2018年06月20日

「迷える空港 あぽやん3」新野剛志

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主人公の遠藤が勤める大航ツーリスト成田空港所がリストラの一環でいよいよ閉鎖となります。
そんな状況でも頑張る遠藤。
しかしどうも言動がおかしい。
やけにテンションが高いのです。
やがて遠藤に異変が訪れます。
出勤しようとすると体が前に進まないのです。
今後の業務のことなどを考えすぎるあまり、精神を病んでいたのでした・・・・。
シリーズ第3弾。
まず表紙のイラストが変わっていたので「あれ?」と。
で、読み始めますと、遠藤のキャラがなんだかおかしい。
こんなキャラだったかなぁと思いつつ読み進めまして、なるほどそういう話に持っていくのね、と。
今回は連作短編形式になっており、遠藤に代わりいろんな人物が主人公となっています。
なのでどうも今までとは勝手が違い、散漫な印象がありました。
遠藤に鬱的なシチュエーションを与えたのもどうなんでしょ。
あの遠藤でさえ的なインパクトはあるでしょうけど、キャラ的ストーリー進行的にどうなのかなと思いました。
それはそれでずっと遠藤にカメラを向け続けていればまたよかったんでしょうけど。
そもそも遠藤のお客様第一主義的な行動が私個人は好きになれないのですが、それを言ってしまうとお仕事小説の立場がないですよね。(笑)
でもこの仕事に限らずここまで客のことを考える店員がいるかなぁ。
なんだかこれでシリーズ完結みたいな雰囲気を感じたのですが、どうなんでしょ。
これが最終巻とするなら、ちょっとなんだかなぁという印象です。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(1) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月18日

大阪の地震にて

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本日大阪で地震がありました。
震度6なんて前代未聞です。
地震時は外出していたんですけどね。
帰宅してみますとやっぱりまあ。
普段の整理が悪いと言えばそうなのですが。
もう片付ける気力を失いました・・・・。
posted by たろちゃん at 14:53| Comment(1) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「花散里」円地文子

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俳人の立川喜和、実業家の朝吹頼子、舞踏家の鹿野艶子。
そろそろ老齢に差し掛かろうという三人の女性。
それぞれの生き様、恋愛を描いています。
頼子は息子の家庭教師をしている大学生に惹かれています。
艶子は舞踏をやっていましたがパトロンができてから現役を引退しました。
そのパトロンの息子を養子にするべく預かるのですが、息子も艶子も男女としてお互いを見てしまいます。
喜和がいちばんニュートラルな存在ですね。
既婚者であり、不倫な恋愛はしません。
基本的な視点は喜和に置かれています。
なので頼子と艶子の恋愛といいますか性愛といいますか、それが強調されるのですね。
作者は決してその二人の女性を批判していません。
というか、平凡ともいえる喜和の視線を通して、むしろもっと自由に恋愛するべしと主張しているかのように思えます。
それは二人の生き様を見た喜和の思いにも表れています。
ラベル:小説
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2018年06月16日

「昭和、あの日あの味」月刊『望星』編集部編

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昭和が終わってもう30年も経つんですね。
そして来年は新しい年号になり、ますます昭和が過去になっていきます。
そんな昭和の時代を過ごした人たちは食についてどのような経験をし、どのような思い出を持っているのか。
66人の著名人が昭和の思い出の味を語ります・・・・。
現在は飽食の時代なんていわれて食べ物には不自由しませんし、それこそ気軽に世界各国の料理を食べることができます。
スーパーやコンビニには食料品が溢れ、売れ残りはザブザブと廃棄されるという有様です。
これ、確実に間違っていますよね。
こんなのは豊かでも何でもないです。
ただの驕りです。
この本に書かれているエピソードには食べ物に対しての憧れや敬意があります。
今ほど食べ物は溢れていませんでしたが、だからこそ貴重であり楽しみだったんですよね。
有り難味がありました。
平成生まれの人にそんな話をしても年寄りの愚痴としかとらえられないのでしょうけど。(笑)
さすがに戦中戦後の食べ物のない時代をよしとするわけではありませんが、もっと質素でいいと私は思いますけどね。
この本を読むとほんの身近なささやかな食べ物を美味しく感じることが幸せなのだなと思えてきます。
ラベル:グルメ本
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2018年06月14日

「白樫の樹の下で」青山文平

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浅間山が噴火し、その衝撃からまだ立ち直れない江戸。
賄賂まみれの噂から田沼意次が失脚し、清廉な松平定信が老中に。
そんな騒然とした天明の時代、白樫の樹の下に道場がありました。
竹刀での稽古が主流となっている昨今、この道場では木刀による形稽古を行っています。
そこに集まった三人の若者。
その中の一人、村上昇は普段竹光を差している貧乏な小普請組です。
昇はある日一口の名刀を預かることになります。
刀匠一竿子忠綱。
しかしこの名刀を預かることにより、登の周りが動き始めることになります・・・・。
閉塞感の漂う江戸を背景にした若い武士たちの希望のない日々といいますか。
貧しく鬱屈しがちな毎日です。
それは精神の暴発にもつながります。
友人の精神崩壊、また辻斬りで登の周りの者が次々と殺され、登は疑心暗鬼に陥ってしまいます。
ラストはアンハッピーというわけではないのですが、しかしなんともやるせないですね。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする