2017年05月18日

「カップルズ」佐藤正午

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短編7編。
街のさまざまな『噂』を耳にし、それに関わることになる主人公。
主人公は作家です。
もちろん作者を思わせます。
さて、それぞれの噂にはどのようなドラマがあるのか。
冷めきった夫婦、手袋をきっかけに出会ったカップル、不幸な事件で夫を亡くした未亡人・・・・。
それぞれに主人公が関わりつつ、それらの話が紹介されます。
どれもさりげなく日常的なんですけど、それはあくまで小説として。
現実にはこんな話はそうそうありません。(笑)
でもそれをごく普通の日常のようにさりげなく書くあたりが佐藤正午なんですね。
淡々といいますか飄々といいますか。
この作家にかかれば、どんな日常でもドラマにしてしまうのではないかと思えてきます。
それほど巧いんです。
実に巧い。
この作品集の内容について「じゃあどうなんだ」と問われると、具体的に「こうなんです」とは答えられない。
しかし小説を読む楽しみがじゅわっと滲み出てくるような、そんな一冊だと思います。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする