2019年05月01日

「超高速!参勤交代 リターンズ」土橋章宏

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前作において老中・松平信祝よりわずか五日で参勤交代をせよとの命が発せられ、なんとかかんとか参勤を成し遂げた湯長谷藩藩主の内藤政醇。
信祝は政醇に皆の前で鼻をあかされ大恥を掻いたうえ、権力を利用し好き放題していたことを八代将軍徳川吉宗に咎められ、蟄居を申し付けられます。
しかし黙って引き下がるような人物ではありません。
ライバルたちを暗殺し、まんまと老中に返り咲きます。
そして政醇への復讐を企てます。
行きの“参勤”は果たしたものの、帰りの“交代”を終えて“参勤交代”です。
政醇に今度は二日で交代を終えよとの沙汰を下します。
明後日の暮れ六つまでに湯長谷城へ帰りつかなければ藩はお取り潰しです。
しかも江戸城天守閣再建の普請までやらせようとします。
その費用、およそ二十五万両。
ただでさえ金のない一万五千石の藩にできるわけがありません。
絶体絶命の政醇と湯長谷藩ですが・・・・。
いやしかし松平信祝のクソ憎たらしいキャラクターといったら。(笑)
人の命を屁とも思っていません。
それだけに内藤政醇の清廉な人物が際立つんですね。
なによりも藩のことを思い、村の子を子守し、百姓たちと一緒に田んぼを耕し、参勤の途中に出会った飯盛り女の人柄に惹かれ側室にし、自分が犠牲になってでも藩の者たちを守るような人物です。
そして政醇の側近たちがまた魅力的に描かれています。
話のクライマックスでは政醇を始めその側近たちと七人で信祝率いる一万二千人もの大軍と戦います。
この戦のシーンが迫力あるんですよね。
しっかりと読み応えのある時代エンターテイメント小説です。
でも調子に乗って第3弾は出さないでいただきたい。
人気をいいことにだらだら続編を書き続けたら熱も冷めてしまいますから。
読んでみたい気もしますけど。(笑)
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『と』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする