二

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著者は東京四谷で「すし匠」という鮨屋を経営しておられる鮨職人です。(2007年当時)
鮨屋は「さらし」の商売だと著者はいいます。
自分自身の身をさらけ出して客に接するということですね。
たしかに鮨屋というのは飲食業の中でもちょっと特殊といいますか。
カウンターを挟んでその都度注文を受け、客の目の前で握り、出す。
なので職人と客のつながりはかなり密といえます。
他の飲食店にはないスタイルですね。
客席から見えない厨房で料理を作っているわけではなく直接客と接しながら調理するわけで、もちろん接客も兼ねることになります。
というわけで職人の「人間力」が問われるということです。
駆け出しの修行時代、経営者となってからの日々の仕事、客とのコミュニケーション、あらゆる中で人間力を磨いてきた著者の経験、考えが書かれています。
ちなみに著者は現在日本を離れ、ハワイで店をやっておられるようです。
本書の最後にも書かれていますが、ニューヨークに行ってずいぶん刺激を受けられたとのこと。
それがきっかけになったのかもしれません。
現状に満足せずつねに新しい舞台にチャレンジし続けておられます。
海外においても日本で培った人間力を発揮しておられることでしょう。
ラベル:グルメ本
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2017年01月12日

「給食のおにいさん」遠藤彩見

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佐々目宗は調理師。
数々の料理コンテストで優勝しているほどの腕前です。
しかし我の強さが災いし勤めていた店と揉めて辞め、その後もレストランやビストロなどいろんな店を渡り歩いてきましたが、やはり居場所がありません。
それならばと自分で小さなビストロを開きましたが、店を火事で失ってしまいました。
もう店に勤める気にはなれず、インターネットで臨時給食調理員の募集を見つけます。
というわけで、小学校の給食調理場で働くことになった宗ですが・・・・。
腕に覚えのある料理人が小学校の給食を作る立場になって・・・・という内容です。
展開としてはまったく予想通り。
プライドのある料理人が最初は学校給食を馬鹿にしていたものの、実はそんな生易しいものではなかったという話ですね。
で、だんだんと給食という仕事に目覚め始めると。
もちろんそこには子供たちとのコミュニケーションが存在します。
給食に関わる子供たちとのいろいろな問題をクリアしていく、という内容です。
ここがこの作品の読ませどころとなります。
元カノが今や有名店のシェフになっていたりという対比もあったりして、主人公のコンプレックスや焦燥感なども描かれています。
素直に楽しめる小説でしたね。
大まかには設定そのままのストレートな内容ですが、しかしその中でいろいろと心に滲みるものもありました。
シリーズとして続編も出ていますので、追いかけていきたいと思います。
ラベル:小説 グルメ本
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