2017年10月07日

「わたしたちに許された特別な時間の終わり」岡田利規

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ライブハウスで出会った男女。
時はブッシュがイラクに攻撃を開始する数日前です。
2人はラブホテルに籠りきり、テレビも観ずひたすらセックスと会話で4泊5日を過ごします。
そのあいだに外の世界ではアメリカとイラクの戦争が開始されているのかいないのか・・・・。(三月の5日間)
戦争という当事者たちにとっては大変な出来事が行われているいっぽう、まったくそれとは無関係な人物と時間が確かに同時期に存在しているんですよね。

夫婦はどちらもフリーター。
妻は自宅の布団の上でだらだらと過ごし、夫はファストフード店のカウンターで突っ伏して眠っています。
布団の上の妻の想像は夫や他人の様々な視点となり・・・・。(わたしの場所の複数)
妻はあくまで自宅におり、夫やたまたま見つけたブログの主の言動は想像なわけですが、まるで幽体離脱したかのような視点とその人物の肉体に入り込んだかのような視点が混在としています。
そして過去の自分さえ登場して。
気怠くも緻密な小説です。

どちらも面白かったかと問われると素直には頷けません。
ですが第2回大江健三郎賞の受賞作。
やはりそれなりの作品なのでしょう。
一般受けはしないと思いますが。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『お』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする