2018年11月17日

「みんないってしまう」山本文緒

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12編が収められた短編集です。
昼下がりのデパートで年賀状のやり取りさえ途絶えてしまった幼なじみとばったり遭遇した主人公。
二人は最上階の食堂に行き旧交を温めます。
そんな中で出てきたのが中学で一緒だった成井君という男の子の名前。
実は二人は同時期に彼と付き合っていたということが判明します。
つまり二股をかけられていたわけで。
憤慨した友人は成井君の実家に電話するのですが・・・・。(表題作)
ちょっとせつないような笑ってしまうような話です。
本のタイトルを見ますと人が皆自分から去っていくというイメージですが、全編読みますとそれは決して人だけではありません。
人はいろんなものを失っていくのだなと思わされます。
しかし失うものもあれば、また得るものもあるんですよね。
表題作では主人公がそのような感想を述べています。
収められているどの作品も明快なオチのようなものはありません。
含みを持たせているといいますか、その後は読者が頭の中で描いていくということです。
例えば一番最初の「裸にネルのシャツ」。
主人公はこのあとどうしたのか。
その後のストーリーについては読者の数だけありということですね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする