2017年07月19日

「走ル」羽田圭介

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本田は陸上部に所属する高校2年生。
ある日、自宅の物置に放置されていたロードレーサーを引っ張り出し、分解されていたそれを手入れし組み立て、いつもは電車通学している学校に乗っていきます。
陸上部の朝練で皆が皇居の周りを走っている中、もう3年生が抜けていないのをいいことに一人自転車で参加。
休憩時に皆のジュースを買いに行くため練習を抜けたのですが、なんとなくそのまま授業をさぼって国道4号線を北上。
1時間目だけさぼるつもりが宇都宮市を目指して走り始めます。
しかしそれだけでは済まず、福島、山形、秋田、青森と、野宿し、友人や彼女にメールを送りながらどんどん北上を続け・・・・。
自転車小説といいましょうか、青春冒険小説といいましょうか。
いやあ、ただひたすら自転車で走るというそれだけで一冊の小説になるんですね。
ロードレース用の自転車を扱った小説というと例えば「サクリファイス」シリーズのように当然ロードレースというジャンルを思い浮かべますが、これはひたすら国道を走り続けるんですね。
ライバルと競争するわけでもない。
自分との闘いなどという大げさなものでもない。
旅をしながらメールでのやりとりはありますが、途中で誰かと知り合ったりするわけでもなく登場人物はほとんどいない。
ひたすら走るという行為にストイックさは感じますが、求道的ではありません。
走るのを終えて主人公が何かを得たという示唆もありません。
まさに「走ル」小説です。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『は』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする