2018年07月02日

「もうひとつの青春 同性愛者たち」井田真木子

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この本に登場するのは主に7人の青年たちです。
いずれも当時(1994年)20歳代。
そして皆同性愛者です。
生まれながら同性愛という指向を持った彼らは、それについてどのように考え、どのように周りから見られてきたのか。
ひとつの裁判をきっかけに『アカー(動くゲイとレズビアンの会)』という団体の彼らの存在を知り、行動を共にして活動を間近で見てきた著者渾身のノンフィクションです・・・・。
その裁判というのは東京都教育委員会が管轄する公共宿泊施設「府中青年の家」をアカーが合宿用として借りたおり、同宿した他団体から同性愛者だということでいやがらせを受けたこと、そして施設がいやがらせを行った団体ではなくアカーの宿泊を断ったことをきっかけとしています。
たしかになぜ同性愛者だからといって宿泊を断られなければならないのか。
秩序が乱れる恐れがあるなどの理由なのですが、同性愛者が宿泊すると秩序が乱れるのか。
つまり同性愛者が泊まると男同士で乱交するのではないかという偏見があるんですよね。
じゃあ男女混じった異性愛者の団体が泊まったとしてそんなことを考えるかというと、まず考えないでしょう。
同性愛者だからといってむやみやたらとセックスしまくるわけではありません。
セックスなどあくまで生活の中の一部であり、それは異性愛者も変わらないはずです。
ところが同性愛者となると皆考えるのはセックスなんですね。
大きな偏見です。
そういう偏見の中で生きていくことはどれだけ大変なことでしょう。
そんな人たちが市民権を得るために立ち上げられた団体が『アカー(動くゲイとレズビアンの会)』なのです。
この本の内容はもう20年以上前になりますが、それに比べると最近は少しずつ理解もされてきていますかね。
同性愛というのとはちょっと違いますが、性同一性障害という言葉も一般的になってきました。
そのような人たちが肩身の狭い思いをすることなく生活できる日はまだ先のことのように思えますが。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする