2018年10月16日

「猟銃・闘牛」井上靖

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日本猟人倶楽部という機関誌に一編の詩を掲載した主人公。
それをきっかけにある男性の読者から手紙をもらいます。
13年間不倫をしていたその男性に届いた3通の手紙が主人公に送られてきたのです。
手紙の送り主は妻、愛人、愛人の娘です。
その手紙を紹介することによって男と女の愛憎が浮かび上がります・・・・。(猟銃)
新聞社に勤める主人公が社運を賭けたイベントとして、球場で闘牛を開催することにします。
イベントの成功に向けて奔走する主人公。
それを傍で見る愛人。
社運を賭けた大きなイベントにも関わらず、そこには寂しく冷めた雰囲気が漂っています・・・・。(闘牛)
他、一編。
いずれもトーンは暗い。
「猟銃」は周りの女性からの手紙で不倫の関係を描いているわけですが、しかしなんでわざわざ他人にそんな自分宛ての女からの手紙を送りつけるかなと。(笑)
それを言っては話にならないのですが。
「闘牛」は決してハッピーエンドではありません。
そこがいい。
主人公の仕事や愛人に対して熱いように思えてどこか冷めている虚無感といいますか、寂しさといいますか。
そのあたりにスパイスを感じました。
この作家の作品は初めて読んだのですが、意外と大衆小説的な印象を持ちましたね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする