2019年02月08日

「キャンティ物語」野地秩嘉

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1960年飯倉に開店したイタリアンレストラン『キャンティ』。
三島由紀夫安部公房といった作家たち、作曲家の黛敏郎、團伊玖磨、映画監督の黒澤明、芸能人では加賀まりこ、かまやつひろし、萩原健一、安井かずみなど、錚々たるメンバーが集まる店でした。
その後も現在に至るまでいろんな有名人が贔屓にしているようです。
オーナーは川添浩史。梶子夫妻。
皆オーナー夫妻を慕い、そしてこの店にくれば誰か顔見知りがいるということでホームパーティーのように賑わったようです。
そんなオーナー夫妻や常連客達について書かれた一冊。
タイトルは「キャンティ物語」ですが、それほど深く「キャンティ」という店について書かれているわけではありません。
どちらかといえばオーナーの「川添浩史物語」というタイトルのほうが内容には合っているかもしれませんね。
もしくは「キャンティとその時代」とか。
昭和のいい時代だったという雰囲気があります。
私が今までに読んだ本でもいろんな人がこの店について書いておられます。
見城徹林真理子島崎今日子など。
オーナー夫妻はもう亡くなっておられますが、店は現在も営業しています。
さすがに当時のような有名人の社交場といった雰囲気ではないようですが。
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2019年02月06日

「後妻業」黒川博行

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91歳の耕造が脳梗塞で倒れ病院に運ばれます。
妻は小夜子69歳。
後妻です。
実は小夜子は後妻業。
財産目当てで次々と高齢の男性と再婚死別を繰り返しています。
手を組んでいるのが結婚紹介所を経営する柏木。
二人は公正証書遺言を盾に、耕造の娘二人からほぼすべての財産をむしり取ろうとするのですが。
耕造の娘姉妹は葬式代まで騙されぽったくられるわけですが、さすがにもう黙っていられません。
妹の友人である弁護士に相談し、反撃を開始します。
その弁護士から依頼を受けた興信所の雇われ探偵本多は元マル暴担当の刑事。
調査により明らかになってきた小夜子や柏木の悪行は金になると、依頼以上に事件に突っ込んでいきます。
死別した夫たちはどれも不自然な死因で、間違いなく柏木と小夜子によって仕組まれたものです。
じわじわと外堀を埋めていく本多ですが・・・・。
いやしかし、フィクションとはいえ小夜子がなんともむかつくババアで。(笑)
それだけキャラがしっかりと確立されているということでしょう。
金の匂いをかぎつけた本多の追跡が緻密で、非常にスリリングに話が進んでいきます。
柏木と小夜子、本多の他にも、小夜子の弟で刑務所から出てきた博司、逆に小夜子から金を騙し取ろうとする舟山など、一癖も二癖もある連中が絡み合います。
実に面白かったのですが、最後がちょっとあっけない気もしましたかね。
ストンと終わってしまったような気がします。
ラベル:小説
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2019年02月04日

「ベジタリアンの文化誌」鶴田静

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ベジタリアンといえば一般的には菜食主義者、非肉食者のことをいいますが、今までの歴史の中にも大勢のベジタリアンがいました。
宮沢賢治、ガンジー、ジョン・レノン、トルストイ、ダ・ヴィンチ、ピタゴラス、ヒトラー・・・・。
彼らはなぜ肉食を否定したのか。
その思想や社会に与えた影響は・・・・。
ベジタリアンにもいろいろ理由がありまして、健康上の理由であったり宗教の戒律であったり動物保護であったり。
あるいは食料上の理由というのもあったりしますね。
肉を食べるための動物を飼育するのにどれだけの穀物や土地の面積が必要か。
それをそのまま人間が食べるために割り当てればどれだけの食料が確保できるか。
例えばこの本に書かれているデータでは、1ポンドの牛肉を得るためには16ポンドの大豆や穀類が必要だといいます。
1エーカーの土地に穀類を栽培すると肉の5倍、豆類だと10倍、野菜だと15倍のタンパク質が得られるとのこと。
限りある土地を動物の飼育に使うより、穀物や野菜を栽培したほうがずっと有効なのだと。
なので肉食反対という人たちもいるわけです。
歴史の偉人たちの思想や言動をここで紹介するには長すぎる話となるので割愛しまして(笑)、しかしまあベジタリアンのみなさんはけっこうそのようなことを考えて実行しておられるようです。
著者は「ベジタリアン」の訳語として「菜食主義者」という言葉を当てはめるのは適切だろうか、と提起しておられます。
つまりただ単に肉を食べずに野菜を食べる人というだけではなく、健康はもちろん、動物の生命や地球の環境についてまでも含んでいるのが「ベジタリアン」ではないかと。
ただ動物保護の観点から肉食すべきではないという意見に関しては当然反論があるわけですね。
肉食は動物の命を奪う残虐な行為であるというような主張に対しては、じゃあ植物に命はないのかと。
定番の議論ですね。
この本ではそのことについてはほとんど触れられていません。
頁数でいえばせいぜい1頁か2頁ほどでしょうか。
ちょっと煩いことは避けておられる感があります。
ベジタリアンを語る上で避けて通れない話だとは思いますが、まあこれはそのような議論をする本ではありませんので。
著者の意見として「私が植物を愛し育てることは食べてしまうことへの罪ほろぼしをしているつもり」と書いておられますが、わけがわかりません。
じゃあ犬や猫、小鳥などのペットを飼うことで肉を食べることへの罪滅ぼしになるのではないのか。
ちなみに著者はベジタリアンではありますが肉食を否定批判しておられるわけではありませんので念のため。
個人的には動物保護の観点からベジタリアンを主義とするのは無理があると思います。
植物の命をどう考えるのか、というのが付いて回りますので。
自分で黙って実行するぶんにはいいのですが、他人に強要するのはいけませんね。
先日、非肉食者の女性が肉屋の前で抗議しているフランスのニュースを観ました。
捕鯨に反対する連中と同じような人なのでしょう。(笑)
ラベル:グルメ本
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2019年02月02日

「成功する人は生姜焼き定食が好きだ」笠井奈津子

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う~ん、この本はいったいなんと言ったらいいんでしょうか。(笑)
著者は栄養士であり、食事カウンセラーやフードアナリストなどをしておられるとのこと。
ビジネスマンを対象として企業研修などもしておられるそうです。
栄養学の本として読めば書いておられることはなるほどなと思う内容です。
アドバイスにしても、例えば『ラーメンはやめなくていい。「悪をなくすのではなく善を増やす」』というふうに、「ラーメンはあまり体に良くないのでお勧めできません」的なことはおっしゃらないんですよね。
夜中のインスタントラーメン、食べるのならせめて野菜を入れましょう、お酢をひと回しかけましょうとアドバイスされます。
マイナス思考ではなくプラス思考といいますか、ふむふむと思わされます。
これはこれでひとつの見識でしょう。
しかしどうも素直にふむふむと読めないのは、タイトルからわかるように食事のアドバイスにビジネスや恋愛を絡めておられるからなのかなと思ったりします。
するのですが、やはりこれまた間違ったことは書いておられないんですよね。
ざっくり言いますと、食事に気を使っている人は健康である → 健康であればバリバリ仕事ができる → 仕事ができる男は出世する、女性にモテる。
なるほど、と。
私からしてみればですが、ベクトルは正しい。
しかし微妙にズレてるんじゃないか、という気がするんですよね。
今まで周りにいませんでしたか?
「この人普通なんだけど、でもなんだかちょっと違う」という人が。
そんな読後感の本です。(笑)
ラベル:グルメ本
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