2018年09月20日

「味に想う」角田房子

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作家による食エッセイです。
夫は新聞記者でパリ支局長をしておられ、またご自身もソルボンヌ大学に留学していたこともあり、ヨーロッパのいろんな国々が紹介されています。
フランスはもちろん、イタリア、スペイン、ドイツ、ソ連・・・・。
著者が初めてパリを訪れたのが1930年代とのこと。
そんな時代から向こうで生活され、なので食べ物や店の紹介についても身に染み付いたような生活感が感じられます。
これを書かれたのは日本に帰国してからですので、どこかノスタルジックな雰囲気もありますね。
新聞に連載していたのを本にまとめたとのことですが、文庫化にあたって最後に書き加えられた「亡夫の思い出」という話がいい。
まだ50代だった夫が言った言葉、「末期の水というのがあるが、この世で最後に飲むのが水じゃつまらない。僕はブルゴーニュの赤にする。よく覚えといてくれよ」
そして80歳の臨終のとき、金婚式を祝った思い出のシャンベルタンを綿に含ませ、夫の唇を拭いてあげたそうです。
しんみりといいエピソードではないですか。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする