2018年04月29日

4月の一冊

今月読みましたのは以下の15冊です。

・「買えない味2 はっとする味」平松洋子
・「ヘタウマな愛」蛭子能収
・「三世相 並木拍子郎種取帳」松井今朝子
・「君の膵臓をたべたい」住野よる
・「世界中で食べてみた危険な食事」谷本真由美@May_Roma
・「穴」小山田浩子
・「「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々」佐藤嘉尚
・「手塚治虫の冒険 戦後マンガの神々」夏目房之介
・「海に沈む太陽(上・下)」梁石日
・「寿司屋のかみさん とびっきりの朝ごはん 今日は何を食べよう・・・?」佐川芳枝
・「クジラの彼」有川浩
・「火花」又吉直樹
・「羽生善治 闘う頭脳」羽生善治
・「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」村上純

「買えない味2 はっとする味」、高級店の食べ歩きや珍味の食自慢ではなく。
あの時あの味といったような、心の原点のような食べ物の紹介です。
「ヘタウマな愛」、亡き前妻との思い出を綴った素朴で正直なエッセイ。
蛭子さんらしいなと思います。
「三世相 並木拍子郎種取帳」、シリーズ第3弾です。
目新しい展開はないのですが、安定していますね。
「君の膵臓をたべたい」、ベストセラーになり、映画化もされアニメ化も予定されています。
私は素直に感動しました。
「世界中で食べてみた危険な食事」、世界の食文化を紹介しておられるのかなと思ったらそういうわけでもなく。
色物的な旅の食日記ですかね。
「穴」、何が現実でどこからが妄想(虚構)なのか。
現実と虚構のあいだを彷徨うような内容です。
「「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々」、いかにも70年代だったのだなという気がしました。
今こんな雑誌ありませんから。
「手塚治虫の冒険 戦後マンガの神々」、手塚作品を絵や表現方法から論じたマンガ論。
他のマンガ家との比較もあります。
「海に沈む太陽(上・下)」、イラストレーター黒田征太郎の半生を描いた小説。
う~ん、もうちょっと上手くまとめられなかったものか・・・・。
「寿司屋のかみさん とびっきりの朝ごはん 今日は何を食べよう・・・?」、寿司屋のおかみさんの食エッセイです。
ずっと楽しみに読み続けています。
「クジラの彼」、自衛隊関連のラブコメ短編集。
ここまで書けるってすごいなぁと思います。
「火花」、お笑い芸人が書いて話題になった芥川賞受賞作品。
本格的ではありますが、作者の経歴を加味してちょっと過大評価ではというのが私の印象。
「羽生善治 闘う頭脳」、対談・インタビュー集。
こういう偉人の話を読むのは好きですね。
「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」、ラーメン二郎に愛を捧げる著者の渾身の一冊。
いや、ほんとラーメン二郎を崇拝しておられる気持ちがよく伝わるいい本でした。

さて今月の一冊ですが。
「クジラの彼」なんかは上手いなぁと思いましたね。
「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」、これはお笑い芸人が書かれたということを除外して評価できる好書です。
でもやっぱり感動したのは「君の膵臓をたべたい」です。
ライトノベルな扱いになるのかな。
でもそんなことはどうでもよく、いい小説を読んだなという満足の読後感がありました。
ということで今月の一冊はこれ。

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2018年04月27日

「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」村上純

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マニアのあいだでは知られたラーメン屋、「ラーメン二郎」。
なんといっても見た目のインパクトが凄まじい。
店や注文の仕方にもよりますが、正直言って食べ物としてこれはどうなのかと思うようなのがあったりします。
マニアのあいだでは「これはラーメンではなく二郎という食べ物である」という言葉もあるほど、唯一無二の突出した個性のあるラーメンです。
といってもその強烈なインパクトによる人気のため、あちこちにインスパイア系の店も登場していますが。
さて、この本はそんな「ラーメン二郎」に取りつかれてしまったジロリアンな著者が、思う存分二郎について語った一冊です。
第一章では二郎についての哲学を語っておられます。
といってもそんな堅苦しい話ではなく、二郎とはどのような店なのか、自分との出会いはどうだったのかなど。
第二章は二郎の系図。
二郎の由来や歴史ですね。
第三章では二郎を楽しむための作法が紹介されています。
「ラーメン二郎」では作法といいますか、独自の注文の仕方やルールがあるようで。
これが圧倒的なボリュームと共に初心者を怯ませている理由のひとつでもあるのですが。
第四章では二郎のラーメンそのものについて迫っています。
第五章は二郎の各店巡り。
三田の本店を始めとして、各地にある支店のそれぞれ独自の個性を紹介しておられます。
そして最後の第六章ではより二郎を楽しむためとして、裏メニューなどの紹介です。
これはまあかなりの常連となった上級者の世界ですね。
私は大阪在住なので二郎は食べたことがなく、インスパイア系の店しか知りません。
それでもやはり中毒性があり、ときたま無性に食べたくなって出かけていきましたね。
健康志向な昨今、それとはまったく逆のベクトルを行く「ラーメン二郎」。
いいじゃないですか。
機会があればぜひ直系を経験してみたいものです。
ラベル:グルメ本
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2018年04月25日

「羽生善治 闘う頭脳」羽生善治

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羽生善治。
将棋棋士です。
先日永世七冠を達成し、大きな話題になりましたね。
国民栄誉賞まで受賞しておられます。
プロ棋士になって30年以上。
89年に竜王のタイトルを獲得して以降、いまだに7大タイトルのうち何らかのタイトルを保持し続けています。
これってとんでもないことです。
タイトルに全く手が届かず引退していく棋士がほとんどの中、30年ものあいだつねにタイトルを保持しているのです。
そして永世七冠達成。
天才以外の何物でもないですね。
そんな羽生の頭脳とはいったいどうなっているのか。
この本ではいろんな人との対談やインタビューで、思考力、勝負力、発想力、人間力、持続力について語っておられます。
これはなにも将棋に限らず、ビジネスや人生にも通じる蘊蓄といえるでしょう。
羽生の人間としての器の大きさも感じさせるいい一冊だと思います。
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2018年04月23日

「火花」又吉直樹

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徳永はお笑い芸人です。
売れてません。
先輩芸人の神谷と出会い、弟子入りします。
神谷も売れているわけではないのですが。
芸人として、人間として、2人はどのように生きていくのか・・・・。
お笑い芸人の作者が芥川賞を受賞したということで大きな話題になった作品です。
なるほど芸人の立場から書かれたということで、これは専業作家には書けない内容かもしれませんね。
ですが小説としてどうなんでしょう。
なんで徳永が神谷に弟子入りしたのかいまいちよくわかりません。
その徳永に生活感がまるでありませんし、お笑いをとことん追求しているという思い詰めた熱心さも感じられない。
理屈ばっかりこねてなにやってんだかなぁという印象。
かなり作者の観念的な思いが書き綴られ、私的にはついていけませんでした。
「言おうとしていることはわからなくもないが、もうちょっとリラックスしたら? あんまり思い詰めたら知恵熱出るよ」というのが率直な印象ですね。
単行本が250万部ほど売れたようですが、はて、これを読んだどれくらいの人が納得満足したでしょうか。
芥川賞作品がこれほど売れるのはちょっと異常ですし、普段小説を読まない人が殺到したのは明らか。
そんな人たちがどう読んだのか。
私はこの作者の作家としての評価は、今後芸人の世界とはまったく離れた世界の話をどれほど書けるかだと思います。
これはこれとして、今後どんな作品を書かれるのでしょう。
問題はそこですね。
ラベル:小説
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2018年04月21日

「クジラの彼」有川浩

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自衛隊に勤務する人たちをモチーフにした短編集です。
表題作の「クジラの彼」は潜水艦に乗る男性を彼氏にした女性の話。
潜水艦乗りは一旦任務に就くと携帯電話もつながらず、何か月も会うことができません。
そんな男性を彼氏にしてしまった女性の苦労やいかに・・・・。
他の収録作もそうなのですが、自衛隊員本人やそういう人を恋人に持ってしまった人たちの四苦八苦(?)なラブコメです。
表題作や「有能な彼女」は「海の底」の番外編となっています。
「クジラの彼」は冬原春臣、「有能な彼女」は夏木大和が登場。
特に夏木と望のその後が読みたかったので楽しみでした。
「ファイターパイロットの君」は「空の中」の続編。
これも高巳と光稀のその後が読めてよかった。
やっぱり光稀がいい。
どれもそれぞれ独立した短編となっており、前作については軽く触れる程度です。
なので前作を読んでいなくても楽しめるようにはなっていますが、やはり「海の底」、「空の中」の両作品を読んで経緯を知ってからのほうがより楽しめると思います。
ついでに「塩の街」も読んで自衛隊3部作制覇を。(笑)
「国防レンアイ」もよかったですね。
自衛隊員同士の恋愛なんですけど。
主人公の腐れ縁の女性隊員を小馬鹿にした元カレへの啖呵がいい。
「女に恥かかせて何楽しいんだお前」、「腹筋割れてて何おかしいんだ? こっちゃ伊達や酔狂で国防やってねえんだよ。有事のときにお前ら守るために毎日鍛えてんだよ。チャラチャラやってて腹なんか割れるか」
ブラボーです。
拍手喝采です。
「ロールアウト」なんかも、よくこんなところに目をつけるなぁと感心しました。
作者はかなり自衛隊の事情にお詳しいようで。
かといってマニアックにならず、その知識を実に上手く作品に活かしておられますね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする