2019年04月19日

「男は旗」稲見一良

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スエーデンの大富豪のプライベート・ヨットとして建造され、かつては“七つの海の白い女王”と謳われたシリウス号。
現在は繋留され、ホテルとして第二の人生を過ごしています。
しかし経営は思わしくなく、下品な大資本の商事会社が買収を企み、この船に隠されているという宝の地図を狙ったギャングにも目をつけられます。
いよいよ買収というその日、キャプテンの安楽さんを始め、精鋭のクルーたちは秘かにシリウス号を出港させます。
古地図に記された宝島を求めて・・・・。
今まで読んできた稲見作品とはちょっと雰囲気が違うなと。
ややファンタジーなタッチの冒険小説です。
個性ある面々が助け合い、絆で結ばれ、夢を追いかける。
しかし決して甘っちょろくはなく、ハードボイルドな締りがあります。
ただ枚数的に少ない気がしました。
できればもっと多い枚数でガッツリどっしり読みたかった気がします。
ラベル:小説
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2019年04月17日

「イタリア半島「食」の彷徨」西川治

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毎年のようにイタリアを旅し、また住んでいたこともある著者がふんだんなカラー写真で現地の料理とレシピを紹介した一冊です。
日本のイタリア料理はまずい、と著者は言います。
日本のイタリア料理、そんなにまずいですかね。
フランス料理にしてもむしろ現地より美味しいのではないかと私は思うのですが。
もし日本人の味覚に合わせた料理という意味ならたしかにそうでしょうね。
著者は「食べ物は現地主義」だと言います。
これはまったくおっしゃる通り。
やはりその国、その土地の素材を使い、その空気の中で食べるのが本物の味と言えるでしょう。
たしかに日本のイタリア料理というのは小じんまりとして見た目は美しいものの、野趣に欠けます。
コトレッタ・アッラ・ミラネーゼなんて日本で現地サイズを出す店なんてなかなかないのでは。
まああちらの人たちとは胃袋のサイズが違いますけども。
気取らず飾らずボリューム満点がイタリア料理の魅力であるのは確かで、そういう意味では本場の料理に慣れた人にとっては日本のイタリア料理に満足できないというのはあるでしょうね。
ラベル:グルメ本
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2019年04月15日

「水曜日の恋人」龍田よしの

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柚池彩芽はごくごく普通の派遣社員OL。
4年付き合った彼氏と別れてしまい、落ち込んでいた日々。
それを見かねた職場の先輩が気晴らしにとホストクラブに誘ってくれます。
そこで知り合ったのがホストのユウ。
彩芽はユウにゲームに誘われます。
これから3か月間、毎週水曜日にユウを指名できる。
開店から閉店までタダで遊んで、閉店後翌日の開店前までは恋人でいられる。
その3ヶ月のあいだにどちらが相手に惚れるか。
相手に「好き」と言わせれば勝ち、というゲームです。
ただし彩芽が負ければ貯金の600万円を没収されます。
どうせ別れた彼との結婚資金のために貯めたお金です。
やけくそでゲームに応じる彩芽ですが・・・・。
ホストクラブを舞台にした小説ですが、経験のない私にはリアルなのかどうかわかりかねますが。
いやしかし、読んでいてなるほどふむふむとは思わされましたね。
何人も登場するホストのそれぞれのキャラがちゃんと書き分けられており、それに応じた役割が与えられているあたり、きっちりと押さえておられます。
ちょっと個性が浅いですけどね。
キングというオーナーの存在感もいい。
最後の『イミテーションナイト』というイベントもいいですね。
構成としてお見事です。
ただ主人公の彩芽がホスト達に好かれるというからには、もう少し持ち味の天然っぷりが欲しかったように思います。
ここが大事なとこなんで。
でもけっこう夢中になって読みました。
実力のある作家さんだと思います。
この作品のパート2も出ているようで。
他の作品もすでに購入済み。
ぜひ今後も読ませていただきたいと思います。
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2019年04月13日

「指名ナンバーワン嬢が明かす テレフォンセックス裏物語」菊池美佳子

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元テレフォンセックス嬢だった著者の体験記です。
現在はネットがありますからこのような電話を利用しての性風俗も下火になりましたが。
しかしライブチャットなどと違い相手の姿がわからないぶん妄想は肥大しますし、安心して自分の本来の性癖を晒すことができます。
著者が相手にしてきたこの本に登場する男性たちの性癖といったら。
爆笑ものですね。
といっても本人たちはいたって真剣なんでしょうけど。
保険外交員と客といったシチュエーションに興奮したり、アイドルとマネージャーなんてシチュエーションに萌えてみたり。
絶叫マニアなんてのもいて、女性が色気のある声ではなくオッサンのような声で絶叫することに興奮したり。
死体マニアもいれば男体盛りされたい人もいます。
アイロン台とセックスする人なんてのもいたりして、ほんとに性癖というのは様々ですね。
これも電話という相手の顔が見えないからこそできるプレイでしょう。
この本を読みますと自分の性癖なんてじゅうぶんノーマルだなと思えてきます。(笑)
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2019年04月11日

「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」カズオ・イシグロ

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音楽をテーマにした5編を収録した短編集です。
タイトル的には「夜想曲」というのが表題作になるのでしょうか。
才能はあるのに醜男のせいで仕事に恵まれない無名のサックス奏者。
妻にも去られてしまいます。
整形手術を受け、有名人御用達のホテルに“入院”し、隣室の有名女優と仲良くなりホテル内を散策するのですが・・・・。
これはコメディタッチの作品ですね。
雰囲気があるのは最初の「老歌手」でしょうか。
昔、一世を風靡した歌手が妻を伴ってベネチアを訪れています。
しかし現在は鳴かず飛ばずです。
妻との関係も冷めているようです。
主人公のギタリストは老歌手に雇われ、ゴンドラで老歌手が妻に捧げる歌の伴奏を依頼されます・・・・。
どの作品も夫婦関係を描いています。
といっても直接的ではない。
一人称で書かれる主人公を通してです。
そして音楽の才能ある主人公たちの苦悩といいますか。
才能あっても見た目で日の目を見ない、過去に栄光を受けても今は落ちぶれ、など。
全体的に黄昏の雰囲気がありますね。
カズオ・イシグロの作品は非常に読みやすいのがいいです。
もちろん英語がわからない私は翻訳で読むしかないのですが、原文がそうなのか翻訳がいいのか、いわゆる“翻訳臭”がないのがいい。
ラベル:海外小説
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