2017年11月20日

「おでんの汁にウツを沈めて 44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー」和田靜香

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著者の本業は音楽ライター。
しかしCD不況もあり、レコード会社や音楽雑誌からの仕事依頼が激減。
というわけで、44歳にしてコンビニ店員デビューとなりました。
そのコンビニというのがマダム店長を始めとして、ベテランのオバチャンたちがずらりと勢ぞろい。
そんな中でうまくやっていけるのか・・・・。
日頃皆がよく利用するコンビニ。
特にその仕事について意識することってないですよね。
コンビニに行けばいつもそれなりに商品がそろっていて、店員さんがいて、レジで対応してくれる。
しかしそんな当たり前の光景も店側からすれば実はいろんな悪戦苦闘があるわけで。
といったコンビニの裏話を書いたお仕事エッセイですね。
どんな仕事もそうでしょうけど、表からはわからないいろんな苦労があります。
それを面白おかしく笑いと涙(?)で綴った一冊。
これを読めば明日から客としてのコンビニでの振る舞いが変わるかも。(笑)
ラベル:エッセイ
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2017年11月18日

「ハンドモデルの恋人」綾瀬麻結

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6歳のとき両親を事故で亡くした紗羅は、樫井家というジュエリー会社を経営している裕福な家に引き取られます。
そこには唯人という6歳年上の男の子がいました。
兄と妹のような2人でしたが、唯人は紗羅の初恋の相手となります。
しかし唯人はアメリカの大学に留学してしまいます。
離れ離れになって胸が張り裂けそうなほどつらい思いをしましたが、それから8年後、ついに唯人が帰ってきます。
お互い見違えるような魅力ある大人になり2人は男と女として惹かれあうのですが、お互いに誤解があり行き違いを繰り返してしまいます。
唯人しか考えられない紗羅ですが、唯人は紗羅には好きな男がいると思い込み別の女性に目を向けようとします。
そんなある日、ジュエリーのパンフレットに掲載されている美しい『手』の持ち主に唯人は惹かれるのですが・・・・。
ま、なんといいますか、非常に芝居じみていて回りくどく歯がゆい展開です。(笑)
子供やあるまいしお互いの気持ちくらいわかるやろと。
「やっぱりわたしのことなんか・・・・」、「俺は嫌われてるのか・・・・」という自虐的ナルシズムはお約束。
エタニティの定番ですね。
だからこそのラストのカタルシスなのかもしれませんが。
この作者の本は2冊目ですかね。
ふと「ん?」と思うようなことがあったりする。
舞台は神戸なんですがなぜか皆標準語とか。
前作もそうでした。
他、再会する前はお互い相手の記憶は数年前に離れたままで現在は見た目がどうなっているかわからないなんて設定ですが、メールのやり取りはしていたんだから普通写真のやりとりもするでしょ。
あと夜中に蝉が鳴いていたりとか。
(最近は熱帯夜の影響かそういう例もあるようですけど)
あまりこんなことにこだわると小姑のようですが。(笑)
この作品は3部構成。
最後の「永遠の囁きをずっと」というのがなかなかよかったです。
紗羅の祖母の半生です。
最後に締まりましたね。
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2017年11月16日

「くさいはうまい」小泉武夫

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くさい食べ物というのはいろいろあります。
まず思いつくのが納豆ですかね。
でも私はくさいとは思いませんが。
最近はにおい控えめなんてのがあったりして、そんなの意味ないやんと思ってしまいます。
くさやなんてのもくさい食べ物の代表でしょうか。
私は食べたことないんですけども。
チーズも種類によっては強烈なのがありますね。
世界最高レベルでいうと韓国のホンオフェ、スウェーデンのシュールストレミング。
これはもう相当なレベルのようです。
そしてイヌイットのキビヤック。
アザラシの腹の中にアパリアスという海燕の一種である鳥を何十羽も詰め込んで、3年間土の中に埋めたもの。
奇食ですね。
さて、それらの食べ物はすべて発酵食品です。
つまり発酵はくさいと。(笑)
もちろんくさくないのもありますが。
でもにおいのきつい食べ物って最初はとっつきにくいですけど、慣れると病みつきになりますよね。
そんな世界中のくさい食べ物を紹介した一冊です。
ラベル:グルメ本
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2017年11月14日

「江戸川乱歩傑作選」江戸川乱歩

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乱歩の初期に発表された代表的な9編を収めた短編集です。
収録作は「二銭銅貨」、「二癈人」、「D坂の殺人事件」、「心理試験」、「赤い部屋」、「屋根裏の散歩者」、「人間椅子」、「鏡地獄」、「芋虫」。
よく知られた作品がずらりと並んでいますね。
もう何十年も前に読んで以来の再読ですが、細かな部分は忘れており、どれもまた楽しめました。
私が特によかったのは「人間椅子」と「芋虫」ですかね。
特に「芋虫」なんて自分がこのようになってしまったら気が狂うだろうと思います。
いや、狂えば幸せでしょう。
何もわからなくなるんですから。
でも正常な精神状態でこれはつらすぎます。
気が狂うといえば「鏡地獄」の主人公は最後に気が狂ってしまうんですね。
鏡張りの球体の中に入った主人公は何を見たのか。
たしかに360度鏡張りの世界というのはどのように見えるのか、考えると頭がおかしくなりそうです。(笑)
でもネットの動画で見ることができました。
さて・・・・。
ま、こういうのはやはり科学的に実証するよりも、小説の中の世界に浸っているほうがいいですね。
ラベル:小説
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2017年11月12日

「ばかもの」絲山秋子

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ヒデは大学生。
バイト先のスーパーマーケットで知り合った30歳に近いパートの額子と付き合っていました。
ですが21歳の誕生日を2週間後に控えた日、夜の公園で木に縛り付けられ、パンツを膝までおろされてフェラチオされ、発射する寸前に「結婚するんだ、私」と額子に去っていかれます。
情けない姿で木に縛られたまま捨てられたヒデ。
やがて大学を卒業し、家電量販店に就職もします。
翔子という彼女もできて休みの日は彼女のアパートに入り浸り。
結婚も考える付き合いですが、いつの間にかヒデはアルコール依存症になっており、翔子に暴力を振るうようになります。
会社も辞め、翔子にも去られ、飲酒運転で事故を起こし、ついには入院。
もうボロボロです。
退院したあと約10年ぶりに額子と再会するのですが・・・・。
額子を失い、仕事を失い、新しい恋人も失い、友人も失い。
心も体もボロボロになったヒデですが、10年ぶりに会った額子もまた大きなものを失っていました。
そんな2人の喪失と再生の物語です。
どん底に落ちて絶望を目の当たりにし、しかし再会によってようやくじんわりと先が見え始めます。
この喪失と再生というのは他の絲山作品にも共通して感じられるように思います。
そして男女の距離感がまた絶妙なんですよね。
ほんわかと心が温まるような。
例えば翔子という新しい彼女は恋人としてとても理想的な女性です。
私は額子よりも翔子のほうがずっといい。(笑)
でも絲山作品においては翔子ではだめなんですね。
やはり額子のような女性であり、このあたりが絲山作品の魅力でしょう。
ラベル:小説
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