2017年08月10日

「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」谷崎潤一郎

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谷崎潤一郎といえばマゾヒズムですよね。
そんな谷崎のマゾ短編を6編収録しています。
ただ内容は「痴人の愛」「鍵」、「瘋癲老人日記」などに比べるとさほどではありません。
最初に収められている「少年」はマゾに目覚める入り口でしょうか。
なんだかよくわからないままにマゾの魅力に支配されているというような。
「幇間」というのは男芸者でいわゆる太鼓持ちなわけですが、人に小馬鹿にされつつ惚れた女にもへりくだった男が主人公。
それが生きがいのようです。
「麒麟」は古代中国を舞台としています。
聖人をもってしても妃である夫人の振る舞いを抑えきれないというような話。
こんな女、有無を言わせずぶん殴ってやればいいのにと思うのですが、それを言っちゃお話になりません。(笑)
それほど魔性の魅力があり、またそのような悪女に従ってしまうのがマゾヒズム。
どれも肉体的にどうこうよりも精神的にひれ伏すような内容ですね。
まあマゾヒズム自体精神的なものですけども。
ちなみに表紙のイラストは中村佑介
以前に読んだ川端の「伊豆の踊子」の表紙は荒木飛呂彦でしたが、昔の文豪と現代の絵師とのミスマッチですね。
中村佑介のイラストはポップでカラフルなんですけど、どこかノスタルジック。
そして女性に色気がある。
本来なら丸尾末広とか太田螢一なんかが谷崎には合うように思いますが、中村佑介もこれでなかなか。
ラベル:小説
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2017年08月08日

「小説 君の名は。」新海誠

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東京で暮らす男子高校生、立花瀧。
田舎町で自分が女子高校生となって暮らしている夢を見ます。
また田舎な糸守町で暮らす女子高校生の宮水三葉も東京で男子高校生になっている夢を見ます。
お互い最初はリアルな夢だと思っていたものの、どうやら2人は夢の中で入れ替わっていることに気づきます。
自分が相手の体になっているあいだは本来の自分の体の記憶はありません。
そして夢から覚めると相手の体で過ごしていた記憶が儚く消えてしまうのです。
2人は入れ替わっている間にノートやスマホで相手へのメッセージを残します。
最初は入れ替わっているあいだに勝手なことをするなと腹を立てたりしていたものの、だんだんと相手に想いを寄せるようになります。
ですがある日から急に入れ替わりが途絶えてしまいます。
瀧はうっすらと残る夢の記憶を頼りに糸守町を探し当て訪れるのですが、糸守町は3年前に隕石の落下で壊滅していたのでした。
被害者名簿の中には宮水三葉という覚えのある名前が。
ではあの入れ替わりはなんだったのか。
自分は3年前に死んだ人間と入れ替わっていたというのか・・・・。
大ヒットしたアニメ映画の原作小説です。
先にアニメを観てしまったせいか、ちょっと小説としてどうなのか判断できなくなってしまいました。(笑)
なにしろあらゆる場面でアニメの絵が浮かんでくるもので。
最初は読んでいてちょっと混乱しますね。
またアニメを前もって観ていなかったらちょっとわかりづらいのではないかと思える箇所もありました。
そのせいか話の中でつじつまが合わないのではと感じた所も。
ただ全体的にピュアで美しい小説ですね。
これもアニメの絵の美しさの影響があるかもしれませんが。
思春期の男女の入れ替わりとなるとコメディ路線になりそうなものですが、東京と田舎町で直接の面識はなく、彗星のエピソードなどを取り入れ、時空を超えた運命の出逢いといったような縦軸横軸ともにスケールのある話に仕上げています。
本好きとしましてはアニメを観る前に前知識なく読んでおきたかったと。(笑)
ラベル:小説
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2017年08月06日

「世界ぐるっと肉食紀行」西川治

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世界ぐるっとシリーズ第3弾。
第1弾は朝食第2弾はほろ酔い
今回は肉食です。
いつものように世界各地で食べておられます。
韓国、インド、イタリア、スペイン、メキシコ、アメリカ、トルコ、モロッコ、中国、モンゴル、ベトナム、日本・・・・。
やはり肉食というのは魅力的ですね。
私も肉は好きなのですが、最近はむしろ魚です。
そして野菜。
意識してそのようにしていますし、体もそれに馴染んできています。
しかし時折無性に食べたくなるのはやはり肉ですね。
魚にこのような引力はありません。
なんなんですかね、この肉の魅力というのは。
この本では著者が訪れて食べた各国の肉料理が紹介されています。
白黒とカラーで料理に限らず写真もいろいろと。
読んでいるとすぐにでも肉に食らいつきたくなります。(笑)
日本人の体はそもそも肉食に向いていないといわれています。
ですが食生活の移行はそんなのおかまいなしに肉食で突っ走ってきました。
体の変化が追い付いていないので弊害もあるといいます。
魚を食べるという日本人の食文化をないがしろにしてはなりませんが、しかしこの本を読んでみますと肉というのは世界中で愛されています。
日本でもいまや食事に欠かせないものですよね。
なので肉食おおいに楽しむべし、と思います。
が、やはりバランスは大切。
昔ながらの日本の食事を中心にしつつ、肉もそこそこに。
気を抜くと毎日がっつりと肉食になりがちですから。
今日のメシは肉でいくかと思わせる、罪な一冊です。(笑)
ラベル:グルメ本
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2017年08月04日

「聖痕」筒井康隆

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葉月貴夫は誰もがうっとりとなってしまうほどの美男子。
しかしその美貌ゆえ5歳のときに暴漢に襲われ、性器を切断されてしまいます。
家族の協力を得ながら周りにそれを隠し続ける生活を送る貴夫。
やがて成長しても性欲のない貴夫が興味を持ったのが料理の世界。
学生時代から料理を勉強し美食を追い求め、やがて自分のレストランを持つことになります。
貴夫の美貌はもちろんスタッフにも美女が集まり、料理も申し分なく店は繁盛します。
しかし通常の営業を続けつつも、だんだんと男と女が会員制の特別室や2階の従業員宿泊室で濃密な時間を過ごすような店になっていきます・・・・。
時代は1970年前後あたりから東日本大震災まで。
オイルショックやオウム真理教事件、リーマンショックなど実際の出来事も話の中に出てきます。
それらを時代背景としながら主人公の半生を描いているわけですが、幼いころに性器を失くしそのために性欲も失ってしまったことにより主人公の貴夫がまるで聖人のようになっていきます。
レストランが出会い茶屋のような存在になっていくことも貴夫の公認なわけで、それは貴夫にとって未知な世界への好奇心なのか達観した大きな心の故なのか。
料理という味覚、男と女による愛欲、どちらも悦楽な世界ではありますが、主人公のキャラクターもありそれらの描写は淡々としています。
貴夫というフィルターを通すとなんだかすべてが浄化されるような。
最後にホルマリン漬けされた自身のペニスを貴夫は「ぼくの贖罪羊(スケープゴート)」だと言います。
それは何に対してのスケープゴートだったのでしょう。
ラベル:小説 グルメ本
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2017年08月02日

「街のイマイチ君」綱島理友

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街にあるいろんなヘンなもの。
看板だったりポスターだったり。
チラシや商品のパッケージなんかもありますね。
そんなヘンなものを著者を始めとして読者からも募り、写真で紹介した一冊です。
まえがきにも書かれていますが、こういう類のネタといえば「VOW」ですよね。
別にこの本がパクリというわけではありません。
ただあちらのほうがメジャーというだけで。
ま、そういう意味では目新しい企画ではないのですが、しかしこういうネタはいつ見ても笑えます。
自分でも見つけてやろうなんて思ったりもするのですが、ありそうで意外と身近にないんですよねぇ。
なのでこういう本で楽しませてもらっています。
ラベル:エッセイ
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