2017年11月02日

「リケイ文芸同盟」向井湘吾

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桐生蒼太はバリバリの理系人間。
出版社に勤務し『かがく文庫編集部』に所属していたものの、このたび『文芸編集部』に移動となりました。
きっちりと答えの出る数学と違ってなにもかもが曖昧な文芸の世界。
部長は“熱意”などというわけのわからん言葉を根拠に仕事をする人物。
理不尽なクレームをつけてくる作家もいます。
そんな中で蒼太は大学からの悪友である営業部の嵐田と協力し、理系らしくデータを分析しながら売れる本を創ろうとします。
はたして蒼太はベストセラーを出すことができるのか・・・・。
理系人間が文系の世界で悪戦苦闘するというお仕事小説です。
キャラの設定がちょっと極端な気もしますけどね。
理系で何事もきっちりと答えを出さないと気が済まない蒼太に対して、なにもかも曖昧な部長。
しかしいくら部長が文系の人間だからといって、売れる本を創るためにデータを無視するなんてあり得ないでしょう。
そして肝心の理系という設定がいまいち蒼太の仕事に上手く稼働していないように思うのですが。
いろいろと専門的な言葉が出てきたりはするのですが、結局その手法って専門家でなくとも誰もがやっていることでしょうし。
どうせならもっと理系に突っ走ってアクロバットな技を見せてもらいたかったですね。
でもそうなるとこの作品のベクトルが違うほうにいってしまいますけど。
同僚に鴨宮凛という女性がおり、蒼太がほのかに想いを寄せたりしてストーリーに色を添えています。
この女性がなにかとクッション的な役目をはたしており、作品をやわらかくしていますね。
全体的にはいまいち物足りない印象でした。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『む』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする