2017年08月30日

8月の一冊

今月の読書は14冊でした。

・「街のイマイチ君」綱島理友
・「聖痕」筒井康隆
・「世界ぐるっと肉食紀行」西川治
・「小説 君の名は。」新海誠
・「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」谷崎潤一郎
・「バカボンのパパよりバカなパパ」赤塚りえ子
・「天の梯 みをつくし料理帖」高田郁
・「江口寿史の正直日記」江口寿史
・「サヴァイヴ」近藤史恵
・「パラダイス・ロスト」柳広司
・「多読術」松岡正剛
・「男と点と線」山崎ナオコーラ
・「花腐し」松浦寿輝
・「寿司屋のカラクリ」大久保一彦

「街のイマイチ君」、街中にあるいろんなヘンなものを取り上げた一冊。
こういうのは目新しさはありませんが、他のメディアとネタがダブらなければそれなりに楽しめます。
「聖痕」、作者はここしばらく“老い”や“死”をテーマにしておられたように思いますが、本作はそのようなテーマからはずれています。
今では使われなくなったような日本語を駆使しつつ、レストランを舞台に背徳的な雰囲気でバブル期から東北の震災までを描いています。
「世界ぐるっと肉食紀行」、世界中を旅している著者の肉食についての食べ歩き記録。
いろんな肉食文化を堪能できます。
「小説 君の名は。」、話題になったアニメ映画の小説版。
やはりアニメあってこその小説版で、アニメがなければこれ単独で話題になることはなかったでしょう。
「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」、谷崎といえばマゾ、足フェチなわけですが。
まあこれは軽くジャブといったところでしょうか。
「バカボンのパパよりバカなパパ」、いまや伝説のギャグマンガ家、故・赤塚不二夫。
娘という立場からプライベートな赤塚の魅力を存分に描いています。
「天の梯 みをつくし料理帖」、人気シリーズのいよいよ最終巻。
料理を扱った小説としては今後も語られるべき作品ではないでしょうか。
「江口寿史の正直日記」、人気マンガ家の日々の生活。
ダラダラしつつもやはり一般人とは違う日常が興味深く面白い。
「サヴァイヴ」、ロードレースを扱ったシリーズの第3弾。
レースの緊迫感がいつもながらにいい。
「パラダイス・ロスト」、タイトでストイックな雰囲気の漂うこのシリーズ。
話の中にはほとんど出てこないものの、結城中佐の存在感がじんわりと染みてますね。
「多読術」、本を読むにもいろいろと心掛けがあるわけで。
なるほどただダラダラと読んでいてはいけないんですね。
「男と点と線」、いろんな男女の物語。
でもこの作者のタイトルっていつもなんだかよくわからないのですが。
「花腐し」、平成というよりも昭和の時代を引きずったような雰囲気の作品。
歌でいえば演歌か四畳半フォークか。
「寿司屋のカラクリ」、回転寿司から高級店まで、いろんな寿司屋の裏事情。
フードコンサルタントという立場から書かれています。

今月はどれもそこそこ読み応えがあったように思います。
そんな中での一冊。
そうですね、「天の梯 みをつくし料理帖」が内容はもちろんなんですけど、10作というシリーズが完結したことに労いと感謝を込めて。
今月の一冊はこの作品にしたいと思います。

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2017年08月28日

「寿司屋のカラクリ」大久保一彦

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寿司屋といいましてもいろいろとありまして。
銀座にあるような高級店、近所の大衆店、回転寿司。
そんないろいろな寿司屋の裏側はどうなっているのかと。
その裏側を「カラクリ」として紹介しているわけですが、別に業界の裏話を暴露しているというような内容ではありません。
ありませんが、まあ業界の人たちにとってはそんなことまでばらしてくれるなよという内容かもしれません。
かといってそれだけの内容ではなく、寿司屋を楽しむためのガイドもしておられます。
回転寿司から高級寿司、海外の寿司事情。
しっかりと網羅しておられます。
魚というのは肉に比べて難しいですよね。
それを商売にするとすれば。
なのでそのあたりの事情がいつも新鮮で最高のネタをという寿司屋の敷居を高くさせていると思います。
ですがこの本を読みますと、高級な値段を取る店にはそれなりの理由があるというのがわかります。
いまさらですけどね。
それよりも、突き詰めていきますとどうしても現在の日本の漁業というところに話がいきます。
結局そこだと思います。
特に天然や近海物にこだわる高級店でその影響は大でしょう。
現在高級店で扱っておられるネタというのは、本来あたりまえのネタのはずなんですよね。
それが今や貴重品となりバカのような高額な金額でやり取りされている。
どう考えてもおかしい。
しかし経済や商売というのはそういうものです。
自身の味覚や価値観を持たず、そのような経済や商売の事情に惑わされる人は多い。
自称食通も溢れています。
ですけど漁業のことまで考えている“食通”はどれほどいるんでしょうかねぇ。
あ、なんだか全然本の内容と違う話になってしまいました。(笑)
この本の内容に関しましては私は必ずしも納得できるものではありません。
ですがまあフードコンサルタントという飲食のプロが書いておられるので、経験に基づくその内容は貴重なものでしょう。
ラベル:グルメ本
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2017年08月26日

「花腐し」松浦寿輝

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栩谷はデザイン事務所を経営していましたが倒産寸前です。
あちこちのノンバンクで借金していましたが、その中の社長の小坂という男からある依頼を受けます。
自分の持っている古いアパートを取り壊したいのだが、一人だけ居座っている住人がいる、そいつをなんとかしてもらえないか。
なんとかしてくれたら借金のことは多少考えてやろうじゃないか。
もうどうにもならないと開き直っている栩谷は、時間潰し程度にその話を引き受けます。
訪ねて行った先には伊関という男がおり、パソコンの機材が山のように積み上げられた部屋ではマジック・マッシュルームを栽培しています。
そんななんともつかみどころのない伊関を相手に栩谷は・・・・。
「花腐し」というのは万葉集の和歌にある言葉で、卯月ごろに卯の花を腐らせるように降り続く長雨のことをいうのだとか。
なるほど、そのような言葉から感じさせる雰囲気がこの作品全体に漂っていますね。
借金を背負って自己破産しかない栩谷。
今にも崩れそうなアパートに住み続ける伊関。
どちらも人生に対して投げやりでどこか達観したようでもありますが、この気怠さは実に湿気があって陰気です。
昔の女を思い出すあたり、よけいにじっとりと気が滅入る気がしますね。
ですが明るく人並みの生活だけが人生じゃない。
いろいろな過去を抱えつつ、陰で生きていくのもこれまた人生でありましょう。
ラベル:小説
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2017年08月24日

「男と点と線」山崎ナオコーラ

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短編6編収録。
世界のあちこちでの男女の物語。
表題作の「男と点と線」の舞台はニューヨークです。
42歳で独身の惣次郎は、バツイチで幼馴染みのさおりからいきなりニューヨークへ一緒に行かないかと誘われます。
話に乗る惣次郎。
さおりの娘で12歳の亜衣と3人でニューヨークへ出発します。
ブルーノートでジャズを聴いたり、メトロポリタンオペラを観に行ったり。
セントラルパークにひとり散歩に出かけた惣次郎は、さおりへの思いを再確認します。
メトロポリタン美術館に行き、モネやクリムト、シーレなどの絵に感動しつつ、自分の気持ちをしっかりと踏み固めます・・・・。
飄々とした雰囲気で話は進んでいきますが、書かれている内容といいますとこれかなり至高の愛といった感じですね。(笑)
こういう悟りといいますか達観といいますか、ここまで純化された思考を持てる男というのもちょっといないだろうと。
穢れなく爽やかといえばそうですし、ある意味男女における理想の友達関係といえるかもしれませんが。
この本の他の作品もそうですけど、男女の肉体関係のようなものは描かれていません。
そのような男女関係もまたあり、ということでしょうか。
ラベル:小説
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2017年08月22日

「多読術」松岡正剛

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多読というのは本を多く読むということですが、まず単純に冊数ですよね。
今までに何冊読んできたとか、1ヶ月に何冊読むとか週に何冊読むとか。
そしてジャンル。
多岐にわたっていろんな本を読んでいると。
そのような“広く深く”読書している人というのはいるもので、これはもう達人の域ですね。
この本の著者もそのひとり。
ネットで「千夜千冊」というサイトをやっておられるので、本好きのあいだではよく知られています。
そんな読書の達人が「多読術」ということで自らの読書方法を紹介。
しかし正直言いまして「あっ、そう」という感想しかなかったですね。
読書に対する心構えが私にはまったくないということがよくわかりました。(笑)
このような読書方法を紹介されると逃げ出したくなります。
なにもそんなに堅苦しく考えなくてもと思ってしまうんですね。
そんなこと考えて読まなあかんのかよと。
目の前に本がある。
暇がある。
じゃあ読んでみるか、と。
面白かった、面白くなかった。
私はそれでいい。
なんといってもこのブログのタイトルは「おひまつぶしの読書日記」ですから。(笑)
ラベル:本・書店
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