2017年04月22日

「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」中村弦

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施主の思いを汲み、奇抜な建物を創る建築家、笠井泉二。
未亡人には亡き夫の遺骨と暮らすための家をつくります。
あるいは偏屈な作家のためにまるで迷路のようなその名も『迷宮閣』という家をつくったり。
思い出を持ち続ける女性にはこれまでのさまざまな過去を洗い流す別荘を・・・・。
さて、どのような奇抜な発想の建築で楽しませてくれるのかなと読みはじめました。
ですが私が思っていたのとはちょいと違いましたね。
というか、こちらが勝手に望み過ぎていたようです。
読者の勝手を言わせていただければ、建築のアイデアに関してはいまいちかなと。
例えば第1章の「冬の陽」。
未亡人が亡き夫と過ごしたい家をという話です。
「え、これで施主は納得なん?」と。
ま、アイデアはありますけども、この程度でねぇ。(笑)
読者としてはすぐに先が読めてしまいますし、そんなに感動のある仕掛けではありません。
第3章の「ラビリンス逍遥」。
迷路のような屋敷を舞台にした話です。
私的にはこんな家にすごく憧れがあるんですよね。
お金さえあればほんとにこんな家を建ててみたい。
でも現実には無理な話で、だからこそ期待したのですが。
これだけのことを展開するには相当なスケールがいるんじゃないかと思うのですが、そのスケール感がはてどれほどのものなのか。
高さは4~5階建てとのことですが、面積的にはそうとうな広さがないとしょぼいものになってしまいます。
ホテルやデパートくらいの大きさがありませんと。
なんといっても家の中で迷ってしまうくらいですからね。
最後の章「忘れ川」にしても、施主の夫のオッサンころっと考え変わりすぎやろと。(笑)
そのような不思議な力のある建物ということなんでしょうけども。
建築に関しても私的にはどうも。
後のことを考えるとどうやって維持していくんだと。
そこまで突っ込むなという話かもしれませんが。
まあいろいろと書きましたものの、それなりに楽しくは読みました。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする