2017年07月11日

「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎

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4編収録されています。
売れないロックバンドがレコーディングしたある1曲。
いい曲なんだから誰かに届けと願いを込めて。
それがいったいどのように誰かの人生に関わっていくのか・・・・。(フィッシュストーリー)
風が吹けば桶屋が儲かる的な話といいますか(笑)、なるほどなぁと。
自分の気付かないところで、意外な形で誰かの人生に影響を与えているんですね。
最後に収められている「ポテチ」なんかベタな話ではありますが、ちょっと泣かせられました。
タイトルの意味が憎い。
いつもながら伏線の張り方が上手く感心させられます。
また、他の作品にも出てくるお馴染みの黒澤というキャラがいい味を出しています。
ラベル:小説
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2017年07月09日

「ベーコン」井上荒野

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『私』が4歳の時に家を出ていった母。
父と私を残し、沖という男と一緒になりました。
そんな母が3年前に事故で死に、私は母の葬儀で初めて沖と顔を合わせます。
すでにその時には沖は勤め人を辞め、山で豚を放し飼いにしている養豚場を経営していました。
母と一緒になってから始めたようです。
そのあと何度か沖を訪れ、やがて父も亡くなり、私は半年ぶりにその報告を兼ねて沖を訪ねます・・・・。(ベーコン)
表題作他、9編を収録した短編集。
すべて食べ物を扱い、タイトルにしています。
他の作品もそうなのですが、「だからどうなの」といったさりげないストーリーです。
表題作では私と沖のちょっときわどい関係が描かれています。
といっても二人の間に直接的な男女のやりとりがあるわけではなく、一歩間違えると・・・・というようなきわどさですね。
二人の間に何があるわけでもないのですが、ベーコンの香ばしい匂い、しょっぱくて濃い肉の味、そういったものがさりげなくエロスを匂わせます。
食べ物や食べるという行為は性的なことを暗示させたりイメージを結び付けたりしますからね。
それぞれの作品に深い意味があるのか、いや、たださらりと男女の関係を描いただけなのか。
読み方次第ですね。
ラベル:小説
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2017年07月07日

「定食バンザイ!」今柊二

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サラリーマンでお昼は外食という人は多いでしょう。
実際お昼時の街中には昼めしを求めるサラリーマンが溢れかえっていますもんね。
そんな時の強い味方が定食です。
カフェなんかのパスタセットではダメです。
スパゲッティに生野菜のサラダ、コーヒー付きみたいな。
そういうお上品なのはOLにまかせておいて、男は黙って定食です。
ガッツリとボリュームのあるおかず、マンガのように盛られた白めし、そういうのが理想ですね。
ごはんおかわり無料なんかだとなお嬉しい。
この本では値段が安く、ボリュームがあって、しかもおいしい、そんな定食を出す店をたっぷりと紹介しておられます。
白黒ではありますが写真も掲載。
読んでいるとお腹が空いてきます。(笑)
しかし定食の魅力というのはやはり白めしの満足感だと思いますね。
たっぷりのおかずでわっしわっしとほっぺたを膨らませて咀嚼する白めしの旨さ、口福感。
嚥下したときにずしっと胃に落ちる満ち足りた手応え。
いや、胃応えか。
そして食べ終わった後の「食った食った」という満腹感。
これはやはりパンやパスタでは得られない満足感だと思います。
まさしく定食バンザイ! です。
ラベル:グルメ本
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2017年07月05日

「カレーライスと日本人」森枝卓士

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日本人ってカレーライスが好きですよね。
カレーライスが嫌いなんて人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
いや、その貴重な一人が私なんですけどね。(笑)
今でも子供の好きな食べ物ベスト3にランキングされているんじゃないかと思うのですが、私は子供時代カレーライスが嫌で嫌で。
学校とか地域のキャンプなんか行ったら絶対に夜はカレーライスなんですね。
みんな喜んで食べるんですけど、私一人うんざりした顔でまったく箸(スプーン)が進まない。
「おい○○、ぜんぜん食べてへんやないか。残さんと食べろよ」なんて、ほとんど拷問です。
アホのひとつ覚えみたいにカレーなんか作ってんなよと思ってましたね。
家でも母親が「今日はカレーやで」なんていうと、がっくりと肩を落としたものです。
さすがに今はそんなことないですが、それでもいまだに積極的には食べないですね。
でもカレーうどんやカレーラーメンは好きですし、料理にカレー粉を使ったりもします。
つまり私はカレーが嫌なのではなく、カレーライスという料理が好きではないということに大人になってから気付きました。(笑)
さて前置きが長くなりましたが、この本はタイトル通りカレーライスが日本人とどのように出会い、受け入れられ、今日のように国民食とまでなったのか。
インドはもちろん、カレー文化の各国を巡り、食文化としてのカレーを語っておられます。
カレーといえばインドですが、しかしインドのカレーは日本のカレーとはまったく違う。
その他東南アジアのカレーも。
これはいまや知られたことだと思います。
カレーはイギリス経由で日本に来て独自の進化を遂げ、洋食として日本に根付き、いまや日本食とさえいえるほどに普及しています。
一般にカレーが好きという人は、ほとんどこの日本式カレーのことを言っているんですよね。
とろみがあって肉やジャガイモやニンジンがごろごろ入ったの。
それを粘り気のある日本米にかけたもの。
これこそが本式のカレーで、スパイスの効いたシャブシャブのインド式のカレーを「あんなのはカレーじゃない」とまで言い出す人がいるほどです。
それって江戸前寿司を知らないアメリカ人がカリフォルニアロールを「これこそがスシだ!」と言っているのと同じだと思うんですけども。
そんなことにさえ気付かないほど、カレーライスは日本人の食生活に馴染みまくってます。
えっと、とにかくこの本、非常に楽しくカレーについて幅広く深く学ぶことができました。
ラベル:グルメ本
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2017年07月03日

「何様のつもり」ナンシー関

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「ナンシー関の顔面手帖」に続いて2冊目の作品集。
(おそらく。著書が多数なので順番がよくわかりませんが。)
当然のことながら芸能人たちの言動について鋭い考察をしておられます。
トップは表紙にもなっている“森繁”。
第15回日本アカデミー賞の模様についてですが、この時点でもうすでにボケておられたようで。
ボケと重鎮という二つの枷を引きずる森繁。
味わい深いですね。
加納典明(カメラマン)なんて最近見かけなくなった人も登場しています。
松本伊代の不思議なポジション、これはいまだに引きずっている気がしますね。
一時期好感度ナンバーワンだった山田邦子についてもその好感度に疑問を呈しておられます。
さすがに鋭い。
その他いろんな人たちが登場。
後半はエッセイや短編小説。
こんなのも書いておられたんですね。
そして巻末には竹中直人氏との対談。
しかしナンシー氏の指摘というのは痒いところに手が届くといいますか、「そうそうそれが言いたかったんだよね」といったカタルシスがあります。
もちろん氏のすべての指摘が当てはまるわけではありませんが。
これからもぼちぼちと作品を読み進めていきたいと思います。
ラベル:エッセイ
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