2019年05月31日

5月の一冊

今月は15冊の読書でした。

・「超高速!参勤交代 リターンズ」土橋章宏
・「自分史上最多ごはん」小石原はるか
・「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」神田桂一 菊池良
・「耽美なわしら1」森奈津子
・「サラリーマン居酒屋放浪記」藤枝暁生
・「マンガはなぜ面白いのか その表現と文法」夏目房之介
・「本は10冊同時に読め!」成毛眞
・「漂泊の牙」熊谷達也
・「変な給食」幕内秀夫
・「キムラ食堂のメニュー」木村衣有子
・「三匹のおっさん ふたたび」有川浩
・「オリーブの罠」酒井順子
・「落語と私」桂米朝
・「5」佐藤正午
・「豆腐のトバ口 鰹の面取り」村松友視

「超高速!参勤交代 リターンズ」、タイトルからするとコメディのように思えますが、なかなかどうして読み応えのある時代小説です。
しっかりとエンターテイメントもしています。
「自分史上最多ごはん」、ある店のある料理が気に入り、何十年も通い何百回も食べ続ける。
そんな一品を紹介した一冊。
「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」、文豪の文体でカップ焼きそばの作り方を書くというバカバカしい内容です。
笑えます。
「耽美なわしら1」、ゲイとレズな連中のコメディ。
小説としてはどうかというレベルですが、まあそれなりに面白いのでよしとしましょう。
「サラリーマン居酒屋放浪記」、出張で全国を訪れる酒飲みサラリーマンがいい居酒屋を紹介します。
同じような立場の人なら実用的かも。
「マンガはなぜ面白いのか その表現と文法」、線やコマといった技術的な面からマンガを分析する著者。
普通の読者ならさらりと読み流すような部分をよく見てるなぁと思います。
「本は10冊同時に読め!」、まあ数冊を並行して読むというのは私もやっていますしいいと思います。
しかし著者の高飛車な物言いがイタ過ぎます。
「漂泊の牙」、絶滅したはずのニホンオオカミが生きていた!?
緊迫の動物&山岳小説です。
「変な給食」、ほんと学校の給食って変なのが多いですよね。
昔はここまでひどくなかったように思いますが。
「キムラ食堂のメニュー」、メインは著者の畑日記でしょうか。
日々の苦労が描かれています。
「三匹のおっさん ふたたび」、ちょっと話のスケールが小さい気もしましたが、まあ街の警らですからこんなものですか。
さすがに話は上手いと思います。
「オリーブの罠」、伝説のファッション誌オリーブで育った著者が過去を振り返り分析。
酒井順子ならではの柔らかくも容赦のない指摘がいい。
「落語と私」、落語についてわかりやすく詳しく解説した一冊。
入門書としていい本だと思います。
「5」、内容はSF的でちょっと現実離れしています。
しかしそうは思わせずするすると読ませるのがさすがに佐藤正午。
「豆腐のトバ口 鰹の面取り」、食べることについていろいろと細かなところにこだわった食エッセイ。
なんだかんだいいつつ、やはり食べることにはこだわらずにいられないんですよね。

では今月の一冊を。
「超高速!参勤交代 リターンズ」、「5」が候補ですね。
どちらもわくわくと夢中で読みましたが、「5」ですかね。
うん、今回はこれでいきましょう。

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posted by たろちゃん at 06:34| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月29日

「豆腐のトバ口 鰹の面取り」村松友視

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食エッセイです。
以前に読んだ「食べる屁理屈」と内容がダブッており、こういうのに当たるとなんだか損した気分になるのは性格がセコイせいでしょうか。(笑)
でもしっかりと内容を覚えているわけでもなく、再読の機会を与えていただけたと思えばいいのでしょう。
さて、表題の「豆腐のトバ口」とはなんぞや。
ま、ある店の豆腐を食べて美味しさに目覚めたと。
そして旅するたびに美味しい豆腐屋を探すようになったと。
たしかに本物の豆腐というんでしょうか、スーパーの安売りのようなのではなくちゃんとした物を食べるとほんとに美味しいですよね。
というか、それが本来の豆腐の美味しさであり、スーパーで出回っているようなのが紛い物なんでしょうけど。
「鰹の面取り」とはなんぞや。
新鮮な魚といえども、大量に刺身を出され、それをひたすら醤油で食べ続けるのはうんざりすると。
私もそうですね。
刺し身なんて数切れでいい。
そんな大量に食べられるものじゃない。
しかし著者は友人にある天ぷら屋に連れて行ってもらい、そこで出された鰹の刺身に感動したと。
それは普通に切られたものではなく、鰹を外側から削ぐ様に、鉛筆を削るように“面取り”してあったとのこと。
なので切断面が1枚ずつ違っており、味わいに変化が生じるというわけです。
これが魚料理専門店ではなく天ぷら屋で出されたというのがミソ。
当たり前の盛り付けではなく、過去の風習にとらわれない提供の仕方に感じ入ったということです。
専門外だからこそということなのでしょうか。
そうですね、今まで普通に食べていたものも、ちょっとした工夫で新鮮な美味しさになるのかもしれません。
それはむしろ専門外の人が今までの型ににとらわれない発想で生み出すのかもしれませんね。
ただやりすぎると台無しですが。
ラベル:グルメ本
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2019年05月27日

「5」佐藤正午

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津田伸一は小説家。
ネットで女性を引っかけては遊んでいる女たらしです。
中真智子という人妻とも不倫中ですが、別れを切り出されます。
原因は真智子が夫婦で行ったバリ島旅行で夫の志郎が知り合った手袋をした石橋という女性。
たまたま彼女と手を触れた志郎に変化が訪れます。
それまで真智子と体を合わせるのが苦痛でしかなかったのですが、人が違ったように真智子を求めるようになります。
夫婦生活が戻り子供を授かることを考え伸一に別れを告げる真智子。
そして伸一のサイン会に志郎が訪れて、話がじわりじわりと展開していきます・・・・。
小説家津田伸一の放蕩さには、男女の愛についての冷めた目があります。
「必ず冷めるもののことをスープと呼び愛と呼ぶ」
「真理だ」
「その真理がくつがえるんです」
石橋との出会いで不思議な能力を授かり、真智子との愛を取り戻したかに見える志郎。
その行く末は。
そして女遍歴を重ねる伸一は果たして順風満帆な小説家生活を送れるのか。
いろんな人間が交錯し、物語を綴っていきます。
660ページ、渾身の長編です。
ラベル:小説
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2019年05月25日

「落語と私」桂米朝

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人間国宝だった故・桂米朝が中学生高校生向けに書いた落語の入門書です。
いや、解説書というべきか。
もともとは昭和50年にポプラ社から出たものを、少し手を入れて昭和61年に文春文庫から出したのがこの本です。
なので落語の歴史、漫談とどう違うのか、東京と上方の違いは、落語史上にはどのような人たちがいたのか、などなど、非常にわかりやすく書かれています。
桂米朝といえば大きな名前でしたもんねぇ。
上方の落語を立て直した功績はあまりにも大きい。
この人がいなかったら今の上方落語はなかったかもしれません。
落語もまたさすがに面白い。
ちょくちょくネットで動画を観るのですが、はんなりした話し方に円熟の味わいがありますね。
弟子である桂枝雀の大きなアクションの落語も大好きですが。
最近はお笑いといえば漫才からスタートしてバラエティタレントというのが王道のようになっていますが、落語という芸にもっと目を向け評価するべきでしょう。
例えば小説やマンガ、映画といった創作に携わる場合、勉強になるのは漫才よりも絶対に落語です。
漫才しか知らない漫才師よりも落語を知っている漫才師のほうが絶対に面白い。
と思う。(笑)
さて、今からまた米朝さんの落語を聴くとしますか。
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2019年05月23日

「オリーブの罠」酒井順子

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昔、「オリーブ」というファッション雑誌がありました。
私も現役でちょくちょく見ておりました。
(男性ですけど興味ありました。ちなみに「non-no」も購読してましたね。モデルの長谷川ミキさんが好きでした。 笑)
2003年で休刊となったようですね。
そうか、いつのまにかなくなっていたのか。
もともとは「ポパイ」の増刊ということでスタートしました。
「ポパイ」といえばお洒落でアメリカナイズされた、当時では先端のシティボーイ(死語)のバイブルのような雑誌でした。
その妹分として登場したのが「オリーブ」です。
著者はまさに「オリーブ」に影響を受けた世代。
影響どころかマーガレット酒井という名前でデビューし、連載までしておられました。
ちなみにその当時の編集者が泉麻人氏
いまや伝説ともいえる雑誌だったわけですが、読者であり執筆者でもあった著者が、「オリーブ」とはなんだったのか、と振り返り分析しておられます。
カリフォルニア、サーフィンといったアメリカンなイメージでスタートしたはずが、突如リニューアルしてフランスのリセエンヌを目指せとなります。
ファッションだけでなく、生活までも。
それが大きく支持されてオリーブ少女なんてのもあちこちに出没したわけですが。
しかし時代は流れます。
ヤンキーだのギャルだのが台頭してきまして、時代にそぐわなくなってきます。
そしていよいよ休刊。
ファッションの世界なんてほんとに時代を映すいちばん最先端ですもんね。
時代を作ったファッション誌といえども、それだけに同じコンセプトでは続けられないでしょう。
アメリカンからフレンチに変え、まさかギャルまではいけませんもんね。
さて、本書ではまさに著者が読者として、連載の執筆者として見続けてきた「オリーブ」が書かれています。
「オリーブの罠」とはなんだったのか。
あ、この本と一緒に「ユーミンの罪」も読まれましたら、当時の女性なら涙かと。(笑)
ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする