2018年07月10日

「風俗ゼミナール お客様編」松沢呉一

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意外とありそうでない風俗のガイドブック。
訊きたいことがあってもなかなかそういう人が周りにいなかったり。
まあ今はネットでいろいろ調べられますけど。
ただデータは調べられても心構えまで教えてくれるものはないと。
というわけで風俗ライターでもある著者が一肌脱いだわけです。
サブタイトルに「お客様編」とあるように、客にとって気になること知りたいことがいろいろと書かれています。
人気嬢と遊ぶには。
ボッタクられない方法。
性感染症になる前に。
いい客になる条件。
などなど。
巻末には歌舞伎町や上野の人気店店長との座談会も収録。
店の裏事情もわかって楽しい一冊となっています。
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2018年07月08日

「はるいろ恋愛工房」藤谷郁

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尾崎梨乃の週に1度の楽しみは、会社帰りに立ち寄る和風雑貨の店で気に入った小物をひとつ選ぶこと。
そしてその店に毎週金曜日に現れるスーツ姿の男性を見ること。
遠くから見つめるだけだったその男性が梨乃がうっかり皿を割ってしまったことをかばってくれ、急速に親しくなります。
その男性こと奈良哲美の趣味は陶芸です。
哲美に陶芸教室に入ることを勧められこれは大チャンスとばかりに入る決心をする梨乃ですが、哲美は茶碗や皿にしか興味がない陶芸バカのようで・・・・。
不器用な梨乃が哲美の指導で少しずつ陶芸に目覚めていく過程が微笑ましい。
そして作者はちゃんと陶芸の知識がおありのようで、そのあたりがきちっと作品の骨になっているんですね。
なので上辺だけ陶芸を扱ったチャラい恋愛小説にはなっていません。
エタニティ文庫の赤といえば一定以上の性描写があるということになっていますが、そのようなシーンが出てくるのも作品の半分くらいになってようやくです。
しっかりと物語を書いておられるのですね。
ライバルが登場したり哲美に過去があったり、そのあたりは当然押さえておられます。
思いのほか読み応えがあり、満足の読後感でした。
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2018年07月06日

「食べる屁理屈」村松友視

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前半は「食べる屁理屈」ということで食エッセイです。
別に内容は屁理屈でも何でもないんですけどね。
食べ物についてのこだわりは強くない、食べ物について鋭角的に追及する感覚がほとんど皆無、とご自分でお書きになっておられます。
こだわりがなければこんなエッセイ書かないでしょう。(笑)
なんでみんなこうやって自分はグルメなどではないとか謙遜されるんでしょうね。
東大卒の人が人間は学歴じゃないよ、なんて言っているみたいでかえって嫌味に思えます。
実際「醤油遊びの真っ最中」というエッセイでは仕事であちこち行くたびにその地方の醤油を買って帰り、いそべ巻きに合う醤油、刺身に合う醤油、湯豆腐に合う醤油なんて区別しておられます。
どこがこだわりがなく食べ物について鋭角的に追及する感覚がほとんど皆無だというのか。(笑)
だからといって私はグルメであるなんて自称するのもマヌケですけども。
後半は「屁理屈を食べる」ということで、これはまあ普通のエッセイです。
ラベル:グルメ本
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2018年07月04日

「三四郎」夏目漱石

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熊本の高校を出て東京の大学に入学した三四郎。
田舎とは違い都会は物珍しいものばかりです。
そんな中で三四郎は美禰子という女性と出会います。
だんだんと美禰子に惹かれていく三四郎です・・・・。
青春小説ですね。
大学生活で先生や先輩、学友と出会い、そして恋愛もあり。
それが夏目漱石独特のユーモラスな文体で描かれています。
恋愛に関しては淡いです。
まさに青春の一時期に通り過ぎたそよ風のような印象。
山あり谷ありの大きな物語ではないのですが、じんわりと染み入る味わいのある作品です。
ラベル:小説
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2018年07月02日

「もうひとつの青春 同性愛者たち」井田真木子

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この本に登場するのは主に7人の青年たちです。
いずれも当時(1994年)20歳代。
そして皆同性愛者です。
生まれながら同性愛という指向を持った彼らは、それについてどのように考え、どのように周りから見られてきたのか。
ひとつの裁判をきっかけに『アカー(動くゲイとレズビアンの会)』という団体の彼らの存在を知り、行動を共にして活動を間近で見てきた著者渾身のノンフィクションです・・・・。
その裁判というのは東京都教育委員会が管轄する公共宿泊施設「府中青年の家」をアカーが合宿用として借りたおり、同宿した他団体から同性愛者だということでいやがらせを受けたこと、そして施設がいやがらせを行った団体ではなくアカーの宿泊を断ったことをきっかけとしています。
たしかになぜ同性愛者だからといって宿泊を断られなければならないのか。
秩序が乱れる恐れがあるなどの理由なのですが、同性愛者が宿泊すると秩序が乱れるのか。
つまり同性愛者が泊まると男同士で乱交するのではないかという偏見があるんですよね。
じゃあ男女混じった異性愛者の団体が泊まったとしてそんなことを考えるかというと、まず考えないでしょう。
同性愛者だからといってむやみやたらとセックスしまくるわけではありません。
セックスなどあくまで生活の中の一部であり、それは異性愛者も変わらないはずです。
ところが同性愛者となると皆考えるのはセックスなんですね。
大きな偏見です。
そういう偏見の中で生きていくことはどれだけ大変なことでしょう。
そんな人たちが市民権を得るために立ち上げられた団体が『アカー(動くゲイとレズビアンの会)』なのです。
この本の内容はもう20年以上前になりますが、それに比べると最近は少しずつ理解もされてきていますかね。
同性愛というのとはちょっと違いますが、性同一性障害という言葉も一般的になってきました。
そのような人たちが肩身の狭い思いをすることなく生活できる日はまだ先のことのように思えますが。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする