2018年12月29日

12月の一冊

今月の読書は14冊です。

・「握りの真髄 江戸前寿司の三職人が語る」文藝春秋 編
・「性的黙示録」立松和平
・「フランス流 美味の探求」鳥取絹子
・「人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった」戸部田誠(てれびのスキマ)
・「料理ノ御稽古」嵐山光三郎
・「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹
・「ああ、堂々の自衛隊」宮嶋茂樹
・「パルプ」チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸 訳
・「Cボーイ・すくらんぶる」唯川恵
・「私の食べ歩き」獅子文六
・「窓際OL 会社はいつもてんやわんや」斎藤由香
・「てんのじ村」難波利三
・「アジアへごはんを食べに行こう」向山昌子
・「海の見える街」畑野智美

「握りの真髄 江戸前寿司の三職人が語る」、1994年の本ですが、「おけい寿司」の村瀬泰行氏は引退されたようで。
後には江戸前寿司屋の貴重な資料となる本でしょう。
「性的黙示録」、地味な話ではあると思うのですが、まったく退屈することなく読めましたね。
やはり立松和平だなと思いながら読みました。
「フランス流 美味の探求」、なんでもかんでも外国がいいと思うのは日本人の悪いところ。
しかし食に関してはフランスを見習うべきところは多々あります。
「人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった」、芸能人たちのさりげない(?)発言を取り上げてコメントしたコラム。
ひまつぶしにはいい本かと。
「料理ノ御稽古」、あの嵐山氏ですからけっこう無茶な料理かなと思ったのですが。
意外とまともでした。(笑)
「赤朽葉家の伝説」、女性三代を描いた長編小説。
読み応えありましたねぇ、とてもよかったです。
「ああ、堂々の自衛隊」、不肖・宮嶋のこれがデビュー作のようで。
自衛隊側に立った堂々の主張、実にあっぱれです。
「パルプ」、伝説の(?)カルト小説。
しかしこれブコウスキーじゃなくてどこかの新人が書いたとしたらどのように評価されたのかな。
「Cボーイ・すくらんぶる」、古き良き時代のコバルト小説です。
時代は感じさせますが、でもあのころのティーンズ小説はよかったなぁ。
「私の食べ歩き」、作家の食エッセイです。
いろんな作家が食エッセイを書いておられますけども、私はこの作品にはとても心地よさを感じました。
「窓際OL 会社はいつもてんやわんや」、一流企業OLのほんまかいなと思うような爆笑エッセイ。
次作も楽しみに読みますよ。
「てんのじ村」、大阪は西成を舞台とした売れない芸人たちの物語。
直木賞受賞作ですが、まあそれなりにという印象でしたね。
「アジアへごはんを食べに行こう」、ごはんが好きでアジアが好きな著者の食べ歩き。
うん、いいなぁと思いますね。
「海の見える街」、ふっとどこかの街の日常を捉えたかのような物語。
でもどこの誰にもそれなりのドラマはあるんですよね。

では12月の一冊を。
今月読んだ中から一冊を選ぶわけですが。
これ、なかなか難しいんですよね。
文学賞のように今回は該当作なしというのもありで、そうすればとてもラクですがそういう逃げを打つわけにもいかず。
といっても勝手にこんなことをやって何を言ってるんだと怒られそうですが。
そうそう「これは!」という本に出合うわけでもないんですよね。
でも今月手応えあったのが「赤朽葉家の伝説」。
こういう作品に出合うと「決まりだな」と思えます。
というわけで今月の一冊は「赤朽葉家の伝説」です。

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2018年12月27日

「海の見える街」畑野智美

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海の見える街にある図書館で働いている司書の本田。
ある日その図書館に春香という一年契約の若い女の子がやってきます。
本も読まず常識もなく、いかにも最近の若者といった感じの彼女に本田や同僚の日野さんも振り回され持て余し気味。
しかし徐々に彼らの心情に変化が訪れます・・・・。
各章ごとに語り手を変えて話が進みます。
視点が変わることによって主観も変わるわけで。
それぞれの登場人物の心情が分かりやすく語られます。
当たり前のことですが人それぞれに生活があり、それまでの過去があり、そして今があるわけで。
それらの糸が編まれてお互いに影響し合い、1本の紐となりストーリーになるんですよね。
人とのつながりが話を生むんだなぁと思わせられます。
ほのぼのと心に染み入るような小説でした。
ちなみに「海の見える街」というタイトルはどうなんでしょう。
以前に読んだ「国道沿いのファミレス」もそうなんですけど、そのまんま過ぎてあっけない。
もうひとひねり欲しい気がするのですが。
ラベル:小説
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2018年12月25日

「アジアへごはんを食べに行こう」向山昌子

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自分の生き方や人生をあらわす言葉は「ごはん」だという著者。
食べることが好きというのもあるでしょうし、なによりごはんは身体を作る源ですからね。
アジアでバックパッカーな旅をし、食べるものといえば当然高級レストランなどではなく地元の人たちが食べている大衆食堂だったり屋台だったりで庶民的な料理です。
台所に入り込んで料理を教えてもらったりもしておられます。
そのようなざっくばらんさがいかにもアジア的でいいですね。
私もガイドブックに載っている観光者向けの有名店よりは、ぜひそのような店の料理を食べたいと思うタイプです。
ただ屋台なんかの衛生レベルがちょっと気になったりはしますが。
こんなことを書くと著者に怒られそうですね。(笑)
私はアジアはどこへも行ったことがありませんが、屋台というのはとても気になっています。
活気があって見るからにおいしそうじゃないですか。
やはりそういうところで食事をしてこそその国の食事情がわかるというものですね。
ラベル:グルメ本
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2018年12月23日

「てんのじ村」難波利三

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大阪は西成。
「てんのじ村」と呼ばれる売れない芸人たちが住む一郭がありました。
そこに住む花田シゲルは村のリーダー格。
夫婦で漫才をしています。
戦時中は慰問であちこち訪れましたが、決して売れっ子の芸人というわけではありません。
やがて戦争も終わり、ぼちぼちとテレビも普及し始めます。
仲間はどんどん売れてテレビにも出るようになるのに、自分にはまったく声がかかりません。
複雑な気分のシゲルです。
なんだかんだと時は流れ、自分はもう82歳。
このまま一花咲かせることもなく終わってしまうのか。
不貞腐れ諦めかけていましたが、しかし一度だけ東京のテレビ局から声がかかります・・・・。
下町の人情話ということになるんでしょうか。
売れない芸人たちの喜怒哀楽。
戦中戦後、そして高度経済成長といった時代の変遷の中で、通天閣を望む西成という町での芸人たちのしみじみとした生活や生き様が描かれています。
この作品は第91回直木賞受賞作。
味わいのある作品だとは思いますが、直木賞ということになると「はて?」という印象でしたね。
ラベル:小説
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2018年12月21日

「窓際OL 会社はいつもてんやわんや」斎藤由香

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窓際OLが書くエッセイ、シリーズ第2弾です。
一流企業に勤める著者が赤裸々に社内の実態を暴露します。
しかし会社の許可も得ず(?)社長を始めとして上司のことをここまでボロクソに書いていいのでしょうか。(笑)
どこまでが本当の話かわからないのですが(すべて実話のように思う)、こんな会社が本当にあるのでしょうか。
いや、あるのはあるんですね。
だってあの『サントリー』ですから。
そこで健康食品事業部に配属され、『マカ』を宣伝して売りに売りまくったのが著者なのです。
作家、一流企業の社長、政治家にまで『マカ』を送りつけての“布教活動”。
傍若無人、大胆不敵。
実に痛快です。
ちなみに著者は祖父が斎藤茂吉、祖母は斎藤輝子、父が北杜夫、叔父が斎藤茂太。
そのような血統もありまして、交友や活動も幅広い。
そしてこのような本を出す著者のような社員を笑って許容している『サントリー』という会社。
これがなによりもすごい。
さすが「やってみなはれ」の精神ですね。(笑)
ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする