2018年04月19日

「寿司屋のかみさん とびっきりの朝ごはん 今日は何を食べよう・・・?」佐川芳枝

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「寿司屋のかみさん」シリーズの一冊です。
この本では朝ごはんをテーマにしておられます。
寿司屋さんというのはどのような朝ごはんを食べておられるのか。
毎日いい魚を扱っておられるのでさぞかし豪華な朝食では。
たしかにこの本を読みますと店の残りの魚を使ったりして、なかなか贅沢な朝食が出てきます。
といってももちろん毎日そんなのを食べておられるわけではなく、パンの時もあればごく普通に納豆と佃煮なんてことも多々あるとのこと。
しかしまあ一般家庭よりは魚に関してバラエティもあり、美味しいものを食べておられるようです。
レシピというほどの詳細ではありませんが、いろいろと食べ方も紹介しておられます。
朝ごはんとのことですが、時間は11時半くらいだそうです。
世間一般で言えば昼ごはんですよね。
昼食は4時半。
半日ずれています。
早朝から仕入れ、帰ってきて仕込み、そしてようやく朝ごはんとなるようです。
なかなか大変ですね。
そんな忙しい合間を縫って支度する朝ごはん。
実に美味しそうです。
ラベル:グルメ本
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2018年04月17日

「海に沈む太陽(上・下)」梁石日

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曾我輝雅は妾の子です。
そのせいで学校でもいじめられたりしています。
船乗りに憧れ、16歳のとき家出をして念願の船乗りとなります。
乗り込んだ船はLST。
ランディング・シップ・タンクの略で、アメリカの軍需物資を運ぶ船です。
釜山、沖縄、台湾、フィリビン、ベトナムなどをいったりきたりしました。
ベトナムでは米兵の遺体に囲まれ、迫撃砲にさらされ、死にかけたこともあります。
やがて船を降りた輝雅は道頓堀を根城にし、カツアゲから始まり、宝石や腕時計などの密輸品を扱うようになります。
しかしいつまでもそんなことをしていられません。
輝雅は好きな絵を生かし、デザイン事務所に就職します。
そしてイラストレーターになるという夢を抱き、ニューヨークへ。
輝雅の夢は叶うのか・・・・。
イラストレーター黒田征太郎の半生を描いた小説とのことです。
ノンフィクションではなくあくまでフィクションなので、書かれていることのどこまでが本当のことなのかはわかりません。
しかしまとまりのない作品ですね。(笑)
船乗りになったり大阪で裏の商売をしてみたり、かと思ったらイラストレーターを目指してニューヨークに行ってみたり。
まとまりもなにも実際の経歴を基にしているのだからしょうがないとか、波乱万丈の半生という言い方もできるわけですが。
じゃあラストはどのように収束させているのかといえば、なんじゃそりゃといったような肩透かしなラストです。
ふりだしに戻ってるじゃないですか。
なんのために長々と書いてきたのかと。(笑)
この作者は短編よりもやはり長編ですが、どうも構成に難があるように思います。
ラベル:小説
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2018年04月15日

「手塚治虫の冒険 戦後マンガの神々」夏目房之介

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1989年に手塚治虫が亡くなり、その後「手塚治虫はどこにいる」を書き下ろした著者。
それがきっかけとなり葛飾区教育委員会から手塚治虫についての講義を依頼され、まとめたのがこの本とのこと。
内容はもちろん手塚作品についてなのですが、その時代時代の手塚作品の表現を比較検証するため、他の漫画家の作品も多数取り上げられています。
田河水泡、佐々木マキ、福井英一、白土三平、水木しげるつげ義春大友克洋・・・・。
手塚マンガの変遷とともに戦後のマンガの変遷も解き明かしているわけです。
手塚治虫という人はとにかく描き直しをする人でした。
単行本になるときに描き直す、版が新しくなると描き直す。
それほどつねに表現が古くならないよう意識しておられたんですね。
またあれほどの大御所であってもつねに他のマンガ家の作品を意識しておられ、劇画の登場は以降の作風に大きな影響を与えました。
ひたすら生涯新人のような気持ちを持っておられたようです。
さて本書ですが、普通マンガ評論というとハードソフトで言えばどちらかといえばソフト面を論評する傾向があると思います。
ストーリーであるとかテーマであるとか作者の思想であるとか。
しかしこの著者はハード面にこだわっておられます。
絵ですね。
線、コマ割り、構図、心理描写の表現など。
線なども晩年の微妙な震えまで見極めておられます。
やはり描く立場の視線ということでもあるんでしょうか。
そう考えるとただサラリと読み流すだけではなく、マンガというのは実に見るべき箇所が多いということに気づきます。
奥が深い。
その奥の深さをマンガに持ち込んだのがこの手塚治虫です。
むやみやたらと国民栄誉賞を乱発させている昨今ですが、なぜ手塚治虫ほどの人物に与えなかったのか。
不思議でなりません。
ラベル:漫画本
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2018年04月13日

「「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々」佐藤嘉尚

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「面白半分」というサブカル雑誌があったそうです。
昭和46年から55年まで。
残念ながら私は知りませんでした。
この雑誌は原則として半年交代で編集長を代えるのが特徴で、吉行淳之介、野坂昭如開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆半村良、田村隆一といった、錚々たる人たちが編集長を務められたそうです。
著者はそんな雑誌の発行人。
約10年、様々な個性ある人たちを編集長に迎え、雑誌を作ってきた記録です。
メインで登場するのは吉行淳之介。
それほどこの雑誌に大きくかかわり、また著者にとっても大きな存在だったのでしょう。
『わいせつ裁判』についても頁を割いておられます。
「面白半分」に掲載された永井荷風「四畳半襖の下張」がわいせつかどうかと。
話題になりましたねぇ。
その他、なんやかんやと個性的な編集長たちと仕事をした楽しさ、苦労などが描かれています。
このような雑誌、今もあるのかなぁ。
あったとしてもこれほどの作家を迎えることなんてなかなかできないでしょうしね。
やはり時代でしょうか。
この時代だからできた企画かもしれません。
サブタイトルに「元祖サブカル雑誌」という言葉があります。
70年代の文壇やサブカルを知るいい資料ではないでしょうか。
ラベル:書評・作家
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2018年04月11日

「穴」小山田浩子

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夫の転勤で田舎の夫の実家が経営する借家に引っ越してきた私。
ある夏の暑い日に見たことのない黒い獣に遭遇し、後をつけて土手の穴に落ちてしまいます。
穴から引き揚げてくれたのは近所に住む世羅さん。
ひたすら携帯をいじる夫、キャリアウーマンの姑、毎日いつ見ても黙々と庭に水播きしている舅、家の裏に住んでいるという義兄を名乗る男。
これは現実か夏の白昼夢なのか・・・・。
シュールな作品です。
専業主婦の日常を描いているわけですが、周りの人物たちはどこか非現実的で実は全く日常的ではなかったりします。
表題作の他2編収録。
「いたちなく」と「ゆきの宿」は連作です。
農村に越して新婚生活を始めた友達夫婦と主人公夫婦の交友が描かれています。
何がどうという話でもないのですが、これもまたどこか奇妙な雰囲気のある作品です。
ラベル:小説
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