2019年03月30日

3月の一冊

今月の読書は14冊でした。

・「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」三上延
・「実況・料理生物学」小倉明彦
・「雪の鉄樹」遠田潤子
・「怖い絵 泣く女篇」中野京子
・「お江戸の姫君 右京之介助太刀始末」高橋三千綱
・「羊と鋼の森」宮下奈都
・「定食ニッポン」今柊二
・「カエルの楽園」百田尚樹
・「妻の超然」絲山秋子
・「赤ずきんちゃん気をつけて」庄司薫
・「キアズマ」近藤史恵
・「やくざと芸能界」なべおさみ
・「諸国空想料理店」高山なおみ
・「愛のひだりがわ」筒井康隆

「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」、シリーズもいよいよ大詰めになってきました。
五浦と栞子さんの関係が楽しみです。
「実況・料理生物学」、料理を化学的生物学的に講義した一冊。
こういうアプローチも楽しいですね。
「雪の鉄樹」、過去にいったい何があったのか。
じわじわと明らかになっていく過程を読ませる腕はなかなかのもの。
「怖い絵 泣く女篇」、何がどう怖いのか。
ただ見ているだけではわからない絵に隠された意味などを解説してくれます。
「お江戸の姫君 右京之介助太刀始末」、主人公右京之介の魅力がいいですね。
話がもうちょっとシンプルであればなお。
「羊と鋼の森」、ピアニストではなくピアノの調律師を扱ったちょっと異色(?)な作品。
じんわりと心に染み入りました。
「定食ニッポン」、飯、汁、おかずがセットになった定食。
日本の心です。(笑)
「カエルの楽園」、ちょっとベタではありますが、現在の日本を揶揄した小説です。
この痛烈な皮肉が届けばいいんですけどね。
「妻の超然」、超然とは何ぞや。
達観なのか開き直りなのか何もかもを受け入れる広い心なのか。
「赤ずきんちゃん気をつけて」、日本版「ライ麦畑でつかまえて」?
良くも悪くも当時の高校生なんですね。
「キアズマ」、大学生のロードレースを扱った作品。
読み応えじゅうぶんでした。
「やくざと芸能界」、タブーに挑戦した一冊といえましょうか。
この本のおかげで著者はNHKの仕事がボツになったそうです。(笑)
「諸国空想料理店」、食エッセイ&レシピ集。
エスニックがお好きな方はぜひ。
「愛のひだりがわ」、ジュブナイルの体を装いながらただのジュブナイルにはなっていませんね。
やはり筒井康隆のテイストです。

今月はいつもより小説を多く読めました。
9冊。
その他が5冊。
どれもけっこう楽しめました。
そんな中から今月も一冊選びましょう。
絞って「雪の鉄樹」、「羊と鋼の森」、「キアズマ」ですかね。
「雪の鉄樹」は初めての作家さんでしたが、他の作品もぜひ読みたいと思えました。
「キアズマ」は「サクリファイス」シリーズで期待していた通りの面白さでした。
でも今回はピアノ調律師という未知の世界を見せてくれた「羊と鋼の森」でいきたいと思います。
今月の一冊はこれで。

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2019年03月28日

「愛のひだりがわ」筒井康隆

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舞台は近未来のようです。
ずいぶんと治安が悪くなり、警察も役に立っていないような世の中。
月岡愛は小学6年生。
幼いころ犬にかまれて左腕が不自由な少女です。
母を亡くし、ひとりぼっちになった愛は、二人を置いて家を出た父を探す旅に出ます。
ぶっそうな世界でいろんな事件に巻き込まれ、またいろんな人と出会います・・・・。
なんだかロールプレイングゲームのような小説だな、という印象です。
淡々としていて平面的。
それぞれの人物についても浅く掬っている程度の描写です。
そして文章もいかにもジュブナイル的。
わざとらしいほどですが、もちろんこれは計算されてのことでしょう。
それらの設定が荒廃した世界と重なり、なんとも灰色な印象を受けます。
そんな中での少女の成長と冒険の物語ですが、素直にそれを喜べるという読後感ではないですね。
ラベル:小説
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2019年03月26日

「諸国空想料理店」高山なおみ

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著者初のエッセイ集です。
『諸国空想料理店KuuKuu』という店で料理長をしていた著者。
そこで発行していた店内フリーペーパーをまとめたのがこの本だとのこと。
なので書かれていることはすべて食べることに関する内容です。
そしてそれぞれのあとにはレシピも掲載。
紹介されている料理はほとんどがアジアやインドの料理。
まあ創作エスニック料理といったところでしょうか。
調味料の紹介などもあります。
へたに小洒落たイタリアンやフレンチを紹介されるよりも、このような料理のほうが身近に感じられます。
ラベル:グルメ本
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2019年03月24日

「やくざと芸能界」なべおさみ

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著者の幼少の頃からの経歴を綴りつつ、いろんなやくざと知り合い交友を持ち、そして芸能界に進んだ半生が書かれています。
花形敬なんてとんでもない人とも接点があったそうです。
それにしてもタイトルが「やくざと芸能界」って。
ミもフタもありませんがな。(笑)
著者はこの本を出したおかげで出演予定だったNHKの時代劇が出演不可となったとか。
そりゃまあそうでしょう。
現在はやくざと繋がりのある芸能人はとことん排除の姿勢ですから。
そのために活動自粛や廃業に追い込まれた人もいますもんね。
でもこの本によりますと、元々はやくざも芸能人もルーツは同じというようなことが書かれています。
大昔の話、畑で収穫したり山で猟をしたりしていましたが、そういうことに興味を持たない人間が現れてくると。
そのような人たちが土器を作ったり衣料を作ったりといった生産的ことに従事してくれればまだいいのですが、絵を描いたり歌ったり踊ったりが得意ではなんの役にも立たない。
つまりアウトローです。
それでも生きていく上で何かをしなければならない。
というわけで自分の得意な芸をなんとか生業にしたのが芸人(芸能人)です。
太鼓を叩いたり、笛を吹いたり、歌ったり、踊ったり。
それら売り物がない人たちはどうしたか。
男を売りました。
男伊達を売ったのがやくざです。
なので芸人や水商売の人たちがトラブルを避けたり解決したりするためにやくざを後ろ盾にする。
そういう流れがあったわけです。
しかし現在はそんなの公には認められませんよね。
なぜかといいますと“現在のそれらの人たち”は著者のいう“やくざ”ではなく“暴力団”や“チンピラ”だからではないでしょうか。
著者が出会ってこられた男気のある“やくざ”ならいいのですが、理不尽な因縁をつけたり庶民を脅かすだけの“チンピラ”ならお断りでしょう。
ま、それはそれとしまして、よくまあ書かれたと思います。
ただ文章にしろ構成にしろ思いつくままに書かれた感がありまして、ちょっと乱雑かなと。
そのあたりもっと内容を絞ってすっきりしていただければよかったのにと思いました。
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2019年03月22日

「キアズマ」近藤史恵

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大学に入ったばかりの岸田正樹。
自転車部のメンバーとトラブルを起こしてしまったのをきっかけに、自転車部に入部することになってしまいます。
最初は興味もなく仕方なしにだったのですが、すぐにロードレースの魅力に惹かれのめり込んでいきます。
ですがみるみる頭角を現した正樹とエースで1年先輩の櫻井がやや険悪な雰囲気になり・・・・。
この作者には「サクリファイス」「エデン」「サヴァイヴ」というロードレース3部作があるのですが、それらはプロの世界を描いています。
こちらは大学の自転車部というアマチュアの世界です。
(3部作と繋がりはありませんが、途中にちょこっと3部作に登場するチーム・オッジの赤城が出てきます)
ロードバイクにはまったく縁も興味もなかった正樹がその魅力に目覚めていく過程がとてもいい。
そしてレースの描写は相変わらず迫真です。
しかしただ単にロードレースの小説というだけではなく、正樹や櫻井にはそれぞれ重い過去があり、それを背負っていかなければならない宿命のようなものを持っています。
これがドラマに厚みを加えているんですね。
この作者によるロードレース作品をもっと読みたい。
と思っていたらシリーズ最新作「スティグマータ」が出ていたんですね。
ぜひ読ませていただきます。
ラベル:小説
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