2019年05月15日

「漂泊の牙」熊谷達也

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宮城県北西部の村にオオカミが出たという情報を得たテレビ局プロデューサーの丹野恭子は、目撃者の老人に取材します。
ところがなんとも話にならない呆け老人です。
絶滅したはずのニホンオオカミを目撃したなんてあるはずがないのです。
しかしその後山奥に住む主婦が野犬に喰い殺されるという事件が起こります。
被害者はオオカミを研究する動物学者城島郁夫の妻でした。
その後も犠牲者が発生します。
はたしてその正体は本当に野犬なのか。
それとも絶滅したはずのニホンオオカミなのか。
愛妻を喪った城島は真相を追求すべく追跡を開始します。
それをカメラに収めようと同行する恭子。
さて真実は・・・・。
こういう内容を書かせるとさすがの熊谷達也だなと。
直木賞、山本賞をダブル受賞した「邂逅の森」を始め、そのシリーズで山や動物を描いた迫真の作品を発表してこられましたからね。
それらは熊やマタギを描いておられましたが、今回はニホンオオカミです。
絶滅したはずのニホンオオカミが本当に生き残っているのか。
それを軸に、なぜその動物は次々と人を襲って喰らうのか、というミステリーの要素もあります。
オオカミの生態や山中の描写が実に臨場感あります。
一級の動物小説であり山岳小説であり冒険小説でもありますね。
堪能しました。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする