2019年02月16日

「はなうた日和」山本幸久

CIMG3412.JPG

9編収録の短編集です。
どの作品もさりげない話です。
日常のさりげない話と書いてしまいそうになりますが、さりげなくはありますが日常的ではありません。
会ったことのない父親が実はいつも観ている特撮の悪のボス役だったり、部長が部下のOLからその気があるっぽく飲みに誘われて「副社長を殴ってほしい」と頼まれたり。
不倫は今や普通としても、その相手が実はとんでもなかったり。
どれも日常ではなかなかあり得ない設定です。
しかしそれをさりげなく読ませるのがこの作者の作風といいますか技術なんでしょうね。
共通しているのは世田谷線界隈を舞台にしていること。
なのでなんだかほのぼの感があります。
「はなうた日和」というタイトルもまさにそんな雰囲気ですよね。
そして連作というわけではないのですが、登場人物などが各作品でリンクしていたりします。
なのでなんとなくこじんまりとした一体感のようなものを感じさせます。
「〇〇殺人事件」のような小説よりも私はこのような小説のほうが好きですし、また多く読まれてほしいと思いますね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする