2017年07月09日

「ベーコン」井上荒野

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『私』が4歳の時に家を出ていった母。
父と私を残し、沖という男と一緒になりました。
そんな母が3年前に事故で死に、私は母の葬儀で初めて沖と顔を合わせます。
すでにその時には沖は勤め人を辞め、山で豚を放し飼いにしている養豚場を経営していました。
母と一緒になってから始めたようです。
そのあと何度か沖を訪れ、やがて父も亡くなり、私は半年ぶりにその報告を兼ねて沖を訪ねます・・・・。(ベーコン)
表題作他、9編を収録した短編集。
すべて食べ物を扱い、タイトルにしています。
他の作品もそうなのですが、「だからどうなの」といったさりげないストーリーです。
表題作では私と沖のちょっときわどい関係が描かれています。
といっても二人の間に直接的な男女のやりとりがあるわけではなく、一歩間違えると・・・・というようなきわどさですね。
二人の間に何があるわけでもないのですが、ベーコンの香ばしい匂い、しょっぱくて濃い肉の味、そういったものがさりげなくエロスを匂わせます。
食べ物や食べるという行為は性的なことを暗示させたりイメージを結び付けたりしますからね。
それぞれの作品に深い意味があるのか、いや、たださらりと男女の関係を描いただけなのか。
読み方次第ですね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする