2017年09月19日

「宇宙戦争」H・G・ウェルズ

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時代は20世紀の初め。
舞台はイギリス。
ある日流れ星がウォーキングという町に落下します。
しかしそれは隕石ではなく巨大な円筒でした。
人々が集まる中その円筒のふたが開き、現れたのは火星人です。
火星人は熱線で人々を焼き払います。
その後も円筒がやって来て熱線や毒ガスで殺戮を繰り返し、住民をパニックに陥れます・・・・。
宇宙人が地球を攻めてくるという思いっきりベタな設定のSF小説です。
当時アメリカでラジオドラマとして放送され、現実と勘違いした人たちが溢れてパニックになったというのは有名な話ですね。
SFの古典的名作ではありますが、さすがに今読むとちょっとつらいか。
『火星人』というだけで現在では苦笑ものでしょう。
地球人を上回る知的生命体がいたとして、友好的なコンタクトもなくいきなり攻撃を仕掛けてくるというのもちょっと強引。
だからこそのストーリーではあるのですが。
まあ同じ地球人同士でも北朝鮮のような話の通じない人種もいますけどね。(笑)
宇宙人を迎え撃つ人間側の武器も大砲だったりしますし、これもいまのSFアニメなどに慣れた現代人にはのどかすぎます。
なによりタイトル(邦題)がなぜ「宇宙戦争」なのか。
宇宙という大きなタイトルの割には舞台がイギリスの片隅だけとスケールが小さく、これがしょぼ感を増しています。
原題は「The War of the Worlds」です。
せめて全世界を巻き込むくらいのスケールがありませんと。
しかし当時としてはじゅうぶんな大作だったんでしょうね。
ラベル:海外小説
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2017年09月17日

「コミックVOW」コミックVOW制作委員会

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「VOW」といえば街中のヘンな看板や、新聞、広告などの笑える誤植などを写真で掲載し、コメント付きで紹介した人気のシリーズ本です。
この「コミックVOW」はマンガ本のヘンなものだけを集めれば面白いんではないかと企画された一冊。
たしかにマンガですから現実離れしたネタは多い。
当時は不自然なく受け入れていたような表現が、現在になってギャグでしかないというのは茶飯事でしょう。
これはドラマでもよくあることですが。
でもそういう過剰な演出あってのマンガであるともいえます。
特に絵のデフォルメなんてのはマンガの独壇場でしょうし。
人間が何メートルもある身長に描かれていたり、あり得ない動きをしてみたり。
そういうのがなければマンガの魅力もまた半減してしまいます。
しかし時代によってそのような表現や演出は変遷するものであり、今からすれば笑えてしまったりするんですね。
もちろんそのようなこととは関係なく最初からマヌケな表現もあったりしますが。
この本を読みますと、現在普通に読んでいるマンガがあとになっておもいっきりネタになったりするんだろうなと思えてきます。
ラベル:漫画本
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2017年09月15日

「ホルモン焼きの丸かじり」東海林さだお

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丸かじりシリーズ第31弾。
今回のタイトルはホルモン焼きです。
内容では「ホルモン焼きを懐石で」が表題作となりましょうか。
ホルモン焼きといえばもちろん焼肉なのですが、ロースやカルビとかと違っていわゆる臓物ですよね。
普通の焼肉とはちと違う。
というわけで、『ホルモン料亭』といわれる店に出掛けていくのですが・・・・。
で、その店の実況なわけですが淡々としたメニューの紹介に終始しています。
んで最後は飲み物がどうだとか。
今後ホルモンの二極化がどうだとか。
どうした東海林さだお。
そこで本領を発揮してくださいませんと。
たぶんエッセイとして面白可笑しく紹介するには苦しかったんでしょうねぇ。
それまでに費やした枚数のせいでホルモン屋についての記述が足りなかったのかもしれませんが。
表題にするにはもひとつインパクトがありませんでした。
こういう不発はよくあります。
そりゃこれだけ書き続けていればねぇ。
他の作品でもやはり出来不出来はあります。
ですけども、その不出来さえあくまでも東海林さだおレベルであり、他の食べ物エッセイなどと比べると抜きん出ている。
やはり偉大な食エッセイストでありましょう。
ラベル:グルメ本
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2017年09月13日

「誰も知らなかった インド人の頭ん中」冬野花

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国が違えば当然文化も違うわけで。
人々の日々の暮らしもまったく異なったものとなります。
そんな中でも我々日本人にとってインドという国はその最たるものかもしれませんね。
いや、私は行ったことないのですが、この本を読みますと。
まあ数々のエピソードがあること。
そのひとつひとつを紹介していてはきりがないのですが、基本的には時間にルーズで何事にもいい加減といったところでしょうか。
あくまで日本人の感覚を基準にしてですけども。
読んでいてなんだかコメディのようなのですが、でもあちらの人にとってはごく普通のことなんですよね。
けっしてふざけているわけではない。
でも普通電車の中で料理なんてしませんよねぇ。
仕事に対してのプロ意識もまるでないようで。
たぶん私のような時間厳守でイラチ(関西弁でせっかちのこと)、仕事に対してきっちりとした結果を求める、公共の場での常識を求める、といった人間がこの国に行くと気が狂うと思います。(笑)
この本の著者はインドに在住し、パートナーもインド人。
なんだかんだいいつつもインドが肌に合うんでしょうね。
著者のインドという国や人々に対しての愛着がジュワジュワッと伝わってきます。
たしかに読んでいますとイラつくものの(笑)、憎めないんですよねぇ、インドの人々。
いっそのことこのような日常に身を浸し、日本の息苦しい異常な日々を洗い流して開放された生活をしたいなんて思ったりもします。
時間に追われ、仕事に追われ、隙のない結果を求められ、こんなのもう勘弁してくれよと。
インドの人たちのようにマイペースな日々を送れたら。
もちろんそのようにチラッと思うだけで、私には無理ですけどね。
どこに行っても楽園なんてないでしょうし。
でもこの本を読んでいる限り、頭の中はパラダイスです。(笑)
ラベル:エッセイ
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2017年09月11日

「ホテルオークラ 総料理長の美食帖」根岸規雄

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ホテルオークラといえば、帝国ホテル、ホテルニューオータニと並んで日本のホテルの御三家ですよね。
著者はホテルオークラの第四代総料理長だった人。
これはもう料理人としては相当な地位といっていいでしょう。
特に昔はフランス料理といえばホテルのレストランという風潮でしたし、その中でもホテルオークラと帝国ホテルはフランス料理においては双璧でした。
そんな流れを受け継いでの総料理長ですから。
本書では著者がホテルオークラに入社し、総料理長になり、引退するまでの半世紀が語られています。
ご自身の経歴を語りつつ、料理だけに限らずホテルオークラの歴史も紹介しておられます。
オークラ開業のいきさつ、コンセプトなど。
創業者のゆるぎない信念をうかがうことができます。
料理に関して言えば、最後の章で「絶対の一品」というのを紹介しておられます。
例えば『ダブルコンソメ』。
ホテルオークラの顔といってもいい料理なのですが、いまだにコンソメスープをメニューに載せているというのがやはり大ホテルレストランの底力でしょうか。
いまどき街中のレストランできっちりと手間をかけて自家製のコンソメスープを出している店なんてほとんどないのでは。
ホテルオークラでは開業以来の味をずっと受け継いでいるようです。
といっても著者の代で思い切った改良をおこなったそうですが。
その他、『特製和牛とろとろカレー』、『ビーフストロガノフ』、『伝統のローストビーフ』など。
カタカナのフランス語でなんたらのなんとかかんとかといった料理ではなく、思いっきり定番の料理を「絶対の一品」として自信をもって紹介する凄み。
さすがです。
ちなみに著者の師は小野正吉氏。
日本のフランス料理界に多大な貢献をしたシェフです。
その小野氏が生前口にしていた言葉。
「料理人は客よりうまいものを食え」
他にもいろいろありますが、著者がいまも大切にしている珠玉の言葉だといいます。
まさしく。
本書でも料理を作る側としての立場だけではなく、食べ手としてフランスの三つ星を訪れた感想も書いておられます。
料理人の本は今まで何冊も読んできましたが、このようにホテルという組織でやってこられて、丁稚の修業話という体ではなくしっかりと周りのことも冷静に書いておられるのには好印象を持ちました。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ね』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする