2018年08月15日

「鍵のない夢を見る」辻村深月

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地方の街で暮らす女性たちを描いた5編収録の短編集。
どれもちょっとイタイ女性が主人公です。
いや、単純にイタイと言ってしまっては身もふたもなく底が浅くなってしまうのですが。
「仁志野町の泥棒」や「芹葉大学の夢と殺人」などは主人公そのものはイタくないのですが、付き合う友達や男がどうしようもないんですよね。
でもそんな相手に振り回されてしまうというか、相手のペースに呑まれてしまうあたりが結局はイタイわけで。
「美弥谷団地の逃亡者」も同じくでしょうか。
「石蕗南地区の放火」なんてのはまさしく主人公の女性がイタ過ぎです。
勘違いしている女の徹底ぶりが実にいい。(笑)
作者もなかなかシニカルです。
最後の「君本家の誘拐」にもちょっとそんなところはあるのですが、しかし育児ノイローゼだとかこれは経験した人にしかわからないものでもあり、単純に主人公の迂闊さを責めるわけにもいきません。
どれもそれぞれ無難なレベルでまとまった短編集だとは思うのですが、作者はこれで第147回直木賞を受賞しているんですよね。
そうなると「ん?」と首をかしげたくなります。
単純にこれが直木賞にふさわしいのかという疑問がありますし、直木賞受賞作というのは作者にとって代表作として今後ずっと付いて回るわけで。
そう考えるとこの作品集を作者の代表作としていいのかと。
他の作品は読んでいませんのでなんともいえないのですが。
ちょっと弱いんじゃないですかね。
これから他の作品も読んでいきたい作家さんですので、自分なりに検証していきたいと思います。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする