2018年09月30日

9月の一冊

今月は14冊読みました。

・「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」角岡伸彦
・「時の旅」西村寿行
・「オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり」澁川祐子
・「マサヒコを思い出せない」南綾子
・「キッチンが走る! フランス・イタリア料理篇」NHK「キッチンが走る」制作班[編]
・「なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門」松尾貴史 著 しりあがり寿 画
・「きみは誤解している」佐藤正午
・「編集者放浪記」高田宏
・「銀二貫」高田郁
・「味に想う」角田房子
・「女ざかり」丸谷才一
・「小泉放談」小泉今日子
・「旨いメシには理由がある 味覚に関する科学的検証」都甲潔
・「中国怪食紀行 吾輩は「冒険する舌」である」小泉武夫

「ゆめいらんかね やしきたかじん伝」、関西で人気だったやしきたかじんの生涯を描いたノンフィクション。
面白い人物ではありましたが、そんなに大きな扱いをするほどかなとも思います。
「時の旅」、西村寿行らしさのある作品ではありましたが、スケールはもひとつでしたね。
ちょっとおとなしい印象でした。
「オムライスの秘密 メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり」、身近な食べ物のルーツを追った一冊。
きっちりと資料を追求する姿勢がいい。
「マサヒコを思い出せない」、もひとつ一線を越えられていないなと。
もどかしい作家さんです。
「キッチンが走る! フランス・イタリア料理篇」、テレビ番組の書籍化。
カラー写真がふんだんに使われており、見やすかったです。
「なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門」、宇宙人、幽霊、超能力、いるのかいないのか、あるのかないのか。
まあ笑ってしまうのがほとんどでしょう、というのを確認できる一冊。
「きみは誤解している」、競輪を取り上げても競輪そのものではなくそのギャンブル性に魅せられた人たちを描くのが佐藤正午。
いつもながら飄々淡々とした文章がいい。
「編集者放浪記」、一昔前の編集者の自伝。
編集者という仕事に対しての真摯な姿勢がうかがえます。
「銀二貫」、ベタな話かもしれません。
ですがきっちりとツボを押さえた話作りの上手さにしっかりと読ませられました。
「味に想う」、外国での生活が長かった著者。
古き良きヨーロッパといった雰囲気を感じさせます。
「女ざかり」、企業小説や政治小説にもなりそうな題材ですが、ユーモア小説といった体に仕上がっています。
作者の余裕というか奥行きを感じさせる作品です。
「小泉放談」、50歳を過ぎて何を思い、目指すのか。
楽しく語られています。
「旨いメシには理由がある 味覚に関する科学的検証」、料理や味覚というのは科学(化学)です。
それをきっちりと教えてくれる一冊。
「中国怪食紀行 吾輩は「冒険する舌」である」、これで何冊目かはわかりませんがいつもながらの小泉センセイ。
楽しく読ませていただいております。

では今月の一冊を選んでみましょう。
ん~、候補としましては2冊です。
「銀二貫」と「女ざかり」。
どちらも世界に浸れました。
が、ストレートに心に響いたということで「銀二貫」でいきましょう。
決定。

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2018年09月28日

「中国怪食紀行 吾輩は「冒険する舌」である」小泉武夫

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怪食紀行シリーズ第2弾。
今回は中国ということで、まあいろんな国がありますけど、やはり怪食ということでは中国でしょうねぇ。(笑)
この本でもいきなり第一話で皮を剥がれた牛の頭ですから。
で、第二話は犬肉。
これまた皮を剥がれた犬が丸一頭のまま市場に並んでいます。
その後もヘビだの虫だのと、なんとも奥深い食文化を見せつけてくれます。
これらがふんだんにカラー写真で紹介されているのですからありがたい。(?)
それにしても小泉センセイ、よくもまああちこち出掛けいろいろと召し上がりますなぁ。
サブタイトルにもあるように、さすが「冒険する舌」であります。
ラベル:グルメ本
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2018年09月26日

「旨いメシには理由がある 味覚に関する科学的検証」都甲潔

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味覚というのは人それぞれの主観的なものであり、なかなか客観的な評価を下しにくいものです。
ある人が美味しいと言った料理を違う人が食べてまずいと言ったり。
どう感じるかなんてのはもうこれは個人の領域なわけですが、しかし人として共通した味覚というのも存在します。
甘い・辛い・酸い・苦い・塩辛いが人間にとっての五味なわけですが、食べ物というのはそれらの味の組み合わせで成り立っています。
近年、これに旨味が加えられましたが。
それぞれの食べ物について、なぜそのような味がするのか。
これは当然どのような成分が含まれているかであり、そうなると料理やその素材の味というのは化学の世界なんですね。
素材や料理というのはすべて化学で説明できます。
ということはそれを機械で分析することもできるはず。
著者は味覚センサーを開発しました。
しくみはここでは詳細しませんが、決して胡散臭いものではありません。
これであらゆる食べ物を分析するわけですが、けっこう人間の味覚と共通しているのですね。
というか、それを原点に開発されているわけですが。
こうなると食べ物に対して客観的な評価をつけることができます。
ワインの評価なんてのも面白い。
ワインのプロにも好評だったとか。
よく「〇〇と××を合わせると△△の味がする」なんてのがありますよね。
例えば「プリンに醤油をかけるとウニの味がする」とか。
これ、笑い話ではなく、化学的にはちゃんと説明できる話なんですよね。
味覚センサーで分析すると化学的数字的にこういう理由でこうなんだとビシッと答えが出るわけです。
するとその答えから逆算して、ある素材の味をまったく別の素材の組み合わせで再現することも可能となってきます。
天然の食材が枯渇しつつある昨今、このようなセンサーに頼っての新食材開発もありなのかもしれませんね。
ラベル:グルメ本
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2018年09月24日

「小泉放談」小泉今日子

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50歳を過ぎた著者が、50を過ぎたらどう生きるべきなのか、いろんな先輩からアドバイスを受けようという対談集です。
20歳、30歳、40歳、いずれも区切りといえば区切りですが、50歳というのはいよいよ感がありますね。
まぎれもなく人生の折り返し地点を過ぎています。
しかし社会的にはまだまだ現役。
そしてそれなりの言動も求められます。
さて、そんな年齢に突入し、どのように生きていくか。
対談には25人の女性たちがゲストとして登場します。
芸能界からはYOUや先日亡くなった樹木希林、美輪明宏、伊藤蘭など。
作家やエッセイストでは江國香織、吉本ばなな、平松洋子上野千鶴子
政界からは小池百合子なんて人まで。
対談の内容はほんと気さくなおしゃべりという感じです。
決して眉間にしわ寄せて「50代とは・・・・」なんてことではありません。
著者とは何十年の付き合いの人もいたりして、友達同士の会話なノリだったりもします。
さすがに皆さんそれぞれこれまでの人生を山あり谷あり過ごしてきておられます。
ただ少しそれぞれのページ数が少なく物足りない印象ですね。
いろんな人の話を読めるのはいいのですが。
もう少しそれぞれの人たちの話を腰を据えて読みたかったなという感想です。
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2018年09月22日

「女ざかり」丸谷才一

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南芳子45歳は大新聞社『新日報』の論説委員。
元首相が発言した妊娠中絶と産児制限についての暴言を論説で取り上げます。
どうやらこれがどこかの大物(?)の逆鱗に触れたようで、会社に圧力がかかり、事業局へ配置転換させられそうになります。
しかし芳子はこれを拒否。
断固戦う決意をし、何者の手によるものか探りつつ、友人、愛人、家族を使って反撃を開始します・・・・。
丸谷才一といえば旧仮名遣いで文章を書くことで知られていますが、この作品ももちろんそう。
しかしまったく気になりませんでした。
意外と馴染めるものですね。(笑)
なにより内容が面白かったのも大きいと思います。
ユーモラスな文章で飄々と書かれており、あちこちに笑える表現があるのですが、これ書かれている内容はかなりスケールが大きいですよ。
サラリーマン一個人の移動だの左遷だののレベルではありません。
首相や幹事長なんて人物まで巻き込み、しかも新聞記者とはいえ芳子は首相官邸の奥の奥まで乗り込んでいきます。
官邸内の描写が実にいい。
さて結末は・・・・。
いやあ、王道を行くエンタメ小説であり、しかしきっちりと文学してます。
堪能しました。
満腹、満足。
ラベル:小説
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