2019年04月11日

「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」カズオ・イシグロ

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音楽をテーマにした5編を収録した短編集です。
タイトル的には「夜想曲」というのが表題作になるのでしょうか。
才能はあるのに醜男のせいで仕事に恵まれない無名のサックス奏者。
妻にも去られてしまいます。
整形手術を受け、有名人御用達のホテルに“入院”し、隣室の有名女優と仲良くなりホテル内を散策するのですが・・・・。
これはコメディタッチの作品ですね。
雰囲気があるのは最初の「老歌手」でしょうか。
昔、一世を風靡した歌手が妻を伴ってベネチアを訪れています。
しかし現在は鳴かず飛ばずです。
妻との関係も冷めているようです。
主人公のギタリストは老歌手に雇われ、ゴンドラで老歌手が妻に捧げる歌の伴奏を依頼されます・・・・。
どの作品も夫婦関係を描いています。
といっても直接的ではない。
一人称で書かれる主人公を通してです。
そして音楽の才能ある主人公たちの苦悩といいますか。
才能あっても見た目で日の目を見ない、過去に栄光を受けても今は落ちぶれ、など。
全体的に黄昏の雰囲気がありますね。
カズオ・イシグロの作品は非常に読みやすいのがいいです。
もちろん英語がわからない私は翻訳で読むしかないのですが、原文がそうなのか翻訳がいいのか、いわゆる“翻訳臭”がないのがいい。
ラベル:海外小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする